短編アニメーション部門グランプリ『 Wood Child & Hidden Forest Mother 』


短編グランプリ受賞作家のスティーブン・アーウィン氏のビデオメッセージ


日本グランプリ受賞作品『かたのあと 』


日本グランプリ ふるかわはらももか監督の授賞式の様子(SUPER DOMMUNEにて、左からフェスティバルディレクター 土居伸彰、ふるかわはらももか監督、国際審査員の宇川直宏氏)



11月20日(金)から30日(月)まで、空港現地とオンラインのハイブリットで開催されている「第7回 新千歳空港国際アニメーション映画祭」は、昨日23日(月・祝)、本年のコンペティション授賞式をライブストリーミングチャンネル「SUPER DOMMUNE」とのコラボレーション特別番組で行いました。

 91の国と地域から応募された2,223作品から、一次審査によって105作品がコンペティションに選出され、長編・短編アニメーションのグランプリを含む13の受賞作品を決定しました。



短編アニメーション部門受賞作品



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短編アニメーション部門グランプリ『 Wood Child &Hidden Forest Mother 』



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短編グランプリ受賞作家のスティーブン・アーウィン氏のビデオメッセージ



短編アニメーション部門グランプリは、イギリスの作家スティーブン・アーウィン(Stephen Irwin)氏の『 Wood Child &Hidden Forest Mother 』が受賞しました。

 国際審査員を務めた宇川直宏氏は、「ポストパンデミック時代、人間のライフスタイルは自然や環境にどのように対応できるか問われている」とし、都市のロックダウンによって自然環境が改善されたという最近のニュースやカルト映画の巨匠アレハンドロ・ホドロフスキー氏がコロナ禍の人間の活動の停滞を「惑星の健康が回復した」と発言したことに触れ、「このアニメーションには、人間中心主義的に警鐘を鳴らし、地球の環境を回復させるための魔術が指南されている」と評しました。

 スティーブン・アーウィン氏は受賞を受けビデオメッセージで「グランプリに選んでくれて、どうもありがとう!とても光栄です。こんな状況ですから、賞をいただけたというのはいつも以上に嬉しく思います。」とコメントしました。



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日本グランプリ受賞作品『かたのあと 』



 日本グランプリには、東京造形大学の卒業制作として在学中に発表した、ふるかわはらももか氏の『かたのあと』が受賞。セクシュアリティの芽生えや劣等感、複雑でデリケートな感情が混じり合った思春期の「好き」のリアリティを見事に具現化している作品と評価されました。

 特別審査員の田坂氏は「アニメーション表現の奥深さと可能性を秘めた本作に、日本グランプリを授与できることを光栄に思います」と述べました。

 特別番組に登場したふるかわはら氏は「信じられない気持ちです。自分の描きたいことを注ぎ込んだ作品でした。ありがとうございます」と受賞について述べました。



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日本グランプリ ふるかわはらももか監督の授賞式の様子(SUPER DOMMUNEにて、左からフェスティバルディレクター 土居伸彰、ふるかわはらももか監督、国際審査員の宇川直宏氏)



長編アニメーション部門



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長編アニメーション部門グランプリ『 My Favorite War 』



 長編アニメーション部門グランプリは、ラトビアのイルゼ・ブロコフスカ・ヤコブセン(Ilze BURKOVSKA JACOBSEN)氏の『 My Favorite War』が受賞。冷戦期のソ連占領下で育った監督自身の幼少期の物語を基にしたアニメーション・ドキュメンタリーです。

 受賞について「日本においてアニメーションがとても重要なものであることは存じていますし、日本という非常に美しい国に、脈々と受け継がれてきた伝統があることも知っています。

そのような国から、こうして賞をいただけたことは、これまでの受賞歴の中でももっとも感激させられました。」とビデオメッセージで感想を述べました。

 審査員を務めたアニメーション映画監督 片渕須直氏は、自身が監督を務めた作品「この世界の片隅に」で個人の視野から見えるだけの限りある世界の片鱗を描いたことと重ね、「『My Favorite War』という刺激的な題名のアニメーションドキュメンタリーを通じて、わたしたちはまたたくさんのささやかで大切な体験に触れることができました。それらはわたしたちの世界の切実な一部です」と評しました。



