超長尺トイレットロール


針葉樹の繊維拡大図(11.7nm)


圧縮試験結果

丸富製紙株式会社(本社:静岡県富士市、代表取締役社長:佐野 武男、以下:当社)は、芯なしトイレットペーパーの製造過程において、植物由来の新素材「セルロースナノファイバー(CNF)」を芯孔へ活用する技術を開発し、特許を取得したことを公開いたします。

家庭紙メーカーである当社は、植物由来の新素材「セルロースナノファイバー(CNF)」を芯なしトイレットペーパーの中心部に使用して強度を20%高める技術を開発し、特許を取得いたしました。

※業界初=当社調べ

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/382364/LL_img_382364_1.jpg
超長尺トイレットロール

◆開発の背景
芯なしトイレットペーパーは、多くの人が利用する公共・娯楽施設で重宝されており、近年のインバウンド需要が後押しすることで、年々需要は高まっています。また、取り替え頻度の削減といったメリットがあることで、一般家庭にも浸透しつつあります。当社は、創業当初から、芯なしトイレットペーパーへの製造・販売に注力しており、2015年には、超長尺と呼ばれる、通常の約5倍の長さ(一般的な芯有り50mシングルトイレットペーパーとの比較)を巻いた芯なしトイレットペーパーの販売始め、2019年には5年前の約1.8倍へ成長。現在では、自社内の全生産量の約30%を占める主力カテゴリーとなっております。


芯なしトイレットペーパーは、芯を使用しておらず省資源・長尺仕様のため、物流時のCO2排出量の削減など環境へのメリットも大きいのが特徴です。しかし、一方で、長く巻いた分ロールが硬くなるため、製造や輸送の過程で力が加わりつぶれると、形を復元するのが難しくなります。また、芯が変形するとホルダーに入らなくなったり、ペーパーを引き出す際にカラカラと音が鳴ったりしてしまう弱点があります。

画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/382364/LL_img_382364_3.jpg
針葉樹の繊維拡大図(11.7nm)

当社は、こうした弱点を補うため、植物由来の新素材「セルロースナノファイバー(CNF)」に着目。
一般的に、芯なしトイレットペーパーは、鉄の棒に紙を巻き付け、水を吹いて芯孔を固めます。そこで当社は、その水にCNFを混ぜ合わせることで、芯孔の強度を20%も高めることに成功。CNFの軽くて強い特性を活かし、中心部が変形しやすい芯なしトイレットペーパーの欠点を補う技術を開発し、特許を取得いたしました。

画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/382364/LL_img_382364_4.jpeg
圧縮試験結果

また、2020年3月にはトイレットペーパーの製造過程で生じる端材(損紙)を原料としてCNFを生成するための設備を増設。当初、毎時2キログラムの生産能力を15倍の毎時30キログラムにまで引き上げました。

今後は、地元である富士市のものづくり戦略の一貫として、地域に根ざした原料の開発や、異業界との連携を通じた非木材原料の採用検討など、新原料の開発へも注力し、持続可能な社会の構築に積極的に取り組んでまいります。

【特許番号】 第7401095号
【発明の名称】芯無しトイレットペーパーロールとその製造方法
【特許権者】 丸富製紙株式会社
【出願番号】 特願2020-011509
【登録日】 令和5年12月11日
情報提供元: @Press