この春から学校や習い事、塾などに通うために電車利用を始めた小学生も多いはず。親としては、小さな子どもが一人で電車移動するのはとっても不安。そんな子の安全を願う親必見のサービスを鉄道各社は提供しています。


駅通過時にメールで通知

そのサービスとは、子どもが駅を通過した情報をメールで通知してくれるサービス。JR東日本は「まもレール」、京阪神の私鉄は「あんしんグーパス」、小田急電鉄は「小田急あんしんグーパスIC」、東急電鉄・東急バスは「エキッズ」というサービス名です。2020年春までに東京メトロと都営地下鉄が「まもレール」を導入予定です。


これらのサービスは、IC乗車券を改札口にタッチしたとき、「お子様が学校の最寄り駅の改札口を通過した」「自宅近くの駅の改札口を通過した」と自動的にメールで通知します。もちろん「途中の駅で下車または乗車した」という情報も把握できます。下校時に塾や習い事に行ったり、友達の家に遊びに行ったりしても、どの駅を通ったかわかります。

通知先のメールアドレスを携帯電話やスマートフォンにすれば、保護者が家にいるときだけではなく、職場や外出先でも把握できますね。待ち合わせや迎えに行くタイミングを知る手がかりにもなります。ここからは、各社サービス詳細を解説します。


「まもレール」とは

JR東日本にて展開し、2020年春には東京メトロと都営地下鉄でも展開される予定。ただしすべての駅で利用可能ではなく、現在JR東日本は関東の244駅。2020年春までに綾瀬と高輪ゲートウェイ駅が追加されます。2020年春に参加する東京メトロ、都営地下鉄のうち、相互直通運転の境界駅で、業務を直通先の大手私鉄が管轄している駅では利用できません。


「まもレール」対象路線

小学生・中学生・高校生(満18歳の3月31日まで)の記名式Suica、または記名式PASMOで利用可能。月額500円で初期費用なし。クレジットカード決済です。通知方法はメールとJR東日本アプリ(無料アプリ)を選択でき、JR東日本アプリは20件まで履歴の確認ができます。


通知情報は駅名と時刻、改札の出場/入場の区別です。改札を通過した時点のチャージ残高も通知されるため、チャージのタイミングも把握できます。「残高不足で改札を通れない! 」といったトラブルも回避できます。


「あんしんグーパス」とは

Osaka Metro・阪急電鉄・京阪電鉄・阪神電鉄・大阪モノレール・北大阪急行電鉄・能勢電鉄・南海電鉄・山陽電車・泉北高速鉄道・神戸高速鉄道・神戸新交通・神戸市営地下鉄・北神急行電鉄・近畿日本鉄道・京都市営地下鉄・神戸電鉄で利用可能。ただし、ケーブルカーや無人駅、連絡改札口などに通知対象外の駅があります。


「あんしんグーパス」対象路線

小学生向けPiTaPaキッズカード、中学生高校生向けのPiTaPaジュニアカードで利用できます。月額300円。6カ月単位の契約、決済は口座振替です。メールアドレスは携帯電話のキャリアメールのみ。通知情報は駅名と時刻、改札の出場/入場の区別です。京阪神の広範囲の路線を網羅しているため、遠距離通学やレジャーでも安心です。


「小田急あんしんグーパスIC」とは

対象は小田急電鉄。子ども本人名義の記名式PASMOで利用可能。PASMO1枚と受信メールアドレス1つで月額500円。PASMOまたはメールアドレスを追加すると500円加算です。クレジットカード決済のみ対応。小田急のクレジット機能付きポイントカード「OPカード」で決済する場合は月額300円に。通知情報は駅名と時刻、改札の出場/入場の区別です。大和駅連絡口・相鉄口、新宿駅南口JR連絡口はメール配信されません。


「小田急あんしんグーパス」ICの通知メール例

「エキッズ」とは

東急電鉄・東急バスが実施。小学生から20歳になって最初の3月31日まで、記名式PASMOで利用できます。PASMO1枚と受信メールアドレス1つで月額500円。口座振替と東急カード株式会社発行のクレジットカード「TOKYU CARD」で決済します。1カ月契約と6カ月契約があり、6カ月契約の期間は4月~9月と10月~3月です。メールアドレスは携帯電話のキャリアメールのみ。通知情報は電車の場合は駅名と時刻、改札の出場/入場の区別です。

東急バスに対応しているのが強みですね。東急沿線の広範囲に対応可能となっています。バスの場合は乗車停留所名と時刻、乗車したバスの行先が通知。一般道路線バスが対象で、空港行きなど高速バス路線は対象外です。


「エキッズ」はバス路線も対応している

それぞれのサービスの中には、一部に通知対象とならない駅があります。自宅や学校の最寄り駅が利用可能かを確認した上で、利用申し込みをしましょう。また、東急沿線、小田急沿線からJR東日本の路線にまたがる場合は、1枚の記名式IC定期券でも、それぞれのサービスに入会する必要があります。個人の移動情報を扱うため、今回紹介したサービスの中には入会の際に本人・家族確認の書類が必要なものもありますのでご確認を。

通知サービスは、改札口の通過時刻を知らせても、「なんのために」通過したかは教えてくれません。子どもが繁華街の駅で降りて、長時間滞在した場合は新たな心配もありそう。「まもレール」の公式サイトでは、「なぜ○○駅で降りたのか」「なぜ時間がかかったのか」などと「行動を監視しているような声掛け」はNGとアドバイスしています。子どもが利用を嫌がって、内緒で別のICカード乗車券を使い始めてしまったら意味がありません。利用の際にはその点にも配慮する必要が必要ですね。


情報提供元: トクバイニュース
記事名:「 子どもの電車利用が心配! IC乗車券のメール通知サービスを活用しよう