3人組のアイドルの原点といえばキャンディーズと言われているが、そのキャンディーズはバラエティ番組などでも人気が高く、1973年のデビュー直後から『8時だョ!全員集合』(TBS系)に、解散した年の78年までレギュラー出演をしていた。ザ・ドリフターズのコントやドリフとアイドルとの絡みの絶妙さで、当時の子供は興奮しながら毎週土曜日の8時を楽しみにしていた。

 そのキャンディーズが解散後は、アシスタントとしてアパッチ、トライアングルと3人組のアイドルがキャンディーズの流れを汲んで出演していたのだが、あまりにもキャンディーズの印象が強かったことで、イマイチお茶の間に浸透することはなかった。その後にベリーズという3人組のアイドルが登場するようになり、私はこれまでのグループに対してはあまり興味を持てないでいたが、ベリーズはホリプロタレントスカウトキャラバン出身のアイドルということもあり、よりアイドル色が強かったことで、私のアンテナにも引っかかってきた。

 『8時だョ!全員集合』といえば公開生放送が売りでもあったが、番組の終了が近づいた頃(85年9月28日が最終回)からスタジオで収録したり、スタジオで生放送を行うようになってきていたのだ。その頃は毎週のようにTBSに公開収録やアイドルの出待ちをするようになっていたので、かなりの頻度でベリーズとは会えていた。しかしベリーズは自分の本命という訳でもなかったので、出待ちで顔を合わせても必死に食らいつく訳でもなく、なんとなく挨拶をする程度の接触だった。しかし最終回の日が迫るにつれて、毎週のように当たり前に会えていたベリーズと会えなくなってしまうことがショックになったのか、その頃には必死で写真を撮ったり話しをしたりするようになっていた。

 そして9月28日の最終回の日を迎えた。最終回ということもあり、TBSの玄関前には、多くの出待ちの人が集まっていた。それでもTBSの出待ちは自分的に慣れている場所でもあるので、タレントが出て来た時に、どの位置で待っていれば良いのか、自分のベストポジションもわかっていたので、大勢の人が待っている中でも苦痛な気持ちになることはなかった。

 番組が終了すると、ザ・ドリフターズを筆頭にゲストの和田アキ子や松本伊代などが続々と出てくるのだが、なぜかベリーズはなかなか出て来なかった。逆に大御所がたくさん帰ったことで、出待ちの人も一気に減ってきたので、ベリーズ待ちの私は気楽な気持ちで待っていられた。ようやくベリーズの3人が出て来たので、この日が最後ということで、伊藤真季・大西浩美・松本千恵美の3人を初めて名前で呼んで話しかけてみた。3人は自分が毎週のように出待ちに来ていたことを知っていたみたいで、この日が最後になることも察知していたようだ。時間にして5分くらいだったが、色々な話しもできて、いい思い出のひとつになった。その後86年には解散してしまったので、このTBSでの出待ちがベリーズの3人と会ったのが最後となってしまった。

 解散したことで二度と会えないと思っていたら87年6月に奇跡が起こったのだ。この年の6月に私はホリプロでお笑い芸人として活動をスタートしたのだが、ベリーズの大西がホリプロに所属してタレント活動をしていることを知ったのだ。数か月後には大西と再会。その時は当時の話しや現在の話しなどをすることができて、同じ事務所で活動ができる喜びを感じていた。しかし私は2年でホリプロを離れてしまったので、それを最後に大西とは会うことはなかった。他の2人とも会う機会はもちろんなかった。

 あれから25年もの月日が経って3人はどうしているのかと考えることはあるが、おそらく今後も会う機会もないと思う。それでも私にとって彼女たちとの出会いはインパクトの強い出会いだったので、最高の思い出として残っている。

(ブレーメン大島=毎週土曜日に掲載)

【ブレーメン大島】小学生の頃からアイドル現場に通い、高校時代は『夕やけニャンニャン』に素人ながらレギュラーで出演。同番組の「夕ニャン大相撲」では元レスリング部のテクニックを駆使して、暴れまわった。高校卒業後は芸人、プロレスのリングアナウンサー、放送作家として活動。現在は「プロのアイドルヲタク」としてアイドルをメインに取材するほか、かつて広島カープの応援団にも所属していたほどの熱狂的ファンとしての顔や、自称日本で唯一の盆踊りヲタとしての顔を持つことから、全国を飛び回る生活を送っている。最近、気になるアイドルはNMB48の三田麻央。

【記事提供:リアルライブ】
情報提供元: リアルライブ