ワークスーツの取引形態は、B to CとB to Bの2通りがある。 郊外店やその他の紳士服専門店がワークスーツを販売する場合はB to Cのケースが殆どである。B to Cでは、もともと自転車通勤するビジネスパーソン等に高機能素材のビジネススーツ需要があった。コロナ禍で、公共交通機関を利用しない自転車通勤などが増えたことにより、よりニーズが高まっている。
B to Bの取引を行っている企業は、主にユニフォームメーカーである。ユニフォームメーカーはこれまでも、タクシーやバスの運転手向けに着心地のよい化学繊維素材のワークスーツをカタログを使って提案してきた。その流れにのり、他業種にもカタログを通して、ニーズの掘り起こしを行っている。
今後、B to Bメインのユニフォームメーカーでは、B to C向けのワークスーツを企画する動きが進み、B to Cメインの紳士服専門店でもB to B向けの営業や商品企画を強化する傾向が強まる。ワークスーツの認知が進めば、さまざまな職種や学生服にも新たなビジネス機会が生じると考える。
3.将来展望
現状では一般的なウール素材の既製スーツから、ビジネスカジュアルやワークスーツに需要が流出している状況にあり、2021年以降、B to B、B to Cいずれの企業でもワークスーツへの取り組みを本格化させる見通しである。 ワークスーツはビジネスカジュアルほどの着回しが可能ではないものの、B to Bでの需要やビジネスカジュアルとワークスーツ両方を持つダブルスタンダードなどのニーズが増加し、2025年のワークスーツ小売市場は、210億円規模の市場に成長すると予測する。