日本時間2017年8月2日未明、ビットコインから分離する形で新たにビットコインキャッシュという仮想通貨が誕生した。分離直後300米ドル台からスタートしたビットコインキャッシュ価格は一時727.5米ドルと2.4倍に高騰したが、3日には一転して売りが優勢となり、4日夜に200米ドル台まで下落する乱高下となった。8月7日週は238.7米ドルからスタートし、10日時点では再び300米ドルの水準まで回復しており約26%の上昇を見せている(コインマーケットキャップより)。

ビットコインキャッシュは誕生後数日、通貨発行と取引処理のスピードが不安定となり、取引処理が数時間滞るなどの事態が起こった。こうした中、ビットコインキャッシュに対してネットワークの安定性と維持に不安感が高まったことが価格下落の背景だが、8月7日以降に取引処理や通貨発行の間隔が徐々に安定して行われるようになってきたこと、またネットワークを維持して通貨発行の役割を担うマイナー(採掘者)と呼ばれる参加者が徐々に増えていることが価格回復の下支えとなっているようだ。

ビットコインの発行プロセスには、マイナーと呼ばれる参加者が不可欠だ。マイナーは取引履歴を約10分に1回「ブロック」と呼ばれる形に格納するためのデータ処理作業を、多大な電気代を消費しながら競争し合って行う。この作業がマイニング(採掘)と呼ばれ、競争に勝って最速で処理を完了したマイナーに報酬として12.5ビットコインが付与される。これがビットコインの発行過程で、このビットコインが流通することでマイナー以外のユーザーもビットコインを取引所で取引したりできるようになる。

このマイナーがランダムに多数参加するほどネットワークの安定性や安全性も高まるのだが、誕生したばかりのビットコインキャッシュはこのマイナーの参加が十分ではなかった。今週に入って参加者の増加などの要因でネットワークは安定してきているものの、まだビットコインと比べると少数である。またビットコインはマイニングプールと呼ばれるマイニング専業企業が20社前後参戦するが、ビットコインキャッシュは現時点では、ビットコインキャッシュを創設したviaBTCという一社が参加するのみで、これを懸念する声も存在する。

さらに、現状ではビットコインキャッシュを所有するものの、まだ取引できない環境にあるユーザーも多い。取引所やウォレットなどの対応準備を待っている状態であるためだ。今後のビットコインキャッシュ価格は、所有者の大半が取引可能な状態となった後に市場がどう動意づくか、ネットワークの安定性が確保できるのか(マイナーの参加状況)といった点に影響されるといえ、この判断にはもう少し時間が必要だ。

ちなみに、時価総額と流動性から見たビットコインキャッシュのフェアバリューは165米ドルとなり、現時点の300米ドルはやや割高との見方もある。




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情報提供元: FISCO
記事名:「 ビットコインから分離したビットコインキャッシュ、8/7週は26%上昇【アルトコイン評価ニュース】