■NY株式:ダウ1ドル安、ハイテクセクターには買い戻しの動き

5日の米国株式相場はまちまち。ダウ平均は1.10ドル安の21478.17、ナスダックは40.80ポイント高の6150.86で取引を終了した。原油相場の下落や、軟調な製造業受注指数を嫌気し下落して始まったものの、FOMC議事録の発表を午後に控えて下げ幅を縮小する展開となった。一方で、ハイテクセクターに買い戻しの動きが広がり、ナスダック総合指数は上げ幅を拡大した。FOMC議事録では、関係者の間でバランスシート縮小の開始時期について意見が別れたことが示されたが、具体的なスケジュールについては明示されなかったことから、発表後の相場への影響は限定的となった。セクター別では、半導体・半導体製造装置やソフトウェア・サービスが上昇する一方でエネルギーや自動車・自動車部品が下落した。

自動車部品小売りのオライリー・オートモーティブ(ORLY)は既存店売上高が予想を下振れ、大幅下落。同業のアドバンス・オート・パーツ(AAP)やオートゾーン(AZO)も連れ安となった。原油相場の下落でチェサピーク・エナジー(CHK)や深海油田開発のトランスオーシャン(RIG)などエネルギー銘柄が軟調推移。一方で、半導体のエヌビディア(NVDA)は中国の検索大手バイドゥ(BIDU)とクラウドや自動車向け人工知能(AI)の技術提携を発表し、上昇した。主要ハイテク株であるアップル(AAPL)、アマゾン(AMZN)、マイクロソフト(MSFT)、アルファベット(GOOGL)に買い戻しが広がった。

電気自動車のテスラ・モーターズ(TSLA)は、4-6月期の出荷台数が市場予想を下振れたことや、ゴールドマン・サックスの目標株価引き下げを受け軟調推移となった。

Horiko Capital Management LLC


■NY為替:米バランスシート縮小時期不明確でドル伸び悩み

5日のニューヨーク外為市場でドル・円は、113円64銭から112円99銭へ反落し、113円24銭で引けた。米国の5月製造業受注が予想を下回ったことや、米連邦準備制度理事会(FRB)が公表した6月連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録でバランスシート縮小の時期は決まっていないことが判明したため、米債利回り低下に伴うドル売りが優勢となった。さらに、北朝鮮問題の深刻化を受けたリスク回避の円買いも上値を抑制した。

ユーロ・ドルは、1.1318ドルから1.1356ドルまで上昇し、1.1351ドルで引けた。欧米金利差の拡大観測を受けたユーロ売り・ドル買いが後退。ユーロ・円は、128円68銭から128円16銭へ下落。ECBの緩和縮小観測を受けたユーロ買いが後退した。ポンド・ドルは、1.2903ドルから1.2936ドルへ上昇した。ドル・スイスは、0.9680フランから0.9637フランへ下落した。


■NY原油:反落で45.13ドル、ロシアはさらなる減産には反対との見方

NY原油先物8月限は反落(NYMEX原油8月限終値:45.13 ↓1.94)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物8月限は前日比-1.94ドルの45.13ドルで取引を終えた。ロシアは石油輸出国機構(OPEC)主導の減産について、削減幅の拡大には反対する方針との見方が伝わったことが要因。米国のシェールオイル探査会社の石油リグ(掘削装置)の稼働数がさらに減少するとの見方はあるものの、OPEC非加盟国などの産油国がさらなる減産に応じない場合、減産順守率のさらなる上昇は期待できないとみられている。需給改善を見込んだ短期筋などのポジション調整的な買いは一巡した。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC)  24.92ドル +0.24ドル(+0.97%)
モルガン・スタンレー(MS) 46.16ドル +0.55ドル(+1.21%)
ゴールドマン・サックス(GS)228.04ドル +0.76ドル(+0.33%)
インテル(INTC)      34.34ドル +0.88ドル(+2.63%)
アップル(AAPL)      144.09ドル +0.59ドル(+0.41%)
アルファベット(GOOG)   911.71ドル +13.01ドル(+1.45%)
フェイスブック(FB)    150.34ドル +1.91ドル(+1.29%)
キャタピラー(CAT)     107.49ドル +0.52ドル(+0.49%)
アルコア(AA)       33.77ドル -0.25ドル(-0.73%)
ウォルマート(WMT)     75.32ドル -0.04ドル(-0.05%)
スプリント(S)       8.23ドル +0.08ドル(+0.98%)




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情報提供元: FISCO
記事名:「 5日の米国市場ダイジェスト:ダウ1ドル安、ハイテクセクターには買い戻しの動き