大阪府南部の富田林市などを走る金剛自動車の路線バス(金剛バス)が廃止となる問題で、市は17日、便数が大幅に減少する同市甘南備地区の住民への説明会を開いた。住民からは日常生活の「足」がなくなる不安を訴える声が相次ぎ、住民有志がドライバーになって移動手段を確保する案も出た。市は住民と話し合いの場を定期的に持ち、対策を検討していく。

 同地区には100世帯近くが暮らし、説明会には吉村善美市長ら市側と地元住民ら計約70人が参加。現在は近鉄富田林駅から甘南備バス停まで平日は20便運行しているが、金剛バス廃止後の21日以降は近鉄バス(レインボーバス)の朝夕計4便に激減する。

 この日、市側は夜の2便については近くのバス停から同地区のバス停まで平日は乗合タクシーで往復するとして、通勤客らへの配慮を説明した。しかし、昼の時間帯は公共交通が全くなくなるため、住民からは買い物や病院への通院、子どもの下校などへの影響や不安を指摘する声が続出。住民がドライバーになって運行するので市が公用車を提供できないかという意見も出た。吉村市長は「法律などのルールを確認し対応したい」と話し、対策について今後、継続的に話し合う姿勢を見せた。【玉木達也】

情報提供元: 毎日新聞
記事名:「 金剛バス廃止に懸念続出「住民主導で代替交通」提案も 大阪・富田林