まんなかに大きく「B」というロゴが入ったラベルのビール。見かけたことがある、飲んだことがあるという人も多いのではないでしょうか。これはブルックリン・ブルワリーのビールです。

ブルックリン・ブルワリーといえばニューヨーク・ブルックリン生まれのクラフトブルワリー。「アイ・ラブ・ニューヨーク」をデザインしたミルトン・グレイザーさんが手掛けた“B”のロゴでも知られています。


2020年2月、世界初の旗艦店として「B(ビー)」が日本橋兜町にオープンしました。オープン以来、ブルックリン・ブルワリーのファンだけでなく、アートが好きな人、音楽が好きな人など、いろいろな人が訪れています。多方面から注目される「B」には、どんな魅力があるのでしょうか?

アカウントディレクター・金 惠允(キム・へユン)さん
今回は、ブルックリン・ブルワリーのアカウントディレクター金さんの案内のもと、その秘密を探ってきました!

※お知らせ※
「B」は新型コロナウイルス感染症の影響で休業していましたが、2020年6月1日より営業を再開しています。今回は営業再開後に、感染予防対策のため縮小営業中の店舗にて取材しました。

関連記事はこちら
【イベントレポート】爽やかな酸味が特徴の『ブルックリンベルエアサワー』でエア乾杯!オンラインビール女子会
ニューヨークNo.1ブルワリーの『ブルックリンラガー』でエア乾杯!「オンラインビール女子会」イベントレポート

証券会社が集まる街、兜町で「B」を見つけて




「B」が入っているのは、日本橋兜町にある複合施設「K5(ケー・ファイブ)」の地下1階。東京メトロ・茅場町駅 10番出口から徒歩4分程、日本橋駅 D2出口からは徒歩12分程、三越前駅 B6出口から徒歩9分程の大通りから少し入った場所にあります。周囲には歴史を感じさせる大きな建物が並び、街全体が落ち着いた雰囲気です。


入り口に到着すると、壁に控えめな「B」の文字を発見!知らないと通り過ぎてしまいそうですが、ちょっと隠れ家的な雰囲気も感じてわくわくしてきました。恐る恐る中に入ってみると…


静かな空間に地下への入り口を示す「B」の小さなパネルが!矢印に従い「B」がある地下1階へと進みましょう。

 金さん


店名の「B」はアルファベット一文字と短いですが、Brooklyn、Beer、Basementと、多様な意味があり、BA(場)のBでもあるんですよ。場を創造し、体験をつくることで、集まる人が「B(be)」+ 「Social」,「Kind」,「Inspired」と影響を受ける場所を目指しています。



アートワークを眺めながら地下へ



グランドオープン時の壁画(画像提供:ブルックリンブルワリー・ジャパン)
パネルの矢印の方を見ると、カラフルな壁画が出迎えてくれます。天井にまで続くほどの大作で見上げると首が痛くなりそう。


エントランスホールの展示は定期的に変更する予定です。これからは新しく若手アーティストを支援する「NOKABEプロジェクト」を始めていく予定ですのでご期待ください!コラボするアーティストの情報など最新情報はInstagramで確認してください。

早くビールを飲みたいがあまりエントランスは素通りしてしまいそうですが、ゆっくりと観るのもいいですね。その時々で新しい発見があるかもしれません。

グランドオープン時の壁画(画像提供:ブルックリンブルワリー・ジャパン)
進むにつれ日本から離れ、ニューヨークへ移動している感覚に。

大きな柱や床から当時を感じられる店内



階段を降りた先で扉を開けると、大人の雰囲気が漂う空間が広がります。

 金さん


K5は大正時代に建てられた建物で、「兜町第5平和ビル」という名前だったことから「K5」となったそうです。元は第一銀行の別館として使われていたと言われています。奇跡的に当時のままビルが残り、内部もほぼ原型のまま残っており、「B」では大きな柱や床などは当時のまま利用しています。

だから、ちょっと無骨で重厚な感じがするんですね。でも、木製のテーブル、イス、カウンターが温かみを与えてくれるので、ほっとします。


約20mあるというバーカウンターは、よく見ると小さい木のブロックでできています。その数はなんと6400個!


