2016 年 12 月 4 日、米国・デイトナ発 週末デイトナで開催されたフィナーリ・モン ディアーリにて、フェラーリがカスタマー向けに展開している一流の国際的なチャレンジ・レースの最新モデル、488 Challenge が公開されました。同モデルは、2017 年に 25 周年を迎えるフェラーリ・チャレンジ 6 代目のワンメイク・シリーズ専用車輌です。

フェラーリ・チャレンジは 1992 年の開始以来、これまでに 1,000 回以上のレースが 3 シリーズ、3 つの大陸で開催され、延べ 1,000 名以上のドライバーが参戦しています。長い歴史を誇るフェラーリ・チャレンジは、国際 GT レースやプロトタイプ選手権レースを目指すレーシングドライバーにとって、スキルアップに理想的なプラットフォームであることが証明されています。フェラーリ・チャレンジから巣立っていった多くのドライバーが、Grand-Am、IMSA、FIA 世界耐久選手権、そしてル・マン 24 時間といった数々のメジャーレースで優勝を飾っています。

488 Challenge は、2016 年インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー で総合 1 位に輝いた 488 シリーズ・プロダクションエンジンをべースにした 3.9 リットル V8 にチャレンジ・エンジンとしては初のターボチャージャーを搭載、歴代チャレンシジカー随一となる出力 670cv を誇ります。

大幅に躍進したエンジン、エアロダイナミクス、シャーシによって、488 challenge は、パフォーマンスの新たな領域に到達した 488 Challenge は、フィオラーノ・サーキットにおいて、先代の 458 Challenge EVO のラップタイムを 1 秒短縮する 1 分 15 秒 5 という新記録を樹立しました。

Ferrari 488 GTB V8 と比較して、488 Challenge のパワートレインは、レース・パフォーマンスに最適化されたエンジンマッピングと、ショート化したギア比を特徴としています。可変トルク・マネジメントは、ターボエンジンのパフォーマンス特性を最大限に活用すべく、直線加速時に理想的なタイミングでシフトアップできるよう変更されました。また、新レーシングシフト・ストラテジーを導入した F1 DCT トランスミッションは、わずか 6 秒で静止状態から 4 速レブ・リミットまで到達します。加えてパワートレイン全体重量も低減させました。

ビークルダイナミクスに関しては、チャレンジ車輌に初めてフェラーリが特許取得済みのサイドスリップ・コントロール(SSC)ソフトウェアが搭載されました。SSC は、トラクション・コントロールや E-Diff3 とともに、電子ダイナミック・コントロールに組み込まれて機能し、ターンイン、コーナリング中、そしてコーナー出口からの加速において常に最大のトラクションが得られるよう改善されました。

チャレンジドライバーが、ハンドリングを自身のドライビングスタイルに合わせられるよう、さらに高い次元での調整が可能となりました。3 つのマネッティーノの採用によって、車輌制御機能(トラクションとブレーキング)をそれぞれ独立してコントロールできるようになりました。ひとつはブレーキングに特化されており、残りの 2 つは、ステアリング・スポークの両サイドにセットされ、トラクション・コントロールと電子デファレンシャルを制御します。この 2 つのマネッティーノは、トラクション・コントロールの 2 つの局面(いつ、どのように介入するるか)を独立して制御します。

右側のマネッティーノ(TC1)は「いつ」、つまり加速時の介入ポイントを管理します。一方、左側のマネッティーノ(TC2)は、「どのように」という方法を管理し、後輪のスピンを感知した際、即座にトルク量を制御します。

このようなレース志向のアプリケーションは、2 つの制御アクションを組み合わることによってドライバーの予測値と車輌の挙動を見事に合致させます。これは特にレース中に起こる様々な状況下で威力を発揮します。その結果、モンツァ・サーキットにおける平均的なコーナー脱出加速は、11.6%改善されました。この改善は、進化したトラクション・コントロールとデファレンシャルによって制御された効率の良いトルクデリバリーによるものです。

プロダクションモデルと比較して、488 Challenge の最も顕著な変更は、エアロダイナミクスの向上です。デザインを損なわずに車輌のエアロダイナミクス効率を改善させるという技術的な目的達成に向けて、エンジニアたちはフェラーリスタイリングセンターと緊密に取り組みました。

フロントラジエターはレイアウトの見直しが図られた結果、傾斜を反転させ、後傾して搭載されています。これによってレース中のラジエターへの冷却気流が改善されると同時にドラッグを低減させました。この新レイアウトを採用したことでフロントフェンダー前方、バンパー下部にべントが新設されました。

ダウンフォースを増加させ、リア荷重とのバランスをとるため、より目立つスプリッターとフィンを装備したフロントバンパーは完全再設計です。これにより 458 Challenge EVO と比べて 7% 効率を改善しています。

ラジエターからの熱気流を後方に向けて整流するフラップが組み込まれたトリプルべントが備わるフロントボンネットもまた完全な新型です。高速安定性を向上させるため、 488 Challenge は、2016 年の FIA 世界耐久選手権を制した 488 GTE と同じエアロプロファイルの大型リアウイングを特徴としています。このリアウイングだけで 458 Challenge EVO 比で 9% の効率改善が図られました。

後方側面のインテークはリアブレーキの冷却用で、ダウンフォースの最適化に貢献します。一方、エンジン・インテークはリアスポイラー下に横方向に配置、このエリアで生成される高圧力気流を有効活用(ラム圧による過給効果)するよう設計されています。

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情報提供元: Dream News