この写真は、1919年に撮影された「本物の心霊写真」として名高いものである。一見普通の集合写真なのだが、最後列左から四番目の男性に注目してほしい。皆と一緒に笑顔で収まっている男性の後ろに、陰鬱な表情の男性の顔が半分だけ覗いた状態ではっきりと写っているのだ。

 この写真は第一次世界大戦時の1919年にイギリス海軍ダナイー級軽巡洋艦ディーダラス号の訓練施設にて撮影されたものである。この写真を見た部隊の隊員たちは、彼の後ろに写り込んだ人物の顔を見て、ある人物の名前を思い出していた。

 彼の名はフレディ・ジャクソン。この写真が撮影される2日前に飛行機のプロペラと接触して死亡した整備士だった。しかも、この写真が撮影された正にその日、彼の葬儀が執り行われていたのである。
 
 この写真は1975年、引退した空軍将校のビクター・ゴダード氏が著書で紹介したことで世間に知られることとなった。

 もちろん、この写真についても二重露光など印刷ミスや撮影ミス、トリックなどを疑う声もあった。しかし、この男性と幽霊の顔をよく見れば全くの別人であることが判る上に、隣に立っている男性は軍帽を被っているが幽霊らしき人影は帽子を被っておらず、額が見えており髪型を見て取ることもできる。つまり、横の人物がぶれて写ったりしているわけではないということで、この写真は「本当に幽霊が写ってしまった可能性の高い」心霊写真の一枚であると言われているのである。

 なお、ここに出てきた軽巡洋艦ディーダラス号はオカルト好きには別の方面でも有名な艦でもある。なぜなら、この巡洋艦は1846年に喜望峰の付近にてシーサーペントと遭遇、克明な記録を残しているからである。これだけオカルトがらみの逸話の多い艦も珍しいのではないだろうか。

(山口敏太郎事務所)

【記事提供:リアルライブ】
情報提供元: リアルライブ