壁際にずらりと並べられた赤いソファーも目を引きます。座るとちょっとリッチな気分になれそうです。


他にもテーブル席、スタンディング席や個室があり、シーンに合わせて選べます。


ー店内奥のバーカウンターの上にはDJシステムが置かれていますね。

 金さん


イベントで使うために準備しました。今後、ビールと音楽、ビールとアート、ビールとコメディなど、ビールと何かを掛け合わせたイベントを開催する予定です。


ーよく見ると店内には大きなスピーカーやステージになりそうな一段高い場所が設置されています。「B」はビールだけを楽しむ場ではないんですね。

 金さん


そうなんです!ブルックリン・ブルワリーは多様性をとても大事にしており、自らが“culture conector”になることを目指しています。それに習い「B」でも、多様性のあるブルックリン・ブルワリーのビールを軸に、音楽やアートなどを掛け合わせることで、新しい体験やビールを飲むシーンを生み出す場にしていきたいと考えています。そして、新しく生まれたコミュニティを目当てに足を運んでくれる方が増えて、兜町という街全体の活性化に繋がってほしいです。

これからどんなイベントが開催されるのか楽しみですね!とはいえ、ビール好きとしては、どんなビールが飲めるかも気になります。

「B」でしか飲めない限定ビールが楽しめる



ー世界初の旗艦店「B」では、どんなブルックリン・ブルワリーのビールが飲めるのでしょうか?

 金さん


日本ではここでしか飲めない限定ビールも含めて数十種類、アメリカから直輸入しています。樽生ビールだけでなく、缶ビール、ボトルビール、750mlのビッグボトルもご用意しています。




樽生ビールは定番の『ブルックリンラガー』『ソラチエース』『ディフェンダーIPA』をはじめとする10種類があります。その他に、酸味のある『ベルエアサワー』、夏にぴったりな『サマーエール』、アルコール度数が11.3%あるバーレワイン『カパダス』など、多彩なラインナップ!

提供サイズは、パイント(473ml、880円から)、レギュラー(355ml、680円から)、ゴブレット(指定銘柄のみ。銘柄により提供量と価格は変動)。

パイントでじっくりと飲むのもよし、レギュラーでいろいろな種類を飲むのもよし。どれを飲もうか迷ってしまいます。


ちょっとずつ、いろいろと飲んでみたい方におすすめなのが『FLIGHT BOARD(150ml×3種類)』。定番の3種類を飲み比べできるAセット(税抜1,000円)と、全種類から3種類を選べるBセット(税抜1,200円)があります。まだ飲んだことがない銘柄や気になる銘柄を試すこともできますね。


ブルックリン・ブルワリーのビールを使ったオリジナルビアカクテルもあります。写真左から、ソラチエースを使った『ジンジャー・アンド・ミント(税抜980円)』、ベルエアサワーを使った『フランボワーズ・アンド・バジル(税抜980円)』。

「ジンジャー・アンド・ミント」は、ソラチエースのヒノキのような涼しげな風味にライムやオレンジが加わり、夏にピッタリな爽やかな味わいです。ジンジャーのピリッとした風味が後味を引き締めています。

「フランボワーズ・アンド・バジル」は、ピンクに染まったモコモコした泡がかわいらしいカクテルです。その名前と見た目から甘いのかと想像しましたが、飲んでみると酸味を感じ甘すぎません。フランボワーズやカシスの濃厚な香りバジルの風味が効いていて、まるでマルゲリータピザを食べてるような味わい。

ベースのビールの味わいを残しつつ、新しい味わいになることを体験しビアカクテルにもはまりそう。ベルエアサワーは期間限定ビールとのことなので、今から新しいメニューが楽しみです。


冷蔵庫には缶ビールやボトルビールがずらり。ラインナップは珍しいものが多く、アルコール度数0.5%の缶ビール『スペシャルエフェクト』、ボトルビールのみで提供される『ブラックチョコレートスタウト』など、飲んでみたいものばかり。ボトルビールと樽生に同じ銘柄があれば飲み比べるのも楽しそう!


さらに気になるのは、750mlのビッグボトル(税抜4,500円から)。瓶内熟成のビールでアルコール度数が高めなものが揃います。写真のビッグボトルは『クローキングデバイス』です。アルコール度数は10.5%、野生酵母で発酵させたポーターを、赤ワインの醸造にフランスで使用されていたオーク樽で熟成させたもの。

色は赤みがかった深い黒。ビターチョコレート、エスプレッソのような濃厚な香り。飲んでみると赤ワインの風味が鼻に抜け、しっかりとしたビターチョコレートの味わい。ローストした風味もあり、かなり濃厚。温度が上がるとよりオーク樽の風味を感じるようになります。じっくりと楽しみたい一杯です。72%のチョコレートと一緒に楽しめば、お互いに風味が引き立て合い、幸せなひとときを過ごせます。

「クローキングデバイス」は、ブルックリンブルワリー会員制宅配サービス「B」の会員のみが注文できる銘柄です。もちろん会員でなくても注文できるビッグボトルもあります!銘柄は店頭でご確認ください。

 金さん


ビッグボトルは、新しいビールの可能性を見つけていただけるものとして、皆さんに飲んでいただきたいと提供することにしました。ブルックリン・ブルワリーのビールを毎月お届けする会員限定の銘柄もご用意しています。

