国家主席はこれまで中国式グローバル化(Globalization with Chinese Characteristics)とも言うべき「一帯一路」構想を国際交流の主要な施策としてきた。だが、これに参加する途上国の多くは現在、困窮にあえぎ、債務不履行に陥る可能性が高い。こうした問題に対処し、債務不履行を回避するために中国が過去5年間に行った救済融資の総額は1,850億米ドルに上るとハーバード大学の経済学者、カーメン・ラインハート(Carmen Reinhart )氏は推計している。債務を永遠に借り換え、損失計上を回避するという国内モデルを世界に輸出しているのである。少なくとも、中国は国内外で不良債権を抱え込むことを望んでいない。他国と同様、財政上の制約があることを理解しているのだ。