全米不動産業者協会(NAR)が発表した3月中古住宅販売件数は前月比‐8.5%の527万戸と予想525万戸を小幅上回ったものの昨年4月来で最低となった。下落率は2015年11月来で最大を記録。前年同月からは0.8%増と、わずかな伸びにとどまった。同指数は1月または2月に契約が完了した物件数となる。新型ウイルスが蔓延し経済が急速に悪化する前から、住宅販売が鈍化していた証拠となる。

3月末に向けて供給は10.2%減。新型ウイルスの影響を受けたビジネスの閉鎖や外出規制を受けて、売り手は家を売りに出す時期を遅らせると同時に、買い手も購入を延期している。NARのチーフエコノミスト、ヤン氏は新型ウイルス感染拡大を警戒し、3月後半には住宅販売が大きく鈍化しており、今後4月、5月の住宅販売が30%、40%減少する可能性を警告した。

現状で買い意欲が依然として見られるものの在庫が不十分だという。価格の伸びは依然強く、中間価格は8%増の28万ドル。ただ、今後数カ月、新型ウイルスがホテルや観光施設などの運営に大きく影響を与えた地域では価格の下落が予想されている。






<CS>

情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:米中古住宅販売、4月、5月の急減を警戒