[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;22828.75;-55.47TOPIX;1581.19;-1.55

[後場の投資戦略]

 東京市場は明日からの4連休が明けると、4-6月期決算の発表が本格化する。今回の決算発表は、新型コロナの影響が企業の売上高や利益にどの程度影響しているかということに焦点が当たるだろうが、少し違った見方もできるかもしれない。

 日本電産<6594>が昨日発表した21年3月期第1四半期(20年4-6月)決算は、前年同期比6.6%減収、1.7%営業増益となった。世界的な需要低迷で売上高が減少したが、コスト削減策の効果で増益を確保した。減収・増益となったのは日本電産だけではない。富士通ゼネラル<6755>が昨日発表した4-6月期連結業績は、新型コロナの影響で前年同期比6.9%減収だったが、コストダウンなどにより営業利益は前年同期に比べ55.3%増の大幅増益となった。

 また、昨日業績予想を上方修正したコスモ・バイオ<3386>。20年12月期上半期(中間期)連結売上高は前回予想から1%強と小幅に上方修正した一方、連結営業利益は前回予想を70%以上も上回る見込みと発表した。会社側は、新型コロナの影響による営業活動の自粛などにより経費が圧縮されたとしている。

 コロナ禍は一般的には企業にとって逆風だろう。しかし、コロナ禍の逆風を逆手に取り、次のステージに向けた施策を一気に進める経営者も少なくないと思われる。上述の日本電産や富士通ゼネラルは、コロナ禍の逆風の中でのコスト削減により収益体質が一段と強固になったと思われる。

 これはアフターコロナでも大きな強みとなる。また、コスモ・バイオは、利益を生むために行ってきた営業活動が、逆に利益拡大の阻害要因となっていたことが示唆されており、コロナ禍の逆風が新しい営業活動へ転換するきっかけとなる可能性もある。アフターコロナでは、これまでとは全く違う筋肉質の収益体質に生まれ変わった姿を見せる企業が現れるかもしれない。4連休明けから発表が本格化する4-6月期決算発表では、単に売上高や利益の増減だけではなく、個々の企業がコロナ禍の逆風の中で何をしてきたかが問われることになりそうだ。

 さて、後場の東京市場で日経平均はもみ合いとなりそうだ。東京市場は明日から4連休となることから積極的にポジションを傾けにくい。また、4連休の間には米国でテスラ、マイクロソフト、ツイッターなど主要企業の4-6月期決算発表が相次ぎ、これを確認したいとする向きも多い。前場のTOPIXの下落率は0.1%で、日銀によるETF買いは期待しづらい。一方、テクニカル面では、短期的な下値支持線として意識される5日移動平均線が22700円台にあり、ここから下げても下値は限定的だろう。


<AK>

情報提供元: FISCO
記事名:「 4連休控え模様眺め気分強まる