IoT(Internet of Things)製品向けソリューションの開発を手掛ける株式会社アプリックス(本社:東京都新宿区、代表取締役 兼 取締役社長:長橋賢吾、以下「アプリックス」)は、球状太陽電池の開発・製造・販売を行うスフェラーパワー株式会社(本社:京都府京都市下京区、代表取締役社長:井本聡一郎、以下「スフェラーパワー社」)と、太陽光発電技術を利用したBeacon(ビーコン)の共同開発を行うことについて、2018年9月に合意しました。

太陽光発電技術を利用したBeaconの試作機はすでに完成しており、引き続き製品化に向けて共同で開発を進めていきます。またスフェラーパワー社と協力し、国内の企業や各種法人に対し、太陽光発電技術を利用したBeaconを積極的に提案していく予定です。

今後アプリックスは、BeaconやセンサーをはじめとしたIoT機器における電力コスト・工事コスト・保守コストなどの低減と、より設置自由度の高いIoT機器を実現する手段の1つとして、エネルギーハーベスティングを活用していきます。

<背景>
Beaconとは、省電力の近距離無線通信であるBluetooth Low Energyなどを使い、近くのスマートフォンなどに情報を発信する装置です。アプリックスはオリジナルのBeacon「MyBeaconシリーズ(https://business.aplix.co.jp/product/mybeacon/)」を開発・販売しているほか、Beaconを使ったスマート打刻サービス「DAKOQ(ダコク)(https://dakoq.hubea.com/lp/index.html)」の提供、Beaconを使うIoT製品・サービスの受託開発などを行っています。

Beaconをはじめ、IoT機器が通信するには電力が必要です。IoT機器の数が増え、設置する場所が多方面に広がるにつれ、電気代や電力供給のための配線、電池を使う場合は電池のコストや電池交換の手間など、電力に関するさまざまな問題が顕在化しています。

そのような中、周囲の環境から光、熱、振動などのわずかなエネルギーを「収穫(ハーベスト)」して電力に変換する技術「エネルギーハーベスティング(環境発電)」が、IoTにおいても大きな注目を集めるようになりました。アプリックスでも以前からエネルギーハーベスティングを活用したBeaconの研究を進めており、次に記載する特徴をもつスフェラーパワー社の「スフェラー」に着目しました。

<「スフェラー」の特徴>
「スフェラー」は、世界初の三次元受光を実現した球状太陽電池です。

球状太陽電池とは、通常の平らな太陽電池と異なり、光を受ける面が球のかたちをした太陽電池です。直径が1~2mmの球状シリコンで作られ、pn接合が球面でプラス、マイナスの電極が対向した構造が特長です。一般的な平板太陽電池とくらべ球面全体で光を受けて発電するため、入射光の角度変動や設置角度の影響が少なく、使用期間中の実質的な発電量が大きい特長があります。

また、必要な出力仕様に応じ粒状のセルをメッシュ状に直並列接続してモジュール化でき、出力やその外形形状は、用途に応じて曲面化を含めフレキシブルに設計できる。また、メッシュ状の直並列接続によって平板太陽電池とくらべて、温度上昇や部分日陰に対する出力低下も少ない特長を持った太陽光電池技術です。

・ 太陽がどの角度にあっても、光を採りこむことができる。
・ 垂直面や曲面にも設置できる。
・ セルを透明な樹脂の中に封じ込め、自由な形の発電モジュールを形成することができる。

【画像 http://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000181965&id=bodyimage1

(スフェラー)

【画像 http://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000181965&id=bodyimage2

(左:平板太陽電池  右:スフェラー)

<試作機について>
スフェラーパワー社が開発・販売している「スフェラースティック(http://www.sphelar.com/gallery-category/sphelar-stick/)」を基に、「スフェラー」で動作し、電池交換することなく長期間運用可能なBeaconの試作機を共同開発しました。「スフェラースティック」は「スフェラー」を使ったソーラーLEDライトです。

試作機では、「スフェラースティック」のケース(直径24.5mm×長さ156mm)と内蔵されているリチウムイオン二次電池(容量700mAh)を流用し、MyBeaconの機能を搭載したアプリックス製のBluetooth Low Energyモジュール「JM1L2S(ジェイエムワンエルツーエス)(https://business.aplix.co.jp/product/jm1l2s/)」を組み込み、Beaconとして使用できるようにしています。

この試作機でBeaconの送信出力を最大(0dBm)、信号を出力する間隔(advertise interval)を100ミリ秒に設定したところ、1日晴れれば約10日間、一度満充電すれば太陽光が当たらなくても約100日間、Beaconとして情報を発信し続けることができるという実験結果が得られました。

【画像 http://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000181965&id=bodyimage3

(スフェラースティック)

<合意について>
スフェラーパワー社の代表取締役 井本聡一郎は以下のようにコメントしています。
「アプリックス社の提供する超低消費電力のBeaconと、様々な環境下で設置向きに関係なく発電できるスフェラーモジュールを組合わせる事により、屋外設置で長期間安定した情報提供可能なIoT端末が可能となります。これらを市場に展開するとともに、更に進化させ、屋外でのIoT端末の普及に貢献していきたいと考えています。」

アプリックスの常務取締役 根本忍は以下のようにコメントしています。
「スフェラーパワー社のユニークな球状太陽電池スフェラー及び三次元受光関連技術とアプリックスのBeacon技術とを組み合わせて提供していくことで、例えば降雪時など本邦のさまざまな気象状況下において電池交換をせずに一定の動作を行うといった市場ニーズにお応えするとともに、急増するデジタルサイネージなど屋外設置型の高付加価値情報機器の実現と普及にも、微力ながら貢献してまいりたいと考えています。」

以上


■スフェラーパワー株式会社について
2012年5月、京セミ株式会社からの新設分割により創業。世界初三次元受光の球状太陽電池「スフェラー」をコア技術とした製品の開発製造をおこなっています。球状太陽電池「スフェラー」の三次元受光性とモジュール設計のフレキシビリティを生かして、小型センシング機器向けのコンパクトな太陽電池製品、建材向けのシースルーガラス一体型太陽電池を販売する他、スフェラーを布地に織り込んだ太陽光発電テキスタイルの開発にも取り組み、太陽光発電の応用分野を広げるべく開発研究を進めています。
コーポレートサイト: http://www.sphelarpower.jp/
製品サイト: http://www.sphelar.com/


■株式会社アプリックスについて
アプリックスの使命は「ソフトウェアの力で世の中のあらゆる人々に幸せをもたらすこと」です。携帯電話でのJava利用という新しいフロンティアを切り開いた「JBlend」に続き、開拓中の分野が、IoTです。当社ではIoTモジュール(ビーコン)、スマホアプリ、クラウドサービス等のIoTソリューションを一貫して提供することで、家電製品等のIoT化を推し進め、「モノからの通知によって人々の生活を豊かにする」というコンセプトの実現を目指しております。
アプリックスのwebsite(投資家情報等):https://www.aplix.co.jp/
アプリックスのテクノロジー事業:https://business.aplix.co.jp/


■お問い合わせ先:
お問い合わせのページ:https://www.aplix.co.jp/inquiry/

※スフェラー/ Sphelar はスフェラーパワー株式会社の登録商標です。
※記載されている会社名、製品名は各社の商標または登録商標です。







情報提供元: Dream News
記事名:「 エネルギーハーベスティングで電力問題の解決とコストの低減 スフェラーパワー社と、太陽光発電技術を利用したBeaconの共同開発で合意