ビッグボトルは製造量自体が多くなく、熟成に時間が必要なものなので、貴重なものが多いです。アメリカにお願いして「B」の分を用意してもらっています。

グループでシェアする方が多いですが、お一人で本読みながらじっくりと飲まれる方もいらっしゃいます。

一人でビッグボトルを飲む。大人の感じがして、カッコいいですね!一人で瓶の上の方、中の方、底の方の味わいの違いを探ったり、温度変化による味わいの変化も楽しめそう。アルコール度数が高めなので、時間を掛ける、お水を用意するなど、飲み方には注意が必要です。いつかチャレンジしたいと思います。

10種類のタコスを中心としたフードメニュー



フードのメインは生地から手作りの『タコス(350円から)』。定番のメニューが9種類、シーズナルとして1種類が用意されています。その他に『豚皮のフライ(税抜500円)』『ワカモレ&チップス(税抜600円)』『フライドポテトとライムチリマヨネーズ(Large 税抜900円、Regular 税抜600円)』など、ビールがすすみそうなメニューが揃います。

 金さん


メインのフードは、移民の街・ブルックリンでも人気のタコスにしました。タコスは、あらゆる多様性を包むことができるフードであり、「B」のコンセプトを体現するのにぴったりだと考えています。タコスをはじめとしたフードメニューは神田金物通りの北出食堂の北出シェフに監修していただきました。




ブルックリンラガー(パイント 税抜880円)』とタコス『カルネアサダ(税抜450円)』を注文しました。

「カルネアサダ」はアンガスビーフのカットステーキのタコスです。タコスにライムを絞って食べると、ブルックリンラガーの華やかな香りをより引き立ててくれます。ブルックリンラガーの麦芽の風味がしっかりした味わいに、牛肉の旨味がマッチします。タコスは大きすぎず、手のひらサイズなので、2種類食べてもよさそう。

 金さん


ブルックリン・ブルワリーのブルワー Garrett Oliver(ギャレット・オリバー)は、ビールの楽しみ方を「Like Music」という言葉で表します。これは「あなたが好きなものを、その時の気分で選んで、あなたの感性で楽しんでください。」という意味です。ですので、「B」ではメニューにビールとフードのペアリングを載せていません。

ですが、どんなフードが合うのかを参考にしたい方もいらっしゃると思います。その時は遠慮せずにスタッフに尋ねてください。ビールとフードを知り尽くしたスタッフがアドバイスいたします。



帰る前にお土産はいかが?




瓶ビールや缶ビールだけでなく、オリジナルグラス、ボールペン、創業者のスティーブ・ヒンディさんの本など、さまざまなグッズが販売されています。


つい集めたくなるブルワリーのオリジナルTシャツ。写真左はブルックリン・ブルワリーのロゴマークのTシャツ(税込3,000円)。

白いTシャツは、グランドオープン時の壁画を描かれたアーティストの中山誠弥さん (@msynkyma)とのコラボレーションTシャツ(税込3,500円)です。「B」でしか手にはいらない数量限定商品とのこと。気になる方はお早めに!

さまざまな多様性が詰まった「B」を体感して




ブルックリン・ブルワリーのフラッグシップ店としてグランドオープンした「B」。ビールやフードだけでなく、アートワークやイベント開催など、さまざまな多様性が詰まっています

マネージャー 本多克行さん
ビールやフードのこと、なんでもマネージャーの本多さんに質問してください!実はスタッフさんも多様性に富む方ばかりなんだそう。ビールが好きなだけでなく、DJ、バンドをやっている方、演劇をやっている方など。ビール片手にバーカウンターでいろいろなお話しも楽しめそうですね。

ビール片手に音楽を聞いたり、絵を鑑賞した時の体験は、忘れられない特別なものに。これからいろいろなカルチャーを紹介していく「B」では、どんな体験ができるのでしょうか。とても楽しみです。ぜひ皆さんも実際に足を運んで体験してみてください!



B(ビー)


〇住所:東京都中央区日本橋兜町3-5 「K5」 地下1階
〇TEL:03-6661-0616
〇営業時間
【月~土】16:00~22:00(Food Lo 21:00, Drink Lo 21:30)
〇定休日:日曜日
〇座席数:60席
※営業日、座席数は記事公開時点での情報です。今後の状況により変更することもあります。最新の営業状況は公式Instagramにてご確認ください。
〇支払い形式:テーブル会計
〇喫煙・禁煙:禁煙
〇お子様連れ:子供可、ベビーカー入店可
〇公式ホームページ:http://www.brooklynbrewery.jp
〇Instagram:b.k5.tokyo





情報提供元: ビール女子
記事名:「 【多様性が詰まった場所】ブルックリン・ブルワリー世界初の旗艦店「B」に行ってきた!