『勇者の品格』メインビジュアル


『勇者の品格』伝説のはじまりその1


『勇者の品格』伝説のはじまりその2


『勇者の品格』主人公の旅立ちその1

スタジオキッチュは、LINEマンガオリジナル連載『勇者の品格』作者の香港の漫画家 東東(とんとん)さんと『勇者の品格』担当編集であり特殊マンガ雑誌「総合マンガ誌キッチュ」責任編集を務める呉(ゴ)ジンカンの特別対談を、WEB上で3月18日に公開しました。

URL: https://note.com/kitsch2010/n/n48c2bc0ec299

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/251682/LL_img_251682_1.png
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【物語の注目ポイントを紹介】
人間を裏切った英雄「最強剣士マニー」の妹ソフィーが、兄の無実を証明するために旅立った。魔物、金銭、欲望、人体実験にゾンビ…コミカルにスタートした異世界物語は次第にシリアスになっていく。そして物語に中に「勇者」という言葉はどこにもない。

異世界ものにして「平成初期のコロコロコミック感」「ほんわかする」などの読者コメントを見ても、現在のネットアプリのスクロールマンガではかなり珍しい作品と言えよう。「敵もいいデザインでカラーで縦読みでこんな読みやすいの初めて!」「ヤバイ期待以上に面白い」「どきどきしながら読んでます。期待大な漫画に出会えて嬉しい」「ストライクインパクト!」などの読者コメントが残されており、単になじみやすい絵柄の作品ではないことは明らかだ。

「異世界」と「ゾンビホラー」という異色な組み合わせの『勇者の品格』を制作した、台湾人編集者の呉(ゴ)ジンカンと香港人漫画家の東東(とんとん)という異色な二人が作品について語る。


■「第100回手塚賞 100回記念海外特別部門」で佳作!
日本マンガで育った香港人漫画家
呉:日本初連載おめでとうございます。
東:ありがとうございます。
呉:東東さんとの出会いは2017年頃だったと思うのですが、こんな感じで話をするのは初めてですね。香港のマンガと言えば「港漫」と呼ばれる、キャラクターたちが『ドラゴンボール』並みの大技で戦う武侠マンガですが、東東さんの作風はまったく違いますね。
東:はい、日本のマンガを読んで育ったんです。最も影響を受けたのは尾田栄一郎先生の『ONE PIECE』で、「空島編」と「ウォーターセブン編」は何回も読み返して、笑いと冒険と涙に深く感動しました。ちなみに実際漫画家を目指したのは中学生の頃で、「人と接しない在宅ワーク」という職業イメージを持っていまいした。
呉:なるほど。「在宅ワーク」は合っていますが…。
東:編集者とコミュニケーションを取らないといけませんでしたね。
呉:そんな東東さんは昨年(2020年)、「水平果」というペンネームで株式会社集英社主催の「第100回手塚賞 100回記念海外特別部門」( https://medibang.com/contest/jumptezuka100th/award/?locale=ja )で佳作に選出されました。
東:まだまだ未熟者ですが、審査員にはあの尊敬する尾田栄一郎先生もいましたので、認められた気がして本当に嬉しかったです。


■『勇者の品格』まで、日本でスクロールマンガを描くこと
呉:思えば東東さんと出会った2017年頃から、二人でいろんな出版社にさまざまな企画を持ち込んできましたが、スクロールマンガにたどり着いたのは意外でしたね。
東:持ち込んだのは異世界終末ものの『果てない空を駆けて』に、異世界転生社畜ものの『兵畜』、ほかに料理マンガの企画もありました。LINEマンガのインディーズに投稿した女剣士と医者の短編作品『魔法が使えない魔法使いが優しすぎて困った話』は、『勇者の品格』の原型キャラクターで、こちらはページマンガでした。
呉:その『魔法使い』が『勇者の品格』でスクロールマンガになりましたね。スクロールマンガといえば韓国発の表現手法だと思うのですが、ページマンガとはまた違う味わいがあって、最近日本でもすっかりおなじみになってきています。東東さんは日本マンガにルーツを持っているからでしょうか、描かれたスクロールマンガは韓国のものとまた違って、親和性があるというか…過去に中国と英語圏でスクロールマンガの連載経験も大きいかもしれないですね。
東:スマートフォンが世界的に普及していますし、スクロールマンガの発明はとても大きいと思います。日本でもこれからたくさん読まれていくんじゃないでしょうか。紙マンガを読み慣れた日本の読者の皆さんでも読みやすいよう、工夫しているつもりです。
呉:そうですね。スクロールマンガはこれからさまざまなジャンルが生まれる新天地になると思いますので、ますます楽しみです。


