パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスと戦闘を続けるイスラエルのガラント国防相は29日、これまでの戦闘でハマスの戦闘員の半数を殺傷したと述べた。イスラエルメディアが伝えた。ガラント氏は「テロリストは残っている」とも語り、戦闘はさらに「数カ月は続く」との見方を示した。

 イスラエル軍は南部ハンユニスを中心に激しい戦闘を続けている。報道によると、イスラエル軍は29日、ハンユニスで2000人以上の戦闘員を殺害したと発表した。これまでにハマスの指導者シンワル氏の事務所を含むハマスの拠点数百カ所を急襲し、地下トンネルの入り口などを破壊したとしている。

 中東の衛星テレビ「アルジャジーラ」によると、ハンユニスのアマル病院では29日、イスラエル軍が周辺住民に対して退避を呼びかけた。パレスチナ赤月新社によると、病院では軍による包囲が続き、酸素が尽きたため患者の手術ができなくなったという。ガザの保健当局は29日、ガザ地区でのこれまでの戦闘による死者は2万6637人に上ったと発表した。

 一方、イスラエルとハマスの交渉を仲介しているカタールのムハンマド首相は29日、米シンクタンクのイベントで、交渉が「進展している」と明らかにし、将来的には恒久的な停戦につながる可能性があると述べた。ムハンマド氏は28日、パリで米国とイスラエル、エジプトの情報機関トップと人質解放に向け協議していた。【カイロ金子淳】

情報提供元: 毎日新聞
記事名:「 イスラエル国防相「ハマスの半数を殺傷」 ガザ南部で激しい戦闘