ウイスキーに興味があっても、どう選んでいいかわからなくて、一歩踏み出せないという方も多いはず。
お高いウイスキーだと失敗したら悲しいし、安いウイスキーは美味しくないのかも......。

ということで今回は、ウイスキーの資格を持つプロの先生にウイスキーの基礎知識と初心者にオススメの10本を教えていただきました。




今回ウイスキーを選んでくれた専門家をご紹介

Exclusive Wine Cellars &Bar KEYAKI 支配人・西 勇輔

国内でまだ1,900名程しか保有していない「ウィスキーエキスパート」の資格を保有。THE GLENLIVET公式ブランドアンバサダー、JSA認定ソムリエやWSETなど、資格に裏付けられたお酒に関する様々な深い見識を持つ。フードアナリスト協会の認定講師も務め、食情報の専門家として食を通じたコミュニケーションの魅力を最大限に伝えてくれる。ワインバー 「西麻布 KEYAKI」 支配人。

 

ウイスキーを飲む上で知っておきたい基礎知識

そもそも、ウイスキーって専門用語が多くて、ハードルが高いイメージがありますよね。まず、わかっておいたら、少しウイスキーのことがわかってくる基礎知識をお聞きしました。

西さん

初心者なら「シングルモルトなのかブレンデッドなのか?」くらいにウイスキーの種類をなんとなくわかっていれば大丈夫。飲むうちに少しずつわかってくるので、気にしすぎる必要はありません。

【原材料によるウイスキーの分類】
・モルトウイスキー・・・原料が大麦麦芽のみ
・グレーンウイスキー・・・原料がトウモロコシや小麦、未発芽の大麦など
・シングルモルト・・・1つの蒸留所のみで作られたモルトウイスキーを瓶詰めしたもの
・シングルグレーンウイスキー・・・1つの蒸留所のみで作られたグレーンウイスキーを瓶詰めしたもの
・ブレンデッドウイスキー・・・モルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドしたもの

【世界5大ウイスキーとその特徴】
・アイリッシュウイスキー・・・ウイスキーの発祥の地とも言われ、古くからの伝統がある。穀物の香りと味わいが特徴。
・スコッチウイスキー・・・ウイスキーの代表格。スモーキーな風味が強いものも多い。
・ジャパニーズウイスキー・・・スコッチウイスキーを参考として生まれた日本のウイスキー。スモーキーさはあまりなく、繊細な味わい。
・アメリカンウイスキー(バーボンなど)・・・ケンタッキー州で作られる、とうもろこしを使ったバーボンウイスキーが有名。
・カナディアンウイスキー・・・クセが少なく、軽快なフレーバーが特徴。カクテルベースとして使われることも多い。

西さん

みなさん、安いウイスキーで悪酔いした思い出があったり、居酒屋で飲んでるハイボールのイメージがあったりすると思うのですが、一旦そのことは忘れてください(笑)

今回選んだのは、どことなく甘やかで間口の広いウイスキーです。入門編なので、ウイスキーの代表格スコッチを多め。自身が飲んだことのあるウイスキー比較してみてくださいね。

ウイスキーのプロがセレクト!おすすめの10本をご紹介

トレンドとその背景に注目!フルーティで飲みやすいアイリッシュウイスキー「ティーリング シングルポットスティル」

近年、新しいアイリッシュウイスキーが注目を集めています。「シングルポットスチルウイスキー」は、アイリッシュウイスキー界を語る上では欠かせないメーカー「ティーリング」の新しい蒸留所「ティーリング蒸留所」で作られており、アイリッシュ伝統の製法を用いています。3回蒸留しているため、癖がなくフルーティな味わい。女性でも飲みやすい1本です。

西さん

トレンドと歴史的背景を感じながら、甘やかでやさしい味わいを楽しんでみてください。
基本的に飲むときはストレートでそのままのウイスキー個性を噛み締めましょう。そこから、少しずつ温度を上げたり、加水して味わうと味の変化があっていろんな発見がありますよ。

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ティーリング
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5大ウイスキーが一本に!サントリーならではの贅沢なブレンデッドウイスキー「
サントリー ワールド 碧 Ao」

日本の大手メーカー、サントリーから発売される数量限定ウイスキー。サントリーは、世界で唯一5大ウイスキーのすべての国に蒸溜所を持っており、それぞれで製造したウイスキーをブレンドして作ったブレンデッドウイスキー。山崎、白州、ボウモアなど名だたるウイスキーがブレンドされている贅沢な逸品。

西さん

日本人に生まれた以上は飲んで欲しいですね!ウイスキーの世界がこの1本に詰まっているわけですから。5大ウイスキーを表してボトルがダイヤモンド型になっているのも、素晴らしい。ブレンド具合も絶妙で、ハイボール、トワイスアップなど、飲み方によって見せる表情が違うのも楽しいんですよね。

