理化学研究所などは2日、スーパーコンピューター「富岳」を使って新型コロナウイルスのオミクロン株の感染リスクなどを分析した結果、マスクを着けない感染者と1メートルの距離で15分間話した場合、感染する確率が約60%に高まると発表した。  シミュレーションは、オミクロン株がデルタ株の1.5倍の感染力を持つと仮定して算出。マスクを着用していない感染者と15分間、50センチ以内で話すと感染率はほぼ100%と推定された。一方、マスクを着けていれば、1メートル以上離れることで感染率はほぼ0%となった。  イベントや飲食店など状況ごとの分析も実施。カラオケボックスでは、グループを分けて1部屋当たりの人数を減らし、歌う場所を排気口の下などに限定すれば、感染リスクを大幅に減らすことができるという。  飲食店ではキッチンの換気扇やエアコンを稼働させ、仕切りを設けることで全体のリスクを3分の1程度まで下げられることも分かった。   理研チームリーダーの坪倉誠・神戸大教授は、「隣同士で話すような場面では、マスクをしていても安心せずに距離を取り、接触時間を短くするなどの対策を忘れないように」と呼び掛けた。(了)【時事通信社】
情報提供元: 時事通信社
記事名:「 マスクなし会話「感染60%」=距離1メートルで15分間―「富岳」分析・理研など