日経平均は大幅続伸。358.49円高の22907.73円(出来高概算6億1000万株)で前場の取引を終えている。

 16日の米株式市場ではNYダウが547ドル高と大幅に反発した。金融大手ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーを中心とした主要企業の決算が好感されたほか、10月NAHB
(全米ホームビルダー協会)住宅市場指数や8月JOLT(求人労働異動調査)求人件数といった堅調な経済指標も相場を押し上げた。円相場は1ドル=112円台前半まで下落し、市場の不安心理を映す変動性指数(VIX)は17.62と節目の20を下回った。こうした外部環境の改善を受けて東京市場でも買い戻しの動きが強まり、本日の日経平均は257円高からスタートすると、前場には一時22959.41円(410.17円高)まで上昇するなど堅調な展開となった。

 個別では、ソフトバンクG<9984>、ファーストリテ<9983>、任天堂<7974>、ソニー<6758>、トヨタ自<7203>など売買代金上位は全般堅調。ソフトバンクGは出資する米配車大手ウーバー・テクノロジーズが上場した際の企業価値を巡る報道が伝わっており、3%近く上昇した。東エレク<8035>が3%超、SUMCO<3436>が5%超上昇するなど半導体関連株の上げも目立つ。米半導体製造装置大手の発表した業績見通しが買い材料視されたようだ。また、第三者割当増資の実施を発表した田淵電機<6624>がストップ高水準まで買われ、業績上方修正を発表したノジマ<7419>なども東証1部上昇率上位に顔を出した。一方、ユニファミマ<8028>やスズキ<7269>は逆行安。また、業績予想の修正を発表した川崎船<9107>が東証1部下落率トップとなった。海運大手3社で設立した定期コンテナ船事業会社が下方修正の要因で、商船三井<9104>や郵船<9101>も大きく売られた。セクターでは、機械、証券、不動産業などが上昇率上位で、その他も全般堅調。海運業と鉄鋼の2業種のみ下落した。

 米国株の大幅高やVIXの低下といった外部環境の改善を受けて、本日の日経平均は5日、75日の各移動平均線水準を上回ってスタートし、買い戻しの動きに弾みが付いた。前日の空売り比率(東証)は44.9%となお高水準で推移しており、一段と買い戻しが進む余地は残るだろう。日経平均のリバウンドを受けて個人投資家のマインドも持ち直し、新興市場でもマザーズ指数や日経ジャスダック平均が大幅続伸している。

 しかし、日経平均は10月2日に年初来高値24448.07円(取引時間中)を付けてから10月15日安値22261.92円(同)までの下落が急ピッチだったため、節目として意識される23000円や25日移動平均線水準(23400円弱)では戻り待ちの売りが出やすいと考えられる。昨日も指摘したとおり、今月下旬からの7-9月期決算発表を控え、通商問題などが企業業績に与える影響を見極めたいとの思惑も強まるだろう。目先のリバウンドに乗る場合にもこうした点に注意しておきたい。
(小林大純)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 日経平均は大幅続伸、外部環境の改善で買い戻しに弾み