フランス・パリを拠点とする世界最大級のホスピタリティグループ・アコーは、メルキュールブランドとして国内10か所目となるホテル「メルキュール東京日比谷」を2023年12月19日にオープンした。
地域の伝統や文化を大切にする『ローカル インスパイアード ホテル』として、各館個性的なデザインで宿泊客を楽しませてくれるメルキュール。本館は「Stage Art(劇場の舞台美術) 」をコンセプトに、演劇や映画、音楽をリスペクトしたデザインが各所に施されている。ここでは開業前日に行われたオープニングイベントの様子とともに、実際に宿泊した感想をいち早くレポートしていきます。

国内10か所目のメルキュール、デザインコンセプトは「Stage Art 」

JR新橋駅から徒歩3分の場所に開業した「メルキュール東京日比谷」。
同じくJRでは有楽町駅からも徒歩10分ほどの立地で、丸の内、銀座、新橋などへ徒歩圏内と、都心各エリアへのアクセスに優れている。13階建ての館内には日本の食材にこだわったフランス料理を供するレストラン&バーも擁している。

この日のオープニングイベントでは、アコー日本オフィスのディーン・ダニエルズ代表がはじめに挨拶。「日比谷という歴史ある土地にホテルができて、アコーを代表してとても嬉しく思っております」と喜びを表した上で、「メルキュールというブランドは日本での認知度が高く、幸いなことにインバウンド需要も戻ってきている中、ツーリズムが再び成長を目指す絶妙なタイミングでオープンを迎えることができました」と一年以上にわたって進められてきた開業までのあゆみに感慨を述べた。

続いて、総支配人を務める鈴木通晃氏が挨拶に立ち、本館の概要説明を行った。 「アコーは私がこれまで働いてきたいくつかの外資系ホテルの中でも最も働きやすく、従業員を優しく包んでくれる大変アットホームなホテルチェーンです。当館を任されるからには、お客様に心地よいステイをお届けすることはもちろん、従業員にもここが自分のホームだと思ってもらえるようなホテルを作り上げていきたいです」

リーダーとしての決意をそう述べた同氏は、次に「ローカリティ」と「デザイン性」というメルキュールらしさを生み出す2つの柱について説明。その上で、文明開花の時代に国際的な社交場となった鹿鳴館や日本初の洋式庭園が置かれた日比谷公園にはじまり、帝国劇場、日生劇場、東京宝塚劇場、そして数々の映画館の誕生によって我が国でいち早く西洋の演劇・映画文化がもたらされた日比谷のヒストリーにふれつつ、本館のデザインコンセプトである「Stage Art(劇場の舞台美術)」につながるストーリーが紹介された。

「昭和初期に日比谷に数々の劇場が作られていた頃、アコーの本国であるフランスは、アールヌーヴォーからアールデコに移り変わる過渡期にありました。メルキュール東京日比谷はそうしたことにインスピレーションを得て、舞台芸術をアールデコ調に表現しているのが一番の特徴です」 そう語った同氏。では、ここからは実際の館内の風景とともに、そのコンセプトとこだわりが反映されたポイントを見ていくとしよう。

ステージ観賞の高揚感に包まれたままチェックインできる空間

まず館内に足を踏み入れると、壁一面に施された「碧」の装飾に瞳を奪われる。
ステージのカーテンを彷彿とさせる空間は、ホテルではなく劇場のロビーにいるかのような気分にも包まれる。まさにこれから始まるステイの幕開けに誘われるような印象だ。

一方で、右手の吹き抜けには、パリ・オペラ座でトップダンサーに与えられる称号「エトワール」と題されたディスプレイが見られる。また、フロントデスクの壁面にはパフォーマーやクリエイターなど舞台に関わる人々の情熱と躍動感を表したアートが描かれ、演劇やコンサートの観賞後のゲストならば、ステージで得た高揚感に包まれたままチェックインできる。

4階から12階に設けられた客室フロアに上がると、またひとつの驚きが。何と、客室番号を示すサインのデザインが映画のフィルムをイメージしているのだ。こうした細部にわたるコンセプトの徹底は、まさにメルキュールらしさといえよう。

「スーペリアキング」「スーペリアツイン」「プリビレッジキング」「プリビレッジスイート」「エグゼクティブスイート」の5タイプを擁する客室も、もちろん照明やインテリアに「Stage Art」への思いが活きた空間になっている。

その中でもプリビレッジとスイートの壁面には、歌舞伎や能の伝統紋様や舞台で使われるアクセサリーに着想を得たアートを装飾。日本の伝統とアールデコの美が融合した、本館のデザインを象徴するポイントのひとつだ。

