広島県内のIT関連企業の男性経営者2人が、実態より資本金を多く見せかけた会社設立を登記したとして、神奈川、広島両県警の合同捜査本部は27日にも電磁的公正証書原本不実記録・同供用容疑の疑いで2人を再逮捕する方針を固めた。会社設立の際に資本金として使う意思がないのに金融機関に「見せ金」分を振り込んだとみられ、その会社を通じて北朝鮮のIT労働者に仕事を発注していた疑いが持たれている。

 2人は、IT関連企業「ITZ」社長で韓国籍の朴賢一容疑者(53)=広島市南区=と、「ROBAST」代表の蓑毛勇郎(みのもとしろう)容疑者(42)=広島県福山市。合同捜査本部は6日、失業手当を不正に受給した詐欺の疑いで2人を逮捕していた。

 捜査本部の調べにより、2人から国外在住の北朝鮮のIT労働者側に資金が流れていた疑いがあることがわかっていた。関係者によると、その後の捜査で、日本国内で受注したIT関連の仕事をROBASTを通じて中国にいるとみられる北朝鮮のIT労働者に発注し、報酬が渡っていた可能性が判明した。北朝鮮は外貨獲得の一環で数千人のIT労働者を国外で働かせているとの指摘があり、日本の関係省庁も26日、日本企業に初めて注意喚起した。【柿崎誠】

情報提供元: 毎日新聞
記事名:「 北朝鮮技術者に資金流出か 不実内容で会社登記疑い、2人再逮捕へ