-受光部に、光電子を増倍する機能を搭載-


大阪--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- パナソニック株式会社 オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は、受光部に、アバランシェフォトダイオード(APD)※1を搭載したCMOSイメージセンサ(APD-CMOS)を開発しました。受光部で光電変換し生成された光電子をAPDで増倍することで、1万倍※2の電気信号を得ることに成功しました。これにより、星明り(照度0.01ルクス)程度の暗い場所でも、鮮明なカラー撮像が可能となります。























 

※1 

 

微弱な光(少ない光子量)から大きな電気信号を取り出すことができるフォトダイオード。光電変換層で発生した光電子を増倍させることで大きな信号を取り出すことができる。


※2 


増倍機能無しのイメージセンサとの比較(2016年2月3日現在、当社調べ)

 


今回開発したイメージセンサは、光電子を増倍することで高感度な撮像が可能となります。暗い場所でも露光時間を増加させることなく階調性の高いカラー撮像が実現できます。さらに、撮像時の明るさに応じて、APDに印加する電圧を変化させることで光電子の増倍を高速に制御し、明るい場所から暗い場所までの撮像が可能となります。広ダイナミックレンジのカラー撮像が必要な監視用カメラや超高感度撮像が必要な産業用カメラ等への応用が期待されます。



























本開発は以下の特長を有しています。



 

1.

 

高感度カラー撮像

 

:4000万/lux・秒・μm (従来比 1万倍)


2.


広ダイナミックレンジ


:100dB (従来比 +40dB)

 






















本開発は以下の技術により実現しました。



 

(1)

 

光電変換部にアバランシェフォトダイオードと電荷蓄積部を搭載し、生成した色情報を含む光電子を増倍するとともに蓄積するAPD画素設計技術


(2)


APDへの印加電圧を制御することにより1/1000秒で増倍を制御し、明暗の変化に追随する30fps動画撮像可能な感度可変技術

 


従来のイメージセンサでは暗い場所での撮像時には光電変換される光電子はノイズレベル以下となり、月明かり(照度0.1ルクス)程度の撮像が限界でした。このため、近赤外光源を点灯させた撮像や光電子増倍管[6]を用いた撮像が行われています。近赤外光源ではカラーでの撮像ができない、光電子増倍管には大きな電源が必要なためカメラが大型化するという欠点がありました。



本開発成果は、2016年2月1日にサンフランシスコで開催された「2016 International Solid-State Circuits
Conference」で発表しました。




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情報提供元: ビジネスワイヤ
記事名:「 パナソニックが0.01ルクスの暗い場所でも鮮明なカラー撮像を実現したAPD-CMOSイメージセンサを開発