11日の日本株市場は、買い先行の展開になろう。10日の米国市場では、NYダウが150ドル高と続伸。米国と中国が通商協議で部分的に合意するとの期待から買いが先行し、その後もトランプ大統領が11日に中国副首相と会談する予定を明らかにしたことが好感された。シカゴ日経225先物清算値は大阪比155円高の21675円。円相場は1ドル107円90銭台と円安に振れて推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好からギャップスタートとなり、日経平均は足元で攻防を続けていた25日線と75日線に挟まれていたレンジ上限を捉えてきそうだ。米中閣僚級協議に対しては、楽観はできないものの、トランプ大統領は「非常にうまくいっている」と述べているほか、11日には中国副首相と会談する予定であるため、弱気に傾いているポジションの巻き戻しが意識されやすい。

 もっとも、商いが低水準の中では値幅が出やすいものの、基本的には買い一巡後はこう着感が強まりやすいだろう。米政権が15日に予定している対中追加関税の税率引き上げが延期されるのではないかとの期待感が高まりやすいが、こちらも結果を見極めたいところである。また、三連休となることで積極的な売買が手控えられやすいほか、大型台風接近で大きな被害が想定されていることも、海外勢による日本への資金流入を手控えさせそうだ。

 また、ファーストリテ<9983>の決算は想定の範囲内であり中立ではあるが、日経平均の重石になる可能性がある。安川電機<6506>の下方修正についても、予想レンジ内であるが、売り直されるようだと今後本格化する決算に対する警戒感が高まりやすいところである。そのため、安川電機の底堅さを見極めつつ、個別材料株での短期的な値幅取りが中心になりやすいだろう。


<AK>

情報提供元: FISCO
記事名:「 弱気に傾いているポジションの巻き戻し