日本には全国各地に「パワースポット」と呼ばれる名所が存在しています。日本一の高さを誇る「富士山」も屈指のパワースポットとして知られていますね。

今回はその中でも「富士の名水パワースポット」をご紹介します。

清涼感あふれる水の名所めぐりは初夏の季節にぴったりですので是非参考にしてみてください。

富士山は日本有数のパワースポットと名水の宝庫

日本三大パワースポットの一つ

日本で最も高く、もっとも有名な山である富士山は、日本有数のパワースポットとしても知られています。

長野県の分杭峠(ゼロ磁場)、石川県の珠洲岬(聖域の岬)と合わせて、 日本三大パワースポットの一つ にもなっています。

パワースポットという言葉は最近になってからできたものですが、富士山は古くから山岳信仰の山として人々に崇められてきました。まさに現代でいうパワースポットであり、石川県の白山、富山県の立山とともに「 日本三霊山 」の一つでもあります。

富士山がパワースポットと呼ばれる由縁は、やはり日本最高峰の山であること、現在も活火山で地殻エネルギーを溜め込んでいることがあげられます。

富士山の伏流水

富士山を良く調べてみると、 富士山の山沿いに常時流れている川がありません。 幾筋もの沢はあるのですが、大雨などの時に一時的に流れるものであり、普段は水無川です。

富士山は溶岩などのざらざらした地質で水はけが良く、水はすべて地下へと浸透していきます。 降り積もった雪解け水なども同じように地下へと浸透していき、 何十年もの長い歳月をかけて、山麓のあちこちで「伏流水(湧水)」となって地表に姿を現す のです。

何十年も富士山の中でろ過されて湧出された伏流水は 不純物のない大変澄み切った水 となっています。

富士山からの恵みをいただいた湧出池はまさに富士山の力をいただいたパワースポットといえるでしょう。

忍野八海

忍野八海の概要

忍野八海(おしのはっかい)は山梨県南都留郡忍野村にある8つの池からなる湧水群 です。

かつて忍野八海のあった地域は忍野湖という湖でしたが、長い年月を経て湖は干上がり、底に残った湧水地点が現在の忍野八海になったと言われています。この湧水が富士山の伏流水です。

8つの池は 出口池、お釜池、底抜池、銚子池、湧池、濁池、鏡池、菖蒲池 の8つから成っています。

忍野八海は富士山信仰(富士講)の開祖である角行の修行した場所でもあったため、富士講信者が登山前に身を清めるための巡礼地でもありました。その際に8つの池で水行を行う「 八海めぐり 」が行われました。

その後、各池に守護神である八大竜王が祀られ、出口池を一番霊場、菖蒲池を八番霊場とする巡礼路が整備されました。

富士山の地下から20数年かけて湧き上がってきた湧水は池の底まで透き通って見えるほど透明で美しく、池に吸い込まれていくような感覚になります。

忍野八海は自然、景観、歴史的な観点から国の天然記念物にも指定され、名水百選にも選定されています。

忍野八海の基本情報

住所

山梨県南都留郡忍野村忍草

アクセス

車の場合は東富士五湖道路山中湖ICから約10分、中央自動車道河口湖ICから約20分

電車の場合は富士急行線富士吉田駅からバスに乗り換えて約15分で向かうことができます。

駐車場

周辺に民営有料駐車場が複数個所あります。

入場料金

無料(一部有料箇所あり)

https://www.yamanashi-kankou.jp/kankou/spot/p1_4910.html

合わせて訪れたいパワースポット

北口本宮富士浅間神社(きたぐちほんぐうふじせんげんじんじゃ)

富士山の北口登山道の起点であり、1900年以上の歴史がある由緒ある神社 です。

木造としては日本最大級の富士山大鳥居がお出迎えをし、手水舎からは富士山の冷たい雪解け水が流れ、身を清めてくれます。

拝殿は富士山信仰を感じる奉納物が装飾され、富士山との歴史を感じさせてくれますよ。拝殿の左右には樹齢約1000年を数える「富士太郎杉」と「夫婦ヒノキ」のご神木があり、自然のパワーを与えてくれます。

https://www.sengenjinja.jp/

河口浅間神社(かわぐちあさまじんじゃ)

864年(貞観6年)、 活発な火山活動を続けていた富士山の噴火を鎮めるために、当時駿河国(静岡県)にしかなかった「浅間神社」を甲斐国(山梨県)にも建立すべきという勅令により、富士山の真正面にある河口湖北側に建立された神社 です。