イチローズモルトが追い求めたブレンデッドウイスキーの理想型「イチローズモルト モルト&グレーン」

秩父蒸溜所のモルト原酒をメインとし、複数の蒸溜所の厳選したウイスキーをブレンドしたブレンデッドウイスキー。世界の五大ウイスキーをすべてブレンド。華やかで、「イチローズ・モルト」を世に送った肥土伊知郎氏が追い求めたブレンデッドウイスキーの理想型だと言われています。

西さん

世界的にも有名なジャパニーズウイスキーの中で、このウイスキーは比較的手に入りやすいです。イチローズモルトの定番の味わいで、バランスが取れていて飲みやすい。ブレンデッドウイスキーなので、いろんな飲み方が楽しめますよ。

コスパNo. 1!?高級ウイスキーの入り口となるシングルモルト「グレンファークラス 105」

グレンファークラスはマッカランに並ぶほど、有名なウイスキーメーカー。シングルモルトでシェリーカスクフィニッシュという高級ウイスキーの製法を用いながら、5000円以下のコスパ溢れる一本。とろみがあり、濃密な甘やかさを持つリッチな味わい。

西さん

高級ウイスキーの入り口として選ぶならコレです!
上質な香りと味わいは、なかなかこの値段では叶わないクオリティで、コスパNo. 1といっても過言ではありません。ストレートで飲んで、少しずつ加水。じっくりと堪能したい一本。コレが楽しめるようになれば、ウイスキーの世界が広がるはずです。

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スコッチウイスキーの入門編にぴったりな癒しの味「グレンモーレンジィ ネクター・ドール 12年」

柑橘の香りが特徴で、女性的な味わいのスコッチウイスキー。貴腐ワインを仕込んだ樽で熟成させ、柑橘の香りにウッディな香りも加わり、味わいもクリーミィさに。レモンタルトを思わせる逸品です。

西さん

初心者や、スモーキーなウイスキーを苦手とする方に進めたいスコッチウイスキーの入門編です。上品な甘さでホッとさせてくれる味わいは、じっくりを過ごす癒しの時間にもぴったりです。

一味違う!新しいバーボンウイスキーの体験を「ブレットバーボン」

ケンタッキー州で作られるバーボンウイスキー。「喉を焼かない滑らかさ」を謳ったスムースな飲み口が特徴。なめらかな味わいバーボンとしての評価が高く、心地よいバニラと蜂蜜のような甘い香りと深い余韻に浸れます。これまでハイボールでしかバーボンを味わったことのない人の新しい扉を開く一本です。

西さん

定番の味わいから外したバーボン!
バーボンは最近CMが流れていて、居酒屋などで飲んだ経験のある方もいるはず。有名メーカーは山ほどありますが、少しツウな銘柄をセレクト。口当たりや香りなど、記憶の中のバーボンとは全く異なるはずです。もちろん、ハイボールにしても美味しく飲めます。

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ブレット
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三匹の猿が美味しさの秘訣。まろやかなブレンドスコッチ「モンキー ショルダー ブレンデッド モルト」

3匹の猿が象徴になっているスコッチウイスキー。3匹の猿は3種類の異なるモルトの原酒をブレンドしていることを表しています。使用されている100%モルトの原酒は、ウイスキー蒸溜所が数多くあるスペイサイドから選ばれた一流ばかり。繊細かつまろやかな味わいで、甘く優しい余韻が残ります。

西さん

誰かに自慢したくなるスコッチです。
モンキーショルダーは、秀逸なブレンドで飲みやすさは抜群。家に置いておいても、ちょっと自慢のネタになるようなお酒です。3匹の猿はウイスキー麦芽を発芽させる大変な工程で、作業員の腕が猿のようにパンパンになったというストーリーから。初心者でもツウな気分になれますよ。

スコッチの名門でお酒の楽しみを実感する「バランタイン 17年」

スコッチの名門であり、世界中の多くの人が、これをベンチマークしてウイスキーを飲んでいます。モルトとグレーンの原酒を40種類以上ブレンドし、17年以上熟成。複雑で香りと味わいで完成されたバランスから、揺るぎない地位を作り上げています。

西さん

バランタインをおいているお店は数あれど、まずはこの17年のものを飲んで欲しいですね。やはり熟成すると奥深さが違います。このウイスキーでお酒の楽しみを知った人も多いと聞きます。また、この味わいを基軸にして、ウイスキーの味わいを分析したり、自分の好みを探っていくのがオススメです。熟成の奥深さと、お酒の感動体験が待っています。

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最も初心者にオススメしない!?コアなファンが愛するアイラウイスキー「アードベッグ 10年」

