米ナスダックが引き続き好調です。3/23の安値からの3か月で56%の上昇と、ITバブル期の2000年に次ぐ上昇ピッチです。

この状態はバブルなのでしょうか。上昇した株がその後下落するとは言えませんが、極端な相場の後に株価がクラッシュする確率は高いという調査結果は多く存在します。例えば、米国市場は、2014年までの84年間で、2年間のリターンが100%以上となった後は53%の確率で4割以上暴落し、さらに150%以上となった場合、80%のケースで暴落したという分析もあります。

ナスダック全体の上昇率はまだそこまでではありませんが、米ハイテク株の一部は既にその域に達しています。さまざまな市場を監視し“バブル”を予測するスイスの研究所も、今年年初来米ハイテク株に行き過ぎのシグナルを点灯させています。

こうした価格の極端な上昇とクラッシュには、特に人間のherding(群れる)という行動が関わっています。人気店の行列にますます人が集まる現象などに譬えられますが、特に、急上昇時にherdingは激しくなる傾向が見られます。その間は、みんなの群れについていくとリターンが得られることになります。

しかしやっかいなのは、この現象は、株価が下落し始める時にも逆方向(売り方向)に激しくなるという点です。米ナスダック銘柄は業績の追い風もあるのでもう少し持ちそうですが、どこかのタイミングで、収益や実需が安定している資産に一部でも乗り換えておくのが得策かもしれません。

herdingという行動は、数億年前の恐竜時代からあったとされています。身を守るための特性が市場のノイズとなり我々の資産形成を妨げるとしたら皮肉なことですが、恐竜からだいぶ進化している現代人としては、どこかで“群れ”から離れる英断も必要かもしれません。

マネックス証券 チーフ・アナリスト 大槻 奈那
(出所:8/3配信のマネックス証券「メールマガジン新潮流」より、抜粋)




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情報提供元: FISCO
記事名:「 コラム【アナリスト夜話】バブルの再来?herding(群れ)から離れる戦略も(マネックス証券チーフ・アナリスト大槻奈那)