境内には樹齢1200年の七本杉があり、その中にある2本並んだ杉は「縁結びの杉」と呼ばれています。

https://asamajinja.or.jp/

陣馬の滝

陣馬の滝の概要

陣馬の滝(じんばのたき)は 静岡県富士宮市にある五斗目木川にかかる落差5m、幅20mの滝 です。源頼朝が富士の巻狩りで近くに陣を張ったことから名付けられました。

上流から流れる川の水と溶岩の隙間から湧き出している富士の伏流水が滝となって流れ落ちています。

比較的小さな滝のため滝つぼ近くまで近づくことができるので、マイナスイオンをたっぷりと浴びることができます。

陣馬の滝の基本情報

住所

静岡県富士宮市猪之頭

アクセス

車の場合は、新東名高速道路新富士ICから国道139号線、県道414号線経由で約1時間

電車の場合は、JR身延線富士宮駅から路線バスに乗って約40分、陣馬の滝入口バス停下車、その徒歩約5分で到着します。

駐車場

普通車専用駐車場あり(20台・無料)

入場料金

無料

https://fujinomiya.gr.jp/guide/172/

白糸の滝

白糸の滝の概要

白糸の滝(しらいとのたき)は 静岡県富士宮市にあり、「天下の名瀑」としても呼ばれる湧水スポット です。

流れ落ちている滝の水は富士山の伏流水で、新富士火山層と呼ばれる水を通す上部の地層と、古富士火山層と呼ばれる水を通さない地層の間に伏流水が流れていて、幅約150m、高さ20mの絶壁部分から幾筋にも分かれて流れ落ちています。

その数は大小合わせて数百にも及び、 幾筋もの絹糸を垂らしているように見えることから「白糸の滝」 と呼ばれています。

古来より歌などでも詠まれるほどの名所であり、源頼朝や富士講を開いた角行が修行を行った場所ともいわれており、現在も富士山周辺観光の中でも人気のスポットになっています。

国の名勝、天然記念物に指定されていて、日本の滝百選にも選定されている名瀑です。

滝の近くまで行くと、神秘的な光景で富士山のパワーを含んだ伏流水から流れるマイナスイオンをたっぷり浴びることができる、まさに富士のパワースポットと呼ぶにふさわしい場所です。

また白糸の滝へ向かう途中には落差25mの「音止の滝」という名瀑もあります。こちらは白糸の滝と違って、轟音を立てながら流れ落ちる滝で、白糸の滝が女性的なのに対して男性的な豪快さがあります。

白糸の滝の基本情報

住所

静岡県富士宮市上井出273-1(白糸の滝駐車場)

アクセス

車の場合は新東名高速道路新富士ICから国道139号線経由で約30分

電車の場合はJR身延線富士宮駅から路線バスで約30分で行くことができます。

駐車場

有料駐車場あり(白糸の滝駐車場、普通車105台、営業時間9:00~17:00)

入場料金

無料

https://fujinomiya.gr.jp/guide/170/

湧玉池

湧玉池の概要

湧玉池(わくたまいけ)は 静岡県富士宮市にある富士山本宮浅間大社の境内にある湧水池 です。

毎日約20万トンもの富士山の伏流水が溶岩の間を通って湧き出ており、1年中同じ水量で枯れることなく、水温も13℃前後で一定しています。 夏の時期に手を入れてみるととても冷たく感じられます。

古来より富士山信仰の静岡県側登山口の禊の場となっており、富士の霊水を浴びてから富士登山へ向かう様子などが書物にも記されています。

池の湧水地点の上には水飲み場がずらっと並んでいて、富士の伏流水を飲むことができます。湧玉池は国の天然記念物にも指定され、平成の名水百選にも選出されていますよ。

合わせて訪れたいパワースポット

富士山本宮浅間大社

全国1300余にのぼる浅間神社の総本宮にして、駿河国の一宮。 東海地方では 最古の社 でもあります。

御神体は富士山 で、 御祭神は木花之佐久夜毘売命(このはなのさくやひめのみこと) で、 奥宮は富士山山頂 にあります。

文字通り、富士山信仰の中心地であり、源頼朝、武田信玄、徳川家康といった名だたる歴史人たちからも崇敬されてきました。

この地に富士山信仰の中心地が建てられたのは、やはり湧玉池の存在があったからでしょう。それだけ富士山のエネルギーが集まった場所ともいえます。

湧玉池と富士山本宮浅間大社の基本情報

住所

静岡県富士宮市宮町1-1

アクセス

車の場合は新東名高速道路新富士ICから国道139号線経由で約15分

電車の場合はJR身延線富士宮駅から徒歩10分

駐車場

境内に駐車場あり。最初の30分は無料、以降は有料になります。

入場料金

無料

https://www.surugawan.net/guide/51.html

柿田川湧水群

柿田川湧水群の概要

柿田川湧水群(かきたがわゆうすいぐん)は 静岡県駿東郡清水町にある富士山の湧水群 です。

富士山の伏流水が湧き出るスポットはいくつもありますが、 1日の湧出量は100万トン と他の湧水スポットと比べても群を抜いています。豊富な水量でありながら、 水温は1年を通して15℃ を保っています。

