巨大な建造物を見ると、雄大さと技術力に感動してしまいます。しかしその逆で目を背けたくなるほど怖さを感じてしまう「巨像恐怖症」の人も少なくありません。筆者自身その恐怖症持ちで、巨像の画像を見ただけでくらくらしてしまいます。今回はそんな私のような巨像恐怖症が戦慄しそうな巨像を紹介します。

そもそも「なぜ巨像が怖いのか?」

有名どころの巨像といえば、言わずもがなのアメリカにある「自由の女神」(高さ93メートル)、リオデジャネイロ五輪のテレビ放送でよく見た、「コルコバードのキリスト像」(高さ39メートル)、タイ最大級の黄金の仏像「ワット・ムアン」(93メートル)などがあります。

巨大な像のなにが怖いのかというと、想像し得ない大きさ、建造に駆り出されたら……という怯え、さらに動き出したら? 倒壊したら? などという妄想が恐怖を駆り立てます。また、周囲に建物がないヌケがいい写真でも戦慄しますし、逆に住宅に囲まれている像の写真でも鳥肌が立ちます。では、さらにどんな巨像が怖いのかを紹介します。

デカ関羽に圧倒

2016年、中国・湖北省荊州市に約29億円をかけて建造された三国志の武将・関羽の巨大像。彼のイメージ通り、像の造りは猛々しく、そして神々しくもある迫力満点の像。さらにひげの流れ方、右手に持つ青龍偃月刀や鎧の細工が見事です。が、青銅製のこの像は高さ57・3メートルとデカすぎです。撮影される場合、背景に住宅が見切れる場合もあり、それと比較すると大きさが実感できなお怖いです。

この関羽像、人気観光スポットでありましたが、建築物の高さを24メートル以下と規定する地区に建てられたため違反ということで解体。移転をするそうです。

また、中国の関羽像といえば、故郷の山西省に上記の大きさを超える61メートルの像があります。

世界一高い像はインドに

2018年、インド西部グジャラートに独立運動の英雄サルダール・バルバイ・パテル氏の像が建造されました。「統一の像」と名付けられたパテル氏の像の高さは、世界一の182メートル。ほぼ渋谷ヒカリエと同じ高さ。総工費は約458億円で完成には4年近く費やされたそうです。ヒカリエほどの像がそびえたってることを想像するだけで震えます。

日本一の「牛久大仏」

日本一高い像といえば、茨城県の「牛久大仏」。創建されたのは1993年で、その高さは120メートル(台座含む)。青銅製立像としては世界一としてギネスブックに登録されています。胎内に入ることも出来、エレベーターで昇れる展望台は高さ85メートルの場所にあり、高所恐怖症にはなかなかの感覚が味わえます。この「牛久大仏」ですが毎年、大掃除される様子がニュースで取り上げられます。高所清掃員が、頭に昇り人力できれいにしていく様子は参拝客からも注目されます。

また日本の立像といえば、かつて兵庫県淡路市にあった「世界平和大観音像」という100メートルの像。地元の男性が観光施設として1982年に建設。観光客に親しまれました。巨像恐怖症にとってはやはり大きすぎて直視できない大きさですが、さらに恐怖を煽る出来事がおきます。建設した男性や相続した家族が亡くなると、2006年ごろから放置され老朽化が進行。腐食や壁が一部落下するなどし、近隣住民が困っているとニュースで取り上げられました。現在は解体されていますが、こういった巨大な像や建物が朽ちている様子を見るのも恐怖を助長します。

紹介した巨像は、いずれも敬われいますし尊いのは理解していますので、恐怖症とはいえそれらを軽んじているわけではありません。逆に荘厳さや巨大からくる迫力が畏怖を感じるのだと思います。

(南城与右衛門)

情報提供元: TREND NEWS CASTER
記事名:「 デカすぎて卒倒!? 巨像恐怖症を震え上がらせる世界の像