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イルゼ・ブロコフスカ・ヤコブセン氏のビデオメッセージ



受賞作品が見られる「オンラインチケット(1,500円)」は11月30日(月)まで販売



 新型コロナウイルス感染症の影響により空港実地・オンラインのハイブリット開催になった本映画祭。23日に空港開催を終えた閉会式にて、本映画祭実行委員長 小出正志は「映画とは視覚情報だけではない、体験であり映画館で見る意味を改めて考える機会となった」こと、さらには「祝祭空間として世界中から人が集まる重要性」と合わせてオンライン開催により「さらに厚みを持ってアニメーションを語る場になる可能性も見出せたのではないか」と締め括りました。



 本年映画祭のオンライン開催は2020年11月30日(月)まで、アワード受賞作品・コンペティションノミネート作品など150以上のアニメーション作品が視聴期間中見放題となる有料プログラムを配信中です。また「SUPER DOMMUNE」とのコラボプログラムをはじめとした無料ライブ配信プログラムのアーカイブ動画は、YouTube上で順次公開となります。

詳細は、映画祭公式サイト(https://airport-anifes.jp/)をご確認ください。 



受賞作品一覧



各賞の審査員評は、こちら( https://airport-anifes.jp/competition/awards/ )をご覧ください。



短編アニメーション部門



グランプリ 『Wood Child &Hidden Forest Mother』 Stephen Irwin / 2020年 / イギリス / 09:34



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『Wood Child &Hidden Forest Mother』Stephen Irwin



<ストーリー>森の奥深くで、ハンターは不思議な生き物と遭遇するが、それを決して仕留めることができない。



日本グランプリ 『かたのあと』 ふるかわはら ももか / 2020年 / 日本 / 04:05



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『かたのあと』ふるかわはら ももか



<ストーリー>

友達のえみちゃんが夢に出てきた。とてもびっくりしたから、 この日はえみちゃんのことをちゃんと見れなかった。



新人賞 『Black Sheep Boy』James Molle/ 2019年 / フランス / 14:57



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『Black Sheep Boy』James Molle



<ストーリー>

帽子をかぶった少年が、擬人化された生き物ばかりが住む奇妙な世界へと冒険する。見出す術を知らない幸せを探して、少年は哲学的で個人的なクエストをこなしていく。



審査員特別賞



審査員特別賞(宇川賞)『How to Disappear』TOTAL REFUSAL 2020年 / オーストリア / 21:06



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『How to Disappear』TOTAL REFUSAL



<ストーリー>

シューティング・ゲームのなかで戦いを放棄することはできるのだろうか?「どのように消えるか」という問いが、戦争とゲーム、または統制と不服従について考えさせる。脱走行為の歴史は戦争の歴史とでもあるのに、ゲーム内の空間において、そのための余地は残されていない。オンライン・シューティング・ゲーム『バトルフィールドV』、その美麗なるゲーム内で撮影されたハイパーリアルなグラフィックが、エッセイのように語られるこの物語の背景となる。



審査員特別賞(田坂賞)『Genius Loci』Adrien Mérigeau 2019年 / フランス / 15:00



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『Genius Loci』Adrien Mérigeau



<ストーリー>

孤独な若者レーヌはある夜、都会の大混乱のなかに、動く何かを見出す。生き生きとした案内人のような何かを。



審査員特別賞(AC部賞)『Ecorce』Samuel Patthey, Silvain Monney / 2020年 / スイス / 15:07



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『Ecorce』Samuel Patthey, Silvain Monney



<ストーリー>

亀裂の入った何かは、皮膚のように見える…時の流れが止まっているようなこの場所に、突然物影が現れる。建物の中に見えるのは、弱った身体と、介護士と、黒猫。かつて流行った昼ドラを観ながらヨーグルトを食べているうちに、時間はゆっくりと、循環するように、過ぎていく。十字架、ラジオ、ぬいぐるみ。形見として残されたそれらのものだけが、時の流れに抗う。すると突然、大きな物音がする。



