研究によると、エネルギーの観点からみて、ヘリウムは金属粉末製造において最も持続可能なガスアトマイズ法であり、比エネルギー消費量はプロセスパラメータと合金化学に極めて依存する。ボールミル法などの機械的粉末製造方法は、積層造形に適している場合、アトマイズ法よりも消費エネルギーを大幅に削減。

米フロリダ州ハリウッド--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) --持続可能な積層造形(AM)業界の慣行促進に重点を置く世界的な支援団体である積層造形事業者グリーン協会(AMGTA)は、「金属AM材料の比エネルギー:比較」と題した研究プロジェクトの予備結果を発表しました。この研究は、研究コンサルタント会社であるシンテック・アソシエイツがAMGTAから委託を受け、複合材構造用完全モジュラーデジタルファクトリーであるダイバージェント・テクノロジーズとの共同によって実施されました。本研究では、3つの主要な金属AM材料の処理方法(ガスアトマイズ、メカニカルミリング(特にボールミル法)、ワイヤードローイング)を評価し、原材料製造における比エネルギーの要件を特定しました。研究の所見では、エネルギーの観点からみると、ヘリウムガスアトマイズ法が、一般的に使用される合金の金属粉末製造に用いる場合、最も持続可能なガスアトマイズ法であり、次にアルゴン、そして窒素が続くと指摘しています。アトマイズの比エネルギー消費量もまた、プロセスパラメータと合金の化学的性質に極めて依存することが分かりました。さらに、積層造形における粉末製造での使用に適切な場合、メカニカルミリング法はガスアトマイズ法と比較して比エネルギー消費量を大幅に削減することが研究で示されました。




ダイバージェント・テクノロジーの最高技術責任者であり、AMGTAの理事を務めるマイケル・ケンワーシー氏は、次のように述べています。「当社の合金の産業用加工に関するライフサイクルアセスメントを作成する際に、AMプロセスとアトマイズ粉末のエネルギー消費に関する文献に幅広い変動があることが分かりました。この研究は、主要なプロセスレバーを理解し、将来の持続可能性の強化をなすシステムトレード研究を評価するための、透明性のある一連のプロセス仮定とモデルを確立しました。」


本研究の主なポイントは以下のとおりです。



  • ヘリウムガスアトマイズ法がアトマイズ粉末に最適:研究によれば、エネルギーの観点から見ると、ヘリウムガスアトマイズ法は最も持続可能なガスアトマイズ法として抜きんでており、一般的に使用される合金の場合、アルゴンや窒素と比較して比エネルギー消費量が大幅に削減されています。


  • アルゴンアトマイズ粉末の窒素に対する優位性:ヘリウムの代替品を求める企業には、アルゴンアトマイズ粉末は、窒素アトマイズ粉末と比較して省エネとなる優れた選択肢となることが明らかになっています。


  • メカニカルミリング法はガスアトマイズ法より高いパフォーマンスを実現:メカニカルミリング法、特にボールミル法は、金属AM粉末製造のガスアトマイズ法と比較して、比エネルギー消費量を大幅に削減することを示しています。


  • 持続可能な選択のための業界のガイダンス:本研究は、積層造形で使用される原材料を製造する際に、全体的な持続可能性を向上させるために、キログラムあたりの比エネルギー消費量が最も少ない製造方法を選択することの重要性を強調しています。


AMGTAの理事長であるブライアン・R・ネフは、「AMGTAの主たる目標は、積層造形サプライチェーンにおける最も持続可能な製造方法について消費者に啓蒙することです。この重要な研究成果は、どのガスアトマイズ法がキログラムあたりの比エネルギーが最も少なくて済むかという指針を提供します。同時に、この研究は、ボールミル法などの粉末原材料の機械的製造方法自体が、エネルギーの観点から見てガスアトマイズ法よりも桁違いに優れていることを市場に示しています」と述べています。


ガスアトマイズ法は、積層造形用の粉末原料を製造するための有望な技術とみなされ、本研究の焦点でした。ヘリウムをアトマイズガスとして使用したガスアトマイズ法は、アルゴン(平均13%向上)および窒素(平均28%向上)と比較して、最も少ない総比エネルギー消費量となったことが明らかになりました。さらに、アルゴンアトマイズ粉末は、研究対象の合金(SS316L、Al5083、およびIN718)の窒素アトマイズ粉末と比較した場合、必要なエネルギーを12%削減することがわかりました。


本研究では、機械的粉末製造、特にボールミルによる粉末製造の効率性を強調しており、研究されたプロセス条件の範囲に対し、ガスアトマイズ法と比較して比エネルギー消費量が約90%改善されたことを示しています。ヘリウムアトマイズ粉末やボールミル粉末の使用が、特定の製品カテゴリーにおいて適用された影響を判断するために、さらなる研究が推奨されます。


AMGTAのエグゼクティブディレクターであるシェリー・モンローは、「この研究は、積層造形技術を活用した持続可能な製造方法について理解を深めるというAMGTAのコミットメントに合致しています。これらの研究結果は、環境に配慮した原材料製造方法を探す製造業者にとって重要な検討事項をはっきりと表しています。積層造形における持続可能性を推進し、十分な情報に基づいた意思決定をするためには、研究を行うことが不可欠なのです」と述べています。


本研究のハイライトは、AMGTAのウェブサイトでご覧いただけます。AMGTAは、2024年中にさらに独自の研究を発表する予定だと述べています。本研究およびAMGTAが行ったその他の研究に関する追加情報は、AMGTAのウェブサイト(www.AMGTA.org)でご覧いただけます。


AMGTAについて


積層造形事業者グリーン協会(AMGTA)は、グローバル経済全体で積層造形の環境面でのメリットをよりよく理解し、促進するために2019年に発足されました。AMGTAのメンバーは、設計、原材料から最終製品、ユーザーに至るまで、製造の全領域を代表し、ベスト・アディティブ・プラクティスを通じて、より良く、より持続可能で、経済的に有利な製品の革新に焦点を当てています。詳細は、www.amgta.orgをご覧ください。


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情報提供元: ビジネスワイヤ
記事名:「 積層造形事業者グリーン協会、粉末およびワイヤー積層材料の持続可能性に関する研究結果を発表