「実感が湧かず、うそかもしれないと言いながら(会見場に)来た」。候補2回目で芥川賞に決まった高瀬隼子さん(34)は、戸惑いを隠さないが、「受賞をきっかけに作品を読む人が増えると思う」と期待に声を弾ませた。  小説では、職場の同僚に違和感やいら立ちを覚える男女2人を描いた。「社会の中で持ちこたえたり、我慢したりする側の、内面にあるむかつき」が気になり、筆を進めたという。  「子どもの頃から小説家になるのが夢だった。この世界に生き残りたい」と素直な胸の内を語る。「『頑張れ』という意味で受賞させてもらったと思うので、これからも書き続けたい」と意欲を示した。 (了)【時事通信社】
情報提供元: 時事通信社
記事名:「 「むかつき」を小説に=芥川賞の高瀬隼子さん