毎日のように買い物へ行くスーパーマーケット、何を基準に店を選んでいますか。「安さ」や「近さ」はもちろん重要ですが、実はそれ以外にも注目すべき点が。スーパーのコンサルティングを行う「商人ねっと」の水元均さんに、素敵なスーパーに巡り合うためにチェックしたいポイントを教えてもらいます。


SNSを検索! 訪問前の下調べ



引っ越し後など、慣れない土地でスーパーを探す際、どこのスーパーがどう良いのか、なかなかつかめず困ったことはありませんか。「スーパーマーケット」とひとくくりに言っても、「価格帯」「品揃え」「品質」など、店によってこだわっているポイントは様々。それにより、店が違えば食卓のメニューや食費への影響も違ってきます。ですが生活圏内にある全てのスーパーをまわって店の特徴を調べるのは、よっぽど時間がある人でない限り大変ですよね。

そんなときに便利なのがSNS。最近はスーパー各社もTwitterやFacebook、Instagramなどのアカウントを店舗ごとに取得して運営しているケースが多くなってきました。スーパーのホームページではなかなか分かりづらい店内や商品の細かな様子も、SNSの店舗アカウントページを見ると情報がアップされている場合があり、行かずとも様子が分かります。

水元さんいわく「今はインターネット通販で買い物をする人も多くなってきましたが、良いスーパーはただ『買う』だけではなく『楽しい買い物体験』を提供してくれます。SNSのアカウントを見て、おいしそうな商品や珍しい商品が提案されていたり、楽しそうな雰囲気が感じ取れたりするスーパーは、素敵な体験を提供してくれるスーパーでしょう。また価格に自信のあるスーパーは、SNSを駆使して価格情報を提供してくれていることも多いです。SNSを見るとその店の特徴がある程度分かるので、買い物前の参考にすると良いですよ」とのこと。

スーパーの新規開拓をする際は、まずはSNSアカウントを探してみてはいかがでしょうか。

入店時は入り口の「提案」をチェック


アボカドの陳列棚近くに、アボカドを使った料理の提案や専用調理器具の「提案」がある例(写真提供: 商人ねっと株式会社)

スーパーに入ってまず初めに目にするのが入り口の陳列。特売品が置いてあるスーパーもあれば、旬の野菜やその野菜で作れるメニューの材料などが合わせて置いてある店など、いろいろなスタイルの"提案"があります。

水元さんがいう「素敵なスーパー」は、「旬」や「商品の情報」を最も目につきやすい入口の陳列で提案してくれていることが多いそう。旬の食材を通じて季節の移ろいを店の入り口で感じることで、疲れているときの買い物でも心が豊かになるはず。また、商品がただ置いてあるだけでなく、調理方法やその商品の良さなどの情報があると、その後の料理のラクさや楽しさがアップします。何気ないことでも、実は重要なポイントです。

さらに、入り口だけでなく店内のPOP(商品の価格や情報が書いてある紙)で、お客に対してたくさん提案をしているスーパーもあります。必要なものを買うだけの店と、商品の情報や食の提案をしてくれる店では買い物の楽しさが違ってきます。買い物にワクワク感を生んでくれるような店の「提案力」は、ぜひチェックしてほしいポイントです。

「鮮度」を重視するスーパーは惣菜パックのシールでわかる!?


パッケージの右下に製造時間を記載したシールが貼ってある例(写真提供: 商人ねっと株式会社)

「鮮度」へどこまでこだわっているかも店内でチェックしてほしい点。野菜や鮮魚・精肉の鮮度はもちろんですが、例えば「夜に食べる惣菜は夕方に作る」など、惣菜の調理時間にまでこだわっている店は意外と多くないもの。夕食時においしく食べられるようになど、作る時間を重視しているスーパーは良いスーパーだと言えるでしょう。

こういった点にこだわっている店では、惣菜のパッケージに「夕方4時に作りました」のような製造時間がシールで貼ってあるケースも。また調理から一定時間が過ぎると、良い状態のうちに売り切るよう、値引きシールが貼られることもあります。

クレームの電話代返金も!? スタッフの接客力もポイント



良いスーパーにしたいと努力している店では、レジスタッフの接客力はもちろん、店頭スタッフの接客力も見事です。普段の買い物ではあまり接客力を重視していない人でも、探しているものがないときや買ったことのない商品の味が気になるときなどは、スタッフに教えてもらいたいもの。接客力の高いスーパーでは、お客が気になった商品があれば、その場ですぐに試食させてくれるということもあります。

また、何かしら商品に難がありスーパーに電話で連絡を入れたときの接客にも違いが。商品を交換してくれたり商品代を返金してくれたりすることはよくありますが、中には連絡した際の電話代を支払ってくれる店もあるといいます。「忙しい中クレームの電話をいれるのは申し訳ないな……」と恐縮しながら電話をした際に、こんな対応をしてもらえたら思わずその店のファンになってしまいませんか。

楽しく、気持ちよく買い物をするには、スタッフの細やかな気遣いが実は大切です。買い物時間にゆとりがあるときは、店頭にいるスタッフの接客を見てみると、いざという時の対応が予想できますよ。

普段はなんとなく決めている買い物先も、見るポイントを絞るとその特徴が見えてきます。買い物に行く際は、ぜひ今回紹介した点を改めてチェックしてみてくださいね。

今回お話を聞いた方



水元 均(みずもと ひとし)

日本経営コンサルタント株式会社 / 商人ねっと株式会社代表取締役。スーパーマーケットのコンサルティングの他、"小売業の縁の下の力持ち"企業を目指し、小売業専門インターネット教育サイト「商人(あきんど)ねっと」を企画・運営している。主な著書に「スーパーマーケットの新常識! 」(商業界)など。


情報提供元: トクバイニュース
記事名:「 良いスーパーは入り口と惣菜ラベルでわかる! 専門家が徹底解説