竹川 高志 准教授が研究する行動予測技術で表示できる個々人の推測判断パターン(例)

工学院大学(学長:伊藤 慎一郎、所在地:東京都新宿区/八王子市)の竹川 高志 准教授(システム数理学科)は、人の認知バイアスを数値化する研究を進めており、10月4日から31日までオンライン開催される「イノベーション・ジャパン2022~大学見本市&ビジネスマッチング~Online」(主催:国立研究開発法人科学技術振興機構、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)にて公開します。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/331154/LL_img_331154_1.jpg
竹川 高志 准教授が研究する行動予測技術で表示できる個々人の推測判断パターン(例)

■一人ひとりの価値の感じ方を数値化
この技術は、意思決定に影響する認知バイアスの個人特性を分析可能な手法です。
知識の曖昧なことがらを予測する際には、回答例などの形で提示された数値(アンカ)に大きく影響されます。例えば、人の購買行動は、事前に見聞きした価格に大きく影響を受けていると考えられています。
竹川 准教授の研究室では、このアンカリングと呼ばれる効果を再現するモデルを構築し、脳の基本的な学習機構と関連があることを明らかにしました。複数の課題に回答することで、アンカにどの程度影響されるかを個人のパラメータとして得ることができ、回答者が評価をコントロールすることを防ぎます。人間の行動原理をより深く定量的に明らかにすることで、公共性の高い情報の提供方法や社会制度設計の見直しに活用が可能です。多様な分野で、人々の行動予測のための新たな変数として役立てると考えています。


■研究者コメント:竹川 高志 准教授(工学院大学 情報学部 システム数理学科)
アンカリング効果は、マーケティングなどですでに活用されていますが、本研究では、個人特性を分類・抽出できることが特徴です(図の右上、Aさんの応答予測、Bさんの応答予測を参照)。そのため、マーケティング、SPI、オンライン教材などに付加価値が付けられると考えています。マーケティング、組織開発、教育分野などで使っていただけると効果的と考えております。


■「イノベーション・ジャパン2022~大学見本市&ビジネスマッチング~Online」概要
一般公開期間: 2022年10月4日(火)~10月31日(月)
主催 : 国立研究開発法人科学技術振興機構、
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
URL : https://innovationjapan-jst-nedo.jst.go.jp/
※サイト閲覧およびセミナー聴講予約には「参加登録」が必要。

<該当技術について>
出展エリア :大学見本市、大学等シーズ展示
出展分野 :ライフサイエンス
出展番号 :JL-23
展示タイトル:不確かな情報に対する個人の応答を定量的に評価する


【特許情報】
名称 :アンカリングの個人特性推定装置
出願者 :学校法人工学院大学
発明者 :竹川 高志、矢崎 敬人*、濱田 智明、小沢 勲男
出願番号:特願2021-178883
*「崎」の字は「たつさき」が正式表記です。

【関連論文】
大きさ推定における事前バイアスとアンカリング効果 ―情報量の少ない固有名詞を用いた例―
小沢 勲男、竹川 高志、電子情報通信学会誌D, 101 (2), 405-413、2018年.
doi: 10.14923/transinfj.2017HAP0008
情報提供元: @Press