米供給管理協会(ISM)が発表した12月ISM製造業景況指数は60.7と11月57.5から低下予想に反して上昇し2018年8月以降2年半ぶり高水準を記録した。活動の拡大と縮小の境目となる50を7カ月連続で上回った。民間マークイットが発表した12月製造業PMI改定値も2014年9月来で最高を記録するなど、製造業は順調な伸びを見せている。

重要な項目である新規受注は67.9と11月の65.1から上昇。やはり7カ月連続で50を上回り活動の拡大を示した。また、雇用も51.5と11月に48.4と活動縮小に落ち込んだのち、再び50以上に回復。受注残は59.1と2年半ぶり高水準、また、生産は64.8と2011年1月以降10年ぶり高水準となった。顧客在庫は37.9と36.3から上昇も、8月以降40を割り込んだままで依然低すぎる領域にあり将来の生産に繋がる可能性が指摘されている。

新型コロナウイルス第3波の影響や追加財政策の実施の遅れが影響し米国経済をけん引する消費のペースが鈍化、雇用市場にも影響が出る中、唯一製造業と住宅市場が順調で回復を支えそうだ。

■12月ISM製造業景況指数
景気指数:60.7(11月57.5)
仕入れ価格:77.6(65.4)
生産:64.8(60.8)
新規受注:67.9(65.1)
受注残:59.1(56.9)
入荷遅延:67.6(61.7)
在庫:51.6(51.2)
顧客在庫:37.9(36.3)
雇用:51.5(48.4)
輸出:57.5(57.8)
輸入:54.6(55.1)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:米製造業が景気支援へ、12月ISM製造業景況指数は2年半ぶり高水準