23日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・市場の関心は「森友学園」からトランプ政策に移る
・ドル円は111円43銭、じり高、籠池氏の証人喚問を注視
・インタートレード、パートナーエージェントなどがストップ高


■市場の関心は「森友学園」からトランプ政策に移る

日経平均は反発。26.84円高の19068.22円(出来高概算8億6000万株)で前場の取引を終えた。前日の400円超の下落に対する自律反発が意識されるものの、国内外の政治リスクを警戒するなか、日経平均は小幅に反発して始まった。しかし、「森友学園」の籠池氏による証人喚問を控えるなか、狭いレンジでのこう着を余儀なくされている。また、証人喚問での発言が伝わるなか、先物主導での仕掛け的な動きもみられ、前場半ばには一時18973.75円と節目の19000円を下回る場面もみられた。その後は短期筋のショートカバーも入り、小幅ながら反発して前場を終えている。

セクターでは石油石炭、電力ガス、鉱業、食料品、ガラス土石、金属、保険、陸運がしっかり。半面、その他製品、銀行、ゴム製品、倉庫運輸、情報通信が冴えない。東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1000を超えており、過半数を占めている。売買代金上位では、直近でリバウンドが強まっていた任天堂<7974>が一服となり、トヨタ自<7203>、KDDI<9433>、NTT<9432>、キーエンス<6861>が冴えない。一方で、東芝<6502>、ファナック<6954>、ファーストリテ<9983>、JT<2914>、力の源HD<3561>が堅調。

「森友学園」の籠池氏による証人喚問の発言内容が報じられるなか、仕掛け的な売買に振らされる格好となっている。午後も籠池氏の発言等に振らされる可能性があり、トレンドは出難いだろう。また、これが通過したとしても米国ではオバマケア代替法案を巡る採決が控えている。共和党内から法案通過を阻止する動きがあると伝えられるなか、仮に否決されれば、投資家の失望を誘う可能性がある。市場の関心は「森友学園」からトランプ政策に移ることになろう。

その中で物色については個人主体による材料株に向かいやすい。直近で大きく下げていた銘柄等に自律反発の動きもみられており、投資家は冷静に対応しているようである。また、日経平均は一時節目の19000円を割り込んだことで、調整一巡感から反対に売り込みづらくなろう。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■ドル・円は111円43銭、じり高、籠池氏の証人喚問を注視

23日午前の東京外為市場では、ドル・円はじり高。前日海外市場での下落から値を戻す展開となった。

ドル・円は前日、医療保険制度改革(オバマケア)代替案の採決を前にリスク回避の円買いが強まり、一時110円75銭まで下落。今日のアジア市場では値を戻す展開となり、日経平均株価の小幅高を手がかりに111円半ばまで上昇。

一方、大阪市の学校法人「森友学園」の認可をめぐる問題で参院予算委員会の証人喚問に招致された同学園の籠池泰典理事長(退任の意向)は、安倍晋三首相の妻・昭恵夫人から「安倍晋三からです」と、現金100万円の入った封筒を渡されたと証言した。

ランチタイムの日経平均先物はプラス圏で推移しており、目先も日本株高の継続が見込まれているが、リスク先行的なドル買い・円売りの動きは強まっていない。引き続き、籠池氏の証人喚問が注目され、安倍首相の進退問題に発展するような新事実が明らかになった場合には、株売り・円買いが強まりそうだ。

ここまでのドル・円の取引レンジは111円16銭から111円58銭、ユーロ・円は120円00銭から120円31銭、ユーロ・ドルは1.0782ドルから1.0798ドルで推移した。

12時16分時点のドル・円は111円43銭、ユーロ・円は120円16銭、ポンド・円は139円09銭、豪ドル・円は85円28銭で推移している。

(為替・債券アナリスト 吉池威)


■後場のチェック銘柄

・インタートレード<3747>、パートナーエージェント<6181>などがストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます

・スイス国立銀
「スイスフランは著しく過大評価されている」

・メキシコ中銀総裁
「インフレ期待の安定に向け適切に行動」

☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・14:00  パソコン出荷(2月)
・15:00  工作機械受注確報(2月)

<海外>
・特になし





<SK>

情報提供元: FISCO
記事名:「 後場に注目すべき3つのポイント~市場の関心は「森友学園」からトランプ政策に移る