長編アニメーション部門



グランプリ『My Favorite War』 Ilze BURKOVSKA JACOBSEN / 2020年 / ラトビア / 01:17:27



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『My Favorite War』Ilze BURKOVSKA JACOBSEN



<ストーリー>

冷戦時代、ソ連支配下のラトビアで生まれ育った実在の少女イルゼ(監督本人)の成長を描くアニメーション・ドキュメンタリー長編。幼い彼女は全体主義体制の洗脳的な教育のなか、インディペンデントなジャーナリストになる道を邁進しようとする。その決意は強いが、しかし時に不安や悲しみが訪れる。「あのとき私は選択しなければならなかった――自分はどんな人間になるべきか、そして、何を信じるべきなのか。それは、今もまだ若い世代が自問自答する、同じ疑問でもあるのだ。」



審査員特別賞『Kill It and Leave This Town』 Mariusz WILCZYNSKI / 2020年 / ポーランド / 01:27:35



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『Kill It and Leave This Town』Mariusz WILCZYNSKI



<ストーリー>

最愛の人を失った絶望から逃れたい主人公は、記憶という安全な場所に身を隠す。そこでは時が止まり、最愛の人たちも生きているのだ。年月を重ねるごとに、彼の想像の中で、街は成長していく。そしてついには、子供の頃に読んだ文学のヒーローやカートゥーンのアイドルたちもまた、招かれざる客として棲み着きはじめる。しかし主人公は、彼らもまたみな年老いてしまうこと、永遠の青春は存在しないことを知る。そして、現実の生活に戻ることを決意する。 想像の中で生きる素晴らしきキャラクターたちこそが、彼を現実の世界へと導いていく。



学生部門



学生グランプリ 『Rain Pot』 Gordon Moore / 2020年 / アメリカ / 09:14



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『Rain Pot』 Gordon Moore



<ストーリー>

物体が、動く。



審査員特別賞『Sura(修羅)』 Jeong Hae-ji / 2020年 / 韓国 / 05:37



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『Sura(修羅)』 Jeong Hae-ji



<ストーリー>

それは高校生のとき。親友が妊娠した。



キッズ・観客賞



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キッズ賞『ホネの折れる日』Basil Vogt / 2019年 スイス / 08:42



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ベストミュージックアニメーション『ANGKLUNG LIFE』KOKOFREAKBEAN / 2020年 アメリカ / 03:11



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観客賞『ごん』八代 健志 / 2020年 日本 / 28:00



※こちらの作品はオンラインでの配信はありません



他各賞



・新千歳空港賞     『ぼくの少年時代と大切な親友』/ Liu Maoning / 2019年 / 中国 / 13:05

・サッポロビール賞   『PUPARIA』 /玉川 真吾 /2020年 / 日本 / 03:00

・DNP 大日本印刷賞   『かたのあと』/ふるかわはら ももか / 2020年 / 日本 / 04:05

・北洋銀行賞      『DINO!』/ 細川 晋 / 2020年 / 日本 / 24:42

・北海道銀行賞     『夜の冒険』/ クイックオバケ / 2020年 / 日本 / 01:03

・北海道コカ・コーラ賞 『RAM RIDER "SET ME FREE"』/ 服部グラフィクス, RAM RIDER / 2019年/ 日本 / 03:53

・外務大臣賞      『Abandoned Village』/ Mariam Kapanadze/ 2019年 / ジョージア / 14:00

・観光庁長官賞     『ホネの折れる日』/ Basil Vogt / 2019年 / スイス / 08:24

・北海道知事賞     『差異と反復とコーヒー』/ 工藤 雅 / 2020年 / 日本 / 04:33



新千歳空港国際アニメーション映画祭 公式サイト : https://airport-anifes.jp/



情報提供元: @Press