人気漫画をネット上に無断公開したとして、著作権法違反などで懲役3年の実刑判決を受け、服役した海賊版サイト「漫画村」元運営者の星野路実(ろみ)元受刑者(31)が22日、福岡市で記者会見し、近く再審請求することを明らかにした。

 1審・福岡地裁判決(2021年6月)によると、星野元受刑者は仲間と共謀して17年5月、人気漫画「ONE PIECE(ワンピース)」と「キングダム」の画像データを、漫画村(18年閉鎖)のサーバーに無断で保存(アップロード)して不特定多数が見られるようにし、作者の著作権や出版元の出版権を侵害するなどした。元受刑者は有罪判決を受け、控訴せずに確定。服役して、22年11月に仮出所した。

 元受刑者側は会見で、漫画村は他のサイトに掲載された漫画を閲覧できるようにする仕組みの「リーチサイト」で、有罪とされた2作品の画像データもアップロードはしていないと主張。この主張を裏付ける専門家の鑑定書を「無罪を言い渡すべき明らかな新証拠」として、9月中に福岡地裁に再審請求する方針という。

 星野元受刑者は会見で「勾留中はパソコンが触れないため、アップロードしていないことを示す証拠収集や分析もできなかった。そのため、(控訴しないで)最短で自由になる刑務所に行く道を選んだ。無罪だ。漫画村が『悪』だと言うならちゃんと議論を深めて法律を制定した上で、逮捕なり裁判なりにかけてほしい」と訴えた。【志村一也】

情報提供元: 毎日新聞
記事名:「 服役終えた「漫画村」元運営者、無罪訴え再審請求へ 福岡地裁