バスルームのソープ類は他のメルキュールと同様、イギリス初のアロマブランド「エレメンタルハーボロジー」を採用。その他のアメニティも脱プラスチックを目指すメルキュールらしく、木の歯ブラシをはじめとした環境に配慮されたアイテムが揃えられている。

なお、東側の客室は銀座周辺、西側の客室は日比谷公園周辺や霞ヶ関方面を見晴らす眺めになっており、日中も夜間も都心らしい景色が広がる。

一部の客室には窓際にソファが設られ、ゆったりお昼寝や読書を楽しむのに最適だ。

レストランには“日比谷野音”をオマージュした圧倒的アート

その他の施設にも演劇や映画へのリスペクトがところどころに散りばめられている。
英語で「シーン」を意味する、地下1階のレストラン&バー「La Scène(ラ・セヌ)」では、フランスのミシュラン星付き店で腕を磨き、国内有名ホテルで料理長を歴任した西村美樹総料理長が、フランス料理の伝統的な技法と国産食材を融合した一皿をディナーで提供。

ここは料理自体もさることながら、個室の装飾も圧巻の一言。
8人がけの個室は、2023年に創立100年を日比谷野外音楽堂をオマージュしている。野外音楽場という音と自然が調和した雰囲気が賑やかなビジュアルアートで再現され、空間自体がフォトジェニック。華やかな空間が楽しい食の場を演出する。

鉄道好きにもたまらない!? 「エグゼクティブラウンジ」

そして最後に紹介するのは、3階にある「エグゼクティブラウンジ」だ。ここではラウンジに至るエレベーターロビーにも注目。
両脇に置かれた6体のオブジェは、マリリン・モンロー、オードリー・ヘップバーン、 ブリジット・バルドーら、西洋の映画史に名を残す歴代の名女優を題材に作られたもの。それぞれがどの女優を表現したものか明示されていないが、そのフォルムを見て想像をはたらかせてみるのも楽しみのひとつになるだろう。

プリビレッジとスイートのゲストが利用可能なエグゼクティブラウンジは、15時から20時半までの時間帯に、皇居内の花から採取した「皇居周辺蜜」を使ったスイーツや東京産のクラフトビールなどを提供。くつろぎの場として利用できるほか、電源付きのロングデスクもあり、ちょっとしたテレワークにも使える。

この空間も演劇や映画の伝統と西洋の意匠が融合。アールデコ調の天井の下には、クラシックな舞台用照明や映画にまつわる書籍、オブジェや絵画が随所に散りばめられ、言葉では説明しきれないほど、Stage Artへの愛があふれた空間になっている。

ちなみに3階に位置するラウンジは、高架上を行き交う新幹線や在来線を見下ろすのにちょうどいい高さ。昼も夜も忙しく行き交う列車が窓に映る景色に色を添えている。
この界隈は舞台演劇の重要地でありつつ、日本における鉄道発祥の地・新橋駅に隣接するエリアだ。
緩やかなカーブを描いて駅を発着する車両にそうした歴史を感じ、ゆったりした時間を過ごすのもいいだろう。

なお、同じフロアにはテクノジムの最新鋭マシンを揃えたジムとパーティーにも使える会議室もある。皇居からすぐそばという立地なので、早朝などに体を動かしたいという方は「皇居ラン」に出かけてみるのもおすすめだ。

かつて「東洋一の演劇・映画の街」と呼ばれ、日本のエンタメのあけぼのを見てきた街・日比谷。今も演劇や音楽を愛する人たちが集まる街において、メルキュール東京日比谷は記憶に残る体験を与えてくれそうだ。

【施設概要】
メルキュール東京日比谷(Mercure Tokyo Hibiya)
開業日:2023 年 12 月 19 日(火)
所在地:東京都千代田区内幸町 1-5-2
アクセス:内幸町駅から徒歩 5 分、新橋駅から徒歩3分、日比谷駅から徒歩 10 分
フロア構成:地下 1 階(レストラン・バー)、1 階(レセプション)、3 階(エグゼクティブ・ラウンジ、会議室、ジム)、4 階〜12 階(客室)
客室数: 178 室、スーぺリア 22 m² (140 室 )、プリビレッジ 22 m² (36 室)、スイート 44m²(2室)
URL:https://www.mercure-tokyo-hibiya.com

The post 【オープニングイベント&宿泊体験レポート】「メルキュール東京日比谷」演劇、映画、音楽…、ステージアートへのリスペクトがあふれ出す! first appeared on PiasoN-ピアソン-.

情報提供元: PiasoN(ピアソン)
記事名:「 【オープニングイベント&宿泊体験レポート】「メルキュール東京日比谷」演劇、映画、音楽…、ステージアートへのリスペクトがあふれ出す!