ここの面白いところは立地にもあります。

湧水地というと大自然の中からこんこんと湧き出るイメージですが、 柿田川の湧水場所の真上には国道1号線が走っており、周辺は市街地 になっています。初めて訪れた人は 「え?こんなところにあるの?」 と驚いてしまうことでしょう。

富士山の雪解け水が地中でろ過されて、20数年の歳月をかけて湧き出した柿田川の伏流水はとても美しく、井戸跡などを覗くと エメラルドブルー に輝いています。周辺は森に囲まれているので、清涼感を感じながらパワースポット巡りを楽しむことができます。

周辺は「柿田川公園」として整備されていて、広い駐車場や散策路もあり見学しやすくなっています。柿田川湧水群は国の天然記念物、名水百選などにも選ばれているほどの名水です。

柿田川湧水群の基本情報

住所

静岡県駿東郡清水町伏見71-7

アクセス

車の場合は東名高速道路沼津ICから国道1号線経由で約15分、または新東名高速道路長泉沼津ICから国道246号線、国道1号線経由で約15分

電車の場合はJR三島駅より路線バスに乗り換えて約10分で行くことができます。

駐車場

公園内に有料駐車場があります(普通車50台、1回200円)

入場料金

無料

https://www.surugawan.net/guide/122.html

源兵衛川

源兵衛川の概要

源兵衛川(げんべえがわ)は、 静岡県三島市に流れる川 です。

川と言っても、三島駅前にある市立公園「楽寿園」からため池まで流れている全長約1.5kmの農業用水路です。

この 「楽寿園」に湧き出す源流が富士山の伏流水 になります。 水温は年間通じて15~16℃を保っている ので、夏の時期に訪れると清涼感たっぷりです。水量は少なめで、川のところどころに飛び石が設置されているので、川遊びを楽しむことができます。

富士の伏流水から湧き出た川は、三島駅という市街地の中にありながら、 初夏になるとホタルが舞うほどの水の美しさ です。

源兵衛側は水の都三島を代表する名水スポットであり、平成の名水百選にも選ばれています。

源兵衛側の基本情報

住所

静岡県三島市芝本町

アクセス

車の場合は東名高速道路沼津ICから国道1号線経由で約20分、または新東名高速道路長泉沼津ICより国道246号線、国道1号線経由で約20分

電車の場合はJR三島駅から徒歩5分

駐車場

専用駐車場はありません。楽寿園など近隣の有料駐車場をご利用ください。

入場料金

無料

https://www.mishima-kankou.com/spot/287/

合わせて訪れたいパワースポット

三島大社

源頼朝が源氏再興を祈願したことでも知られる、 千年以上の歴史を持つ大社で、伊豆国一之宮 でもあります。

社名の「三嶋」は伊豆諸島を指すと言われています。

御祭神は山林農産の守護神である「大山祇命(おおやまつみのみこと)」と恵比寿様としても親しまれている「事代主命(ことしろぬしのみこと)」の2柱であり、商売繁盛、家内安全、交通安全、厄除けなどにご利益があるといわれています。

伊豆地方において屈指のパワースポットでもあり、1年を通じて多くの参拝客が訪れています。

https://www.mishima-kankou.com/spot/1605/

涼を感じながら富士山のパワーを感じよう

日本最高峰であり、日本のシンボル的存在でもある富士山は屈指のパワースポットでもあります。

その富士山の地中から長い年月をかけて湧き出た湧水はまさに富士山のエネルギーを蓄えた名水であり、湧水地はパワースポットと言えるでしょう。

どこの伏流水も地中でゆっくり流れてきているので、水温も15℃くらいと大変冷たいので、初夏のじきに訪れると清涼感たっぷりに感じることができるでしょう。

今年のパワースポット巡りは、富士山の湧水スポット巡りをしてみてはいかがでしょうか。


nonta

余暇プランナー

元旅行会社勤務で今は山の中の観光施設で働きながら旅ライターを行っています。元々旅行好きで大学も地理学専攻と根っからの地理マニアです。大自然の絶景と寺社仏閣などの歴史建築が大好きで、連休などあればすぐに車中泊で出かけてしまいます。その他登山やランニングなどとにかく家に引きこもっていることが苦手で、常に自然の中で過ごしていることが私の癒しになっています。

【富士山周遊】涼を求めて!富士山の名水パワースポットめぐり6選<静岡・山梨>

情報提供元: YOKKA
記事名:「 【富士山周遊】涼を求めて!富士山の名水パワースポットめぐり6選<静岡・山梨>