ウイスキー好きの中でもピートフリークと呼ばれるコアなファンがいます。スコッチウイスキーなどに感じられる特有の薬品のような香り、ピート香が強いウイスキーを愛する人々のことです。スコッチの中でも、アイラ島で作られるアイラウイスキーは、ビート香が強いことで有名。「アードベッグ」はその極限ともいえるピーティーでパンチのある味わいです。

西さん

初心者こそ、あえて振り切った味のウイスキーを試してみるのも入り口としては面白いものです。

コアなファンがこれを愛していると知れば、その理由が知りたいですよね。最初はクセが強すぎるかも知れませんが、何度も飲むうちに面白さがわかってきます。ウイスキーを知りたいという志がある方には、勇気を出してチャレンジして欲しいです。

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シングルモルトを知る。圧倒的なうまさを誇るスコッチ「ザ・グレンリベット 12年 シングルモルト」

シングルモルトの原点ともいわれ、過去、あまりの美味しさに周りの他社もウイスキーに「グレンリベット」の名前をつけるほど、圧倒的な味わい。スムースで洗練されていて、これぞシングルモルト!であり、世界中で人気のあるモルトです。

西さん

これはシングルモルトのスコッチウイスキーで、まさにクラシックスタイル。その美味しさは創業者の数々の逸話が証明しています。

「グレンリベット」の名をめぐる裁判や、レシピのために命が狙われていたというエピソードがあるほどなんです。ここまでの触れ込みで不味いわけがありません。クラシックスタイルで、熟成年数による旨味を感じてみてください。

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ウイスキー飲むならまずは〇〇から!

ここまで、ウイスキー初心者にオススメの銘柄を10個ご紹介していただきました。

初心者が何を買えばいいか分かったところで......飲み方はどうすればいいの??という疑問に答えて頂くべく、西さんにウイスキーの楽しみ方を聞いてみました!

西さん

ハイボールやロックなど、様々な飲み方が楽しめるのもウイスキーの魅力の1つですよね。

ただ、「ウイスキーの魅力にこれから存分に浸っていきたい」という方にオススメするなら、まずは「ストレート」なんですよ。

「ストレートじゃ強すぎる」「さすがに飲みにくいのでは?」という声が聞こえてきそうですが、ウイスキー本来の味わいを確かめるには結局「ストレート」が一番なんです

ストレートの味わいを確かめるように、チビチビ飲んでいくとこのお酒の深みを感じることができるはずです。

水を加えるなら〇〇が断然おすすめ!

ストレートがおすすめとは......ちょっとびっくりしましたね(笑)

西さんいわく、ストレートから初めて味わいを分かった上で他の飲み方を試していくと良いのだそう!おすすめは、香りを開くために少量の水を加えるトゥワイスアップなどの飲み方。

西さん

少量の水加えると、ウイスキーが持っている特徴的な香りを強調させてくれるんです。ストレートではきついという方は、水を加えながらいい具合を見計らって飲むのがおすすめです。

もし水を加える場合や、トワイスアップで飲むなら、ウイスキーの銘柄のみならず、水にもこだわってください。

何がいいかといえば断然、
南アルプスの天然水!!

どんなウイスキーでも、香りや味に変わりにくいんです。
ウイスキー文化研究所の協会が飲み比べ、研究し、推奨しています。冷やさずに常備してもらいたいですね。

また、氷も家の製氷機でつくったものはおすすめしません。不純物が入っていると溶けやすく、味わう前にウイスキーの香りや味が変わってしまいます。コンビニでもいいので、純氷を買うことをおすすめします。

ロックやハイボールを作るときのポイントとは?

西さん

ロック、ハイボールを作るときコツは、ウイスキーを注ぐ時、氷に当てないようにすること。

何よりも氷が溶けにくくなりますし、香りがボケにくいんです。自宅でウイスキーを楽しむ際の参考にしてみてください!

美味しい一杯でウイスキーの扉をたたいてみて

ウイスキーと聞くと、“オトナのお酒“のイメージがあるかもしれませんが、楽しみ方を知れば意外に気軽に楽しめるものなんです。

最後に、西さんが教えてくれた“ウイスキーにハマるコツ”があります。

それが、ちょっと背伸びした気分で飲んでみること。

ビールなどのお酒もそうですが、最初は何が美味しいのかわからないもの。専門家がいるバーで店員さんとコミュニケーションをとりながら、歴史や背景、お酒の特徴を理解しながら飲んでいくことで、徐々にその美味しさに気づいていくものなのだそう。

そして、オススメのウイスキーを飲んでみて、もし気に入ったものがあれば、同じカテゴリにある違う銘柄のウイスキーを飲み比べてみましょう。飲み進めていくうちに自分の好みがわかってくるはずですよ。

今回の記事を参考に、素敵なウイスキーライフをの第一歩を踏み出してみてくださいね!

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情報提供元: nomooo
記事名:「 【2021年】専門家厳選!ウイスキー初心者に本当におすすめのウイスキー10選