ネット・ゼロへの取り組み

2022年11月6日から18日まで、エジプトのシャルム・エル・シェイクで開催されているCOP27(国連気候変動枠組条約第27回締約国会議)で、ゼロエミッションを実現するためのイニシアチブ「Our 2050 World」が、ネット・ゼロを実現するためのガイドラインを発表しました。
これに関するプレスリリースの翻訳版を、このイニシアチブの旗振り役を務めるBSIからお送りいたします。


国際標準化機構(ISO)は2022年11月11日、すべての関係者と組織がネット・ゼロ目標を達成するのを支援するため、待望のNet Zeroガイドラインを発表しました。わずか3ヶ月の間に、世界中から1,200以上の組織と専門家が集まり、ISOプラットフォームを通じて、オープンな合意主導のプロセスで、ネット・ゼロ指針のための中核的な文書を一つにまとめて策定しました。この作業は、既存のネット・ゼロの基準やイニシアチブを活用し、ネット・ゼロのガイダンスとして調和のとれた基礎を作り上げました。

Net Zeroガイドラインは、ネット・ゼロに関する方針、枠組み、基準、その他のイニシアチブを策定し、他社がそれを利用できるようにする組織を含むすべての組織を支援します。これにより、ネット・ゼロを宣言または支援しようとする組織は、それがどのイニシアチブと関連しているかに関わらず、同様のアプローチをとることができます。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/335068/LL_img_335068_1.jpg
ネット・ゼロへの取り組み

■COP26 イギリスの国連気候行動 ハイレベルチャンピオンであるNigel Topping(ナイジェル・トッピング)氏は、次のように述べています。
「ISOによるNet Zeroガイドラインの発行を歓迎し、その取り組みに携わったすべての関係者に祝意を表します。今年初めのPivot Pointレポートで強調したように、政府がパリ協定の目標を達成するために必要な規制環境を効果的かつ迅速に整えるには、ネット・ゼロに関する明確で一貫した、調和のとれた世界基準が必要です。このNet Zeroガイドラインは、Race to Zero(ゼロへのレース)の自主基準を基にしたもので、世界の関係者の足並みをそろえ、野心を高め、環境破壊に対処するためのネット・ゼロに関する中核的な参考文書として利用することができます」


■ISO会長のUlrika Francke(ウルリカ・フランケ)氏は、さらにこう付け加えました。
「Net Zeroガイドラインは、ネット・ゼロに関して大きな協調をもたらすでしょう。私たちはこのガイドラインが、パリ協定の目標を効果的に達成し、ネット・ゼロが意味するものに大きな信頼性を与えるために、政府や産業界で広く活用されると確信しています。この発行は、国際社会が気候変動に関する公約を実現し、2050年に向けて世界を正しい軌道に乗せるための歴史的なマイルストーンとなります。ISOは、世界中にポジティブな影響を与え、Net Zeroガイドラインが可能な限り広い範囲で確実に使用されるようにすることを決意しています」


■UNFCCCグローバル・イノベーション・ハブのMassamba Thioye氏は、次のように述べています。
「地球温暖化は、人類の社会・政治・経済システムが直面する最大の課題の一つです。この課題を克服するためには、行動変革とシステム変革の双方を支援するイノベーションが必要です。Net Zeroガイドラインは、このような変革の力を必要とするシステムや組織に、共通の基準を提供するものです。この共通の基準は、気候変動や持続可能性の目標に沿った将来を見据えたバリューチェーンを通じて、人間の中核的なニーズを満たすことを可能にする気候変動や持続可能性のソリューションの開発を促進することが期待されています」


■Our 2050 Worldの責任者であるDan Barlow(ダン・バーロウ)氏は、次のように述べています。
「気候変動の危機の大きさと深さは、私たちがこれまでとは異なる方法で協働しなければならないことを意味しています。Our 2050 World、そしてNet Zeroガイドラインに参加するすべての人々の努力は、世界をより迅速にネット・ゼロにするために必要な、イノベーションとアクセラレーションの一種と言えるでしょう。共著のNet Zeroガイドラインの発行は、野心的かつ協力的な行動を求める声が集まっていることを示すものです。「気候変動対策について何をすべきか?」ではなく、「どれだけ早くそれを実現できるか ?」という、より良い問いに移行しているのです」

Net Zeroガイドラインは、国際標準化機構(ISO)の国際ワークショップ合意(IWA)プロセスを通じて策定されました。この一連のバーチャル・ワークショップは、ネット・ゼロ達成に向けたグローバルな視点を反映した最終ガイドラインを策定することを目的としています。このイニシアチブは、ISO、UN Race to Zero、UNFCCCのGlobal Innovation HubによるOur 2050 Worldのコラボレーションにより実現したもので、英国の国家規格機関であるBSIが召集しています。

ISO Net Zeroガイドラインの詳細はこちらからダウンロード可能です。
URL: https://www.iso.org/netzero

本ガイドラインは、英語、フランス語、スペイン語、アラビア語で提供され、その他の言語も順次追加していく予定です。


■ISO(国際標準化機構)について
ISO(国際標準化機構):ISOは独立した非政府の国際組織で、167の国家標準化機構が加盟しています。そのメンバーを通じて、専門家を集め、知識を共有し、自発的でコンセンサスに基づく、市場に関連する国際規格を策定し、イノベーションを支援し、グローバルな課題に対する解決策を提供しています。


■Race to Zeroについて
Race to Zeroは、UNFCCC(国連気候変動枠組条約)の下で推進されているグローバルキャンペーンです。気候変動の脅威を防ぎ、雇用を創出し、包括的で持続可能な成長を実現するため、炭素排出ゼロの健全でレジリエントな社会を実現するために、企業、団体、地方自治体、投資家のリーダーシップと支援を結集することを目的としています。


■Our 2050 Worldについて
Our 2050 Worldは、ISO、国連のRace to ZeroとUNFCCCのグローバル・イノベーション・ハブの共同プロジェクトです。


■BSI(英国規格協会)について
BSIは、英国の国家標準機関として任命され、国際標準化機構(ISO)、国際電気標準会議(IEC)、欧州標準化機構(CEN、CENELEC、ETSI)のメンバーです。1901年に設立されたBSIは、世界初の国家標準化団体であり、Our 2050 Worldの招集者でもあります。
情報提供元: @Press