■『勇者の品格』のゾンビと本当の恐怖
呉:タイトルにある「勇者」という言葉は、実は本編に存在しないですね。
東:冒険する職業を「冒険者」ということにしました。ヒロインのソフィーが「異世界ゾンビ」での冒険と成長の物語で、彼女は最後に「冒険者」を超える「勇者」になれるかどうかという作品です。
呉:タイトルに「ゾンビ」という言葉を入れても良かったのですが、それをしない代わりに物語の深層的な主軸にして、あとはキャッチコピーとバナー画像で情報を提示することに、と。
東:成長するソフィーが本当に「勇者」になれるかどうか…を考えると、とてもいいタイトルだと思います。
呉:ゾンビホラーということですが、目から虫のようなものという、ゾンビの描写がユニークだと思いました。
東:ドクロに虫…という描写を映画で見てきていますので。ゾンビをもっと怖くリアルに描きたい願望はありますが、週刊連載で作画は全て自分一人ということもあって、作画クオリティを下げないために少しデフォルメした描き方になりました。
呉:あの作画クオリティを一人で…と、いつも驚きます。デフォルメが残る描き方ですが、『勇者の品格』の内容はかなりシリアスですね。人は金銭に買収されたり、欲望に流されたり…現実と重なるものが多いと感じます。魔物がいるから「冒険者」の職が成り立つことと、そのせいで人が死ぬことも。そこに主人公のソフィーが思いをぶつけていくという…。
東:主人公のソフィーの理想主義者で楽天的な性格は、正義感溢れる兄「最強剣士マニー」の影響です。社会に出たばかりの「白いキャンパス」のようなものです。彼女は「正しい心」「正しい強さ」「正しい優しさ」を持っていることから、「正しいもの」の代弁者かもしれません。そんな彼女を待ち受けるのは人体実験で生まれてくるゾンビという、モンスターよりも恐ろしいものなんです。
呉:しかしこの物語に本当に怖いものはゾンビではないかもしれないですね。
東:人の心…ですね。ソフィーがその中で正しい選択をして、タイトル通りの「勇者」になれるか、日本の読者の皆さんに見守ってほしいです。
呉:ジャンプの王道『ONE PIECE』の影響を受けた東東さんだからこそ、一緒に『鬼滅の刃』の面白さを目指したいですね。
東:う!ハードルが高すぎますのでできるかどうか…これからも頑張っていきますので、是非ソフィーをよろしくです。

(取材・文:呉(ゴ)ジンカン)


■LINEマンガオリジナル連載『勇者の品格』はこちら
https://manga.line.me/product/periodic?id=Z0000997


【東東(とんとん】
『勇者の品格』作者。香港の漫画家。
2014年に香港で『王子不行了』(全36話)で作家デビュー。
台湾、中国、香港で連載の経験を経て、2020年に「水平果」というペンネームで「第100回手塚賞 100回記念海外特別部門」で佳作を獲得。
2021年にLINEマンガオリジナル連載、スクロールマンガ『勇者の品格』連載開始。

【呉(ゴ)ジンカン】
『勇者の品格』担当編集。
フリーのマンガ編集者、翻訳者、嵯峨美術大学キャラクターデザイン領域専任教員、特殊マンガ雑誌「総合マンガ誌キッチュ」責任編集。
LINEマンガオリジナル連載、スクロールマンガ『勇者の品格』の編集を担当。
情報提供元: @Press