8月19日付の、米国の権威ある外交・軍事・安全保障専門紙であるThe National Interestは、同紙社長シメス氏の「危険な幻想」という論説を掲載している。同氏は「米国と欧州の指導者は、民主主義を世界的に広げることを使命と捉え、そうしなければ、権威主義的国家の影響力が拡大してしまうとの幻想に取りつかれている」とし、「民主主義は本質的に、繁栄と安全を提供するということを前提とすべきではない」と主張している。そして、中露との対立は「民主主義」対「権威主義」という見方をすべきではなく、「民主主義」を他国に押し付けることは誤りであるとしている。民主主義の拡大に否定的な意見が主流を占め、アメリカ外交のインセンティブが低下、それに伴いアメリカの国際社会における指導力に陰りがさすことが危惧される。