黒木華、多部未華子が楽しげなトーク


 女優・黒木華(28)、多部未華子(29)が3日、東京・明治記念館で映画『日日是好日』(監督・脚本:大森立嗣/配給:東京テアトル ヨアケ)特別試写会舞台あいさつを原作者の森下典子氏、作品のオフィシャルアドバイザーの観世あすか氏とともに開いた。


 エッセイストとして知られる森下氏が茶道教室に通った20年の日々をつづったロングセラーが原作。真面目で、理屈っぽくておっちょこちょいな主人公・典子(黒木)がいとこの美智子(多部)とともにお茶を習いはじめたことから何かが変わっていく物語。瑞々しい心象風景や、お茶からの『気づき』など共感を呼ぶような事柄が詰め込まれている。


 本作といえば、先月15日に亡くなった女優・樹木希林さん(享年75)も登場しており、典子と美智子に「お茶はまず<形>から。先に<形>を作っておいて、後から<心>が入るものなの」と説く、武田先生役を演じた。そんななか、キャストや司会も和装で登壇し、希林さんを偲ぶ話をすることに。


 まずは、観世氏がお茶の指導を希林さんから頼まれ、今年3月に余命が年内と聞かされハッパをかけられたことなどを、ときおり声を震わせながら語り、黒木と多部については、「黒木さんが主演をなさるということが希林さんの心をかなり動かしたと言いますし、多部さんもそうですが『この若い2人が、自分の後をついでくれる芯のある役者さんだということを信じているんだ』と、何度も私にお話し頂きました」と、後をたくすような気持ちで臨んでいたと話す。


 これを聞き入っていた黒木と、多部は希林さんへの思い出を披露。黒木は「本当に共演したかった女優さんでした。ほかの俳優さんから『希林さんとは共演したほうが良い』『得るものがあるから』と言われて。役を生きるということをされていて、自分もこんなふうになりたいなと思うような方でした。言葉で言う方ではなくて、役でお芝居を感じることが多くて。雑談もいっぱいしたんですけど、私には『なんであの映画出たの?』と聞かれたりして。自動車も自分で運転されてきていましたけど、格好いいものでした。全部素敵で。1つ1つをじっくり選んで、大切なものしかない感じがして」と、しみじみ。


 多部は「撮影が寒くなってきた時期で一緒にひざ掛けをかけていたんです。それで私の『ホッカイロいりますか?』って聞いたら、『私のをあげるわよ』と言われて希林さんのホッカイロも頂いて、自分のも合わせて暑いとも言えなくて(苦笑)。雑談したときは、『どこに住んでるの?』、『誰と住んでるの?』、『誰と付き合ってるの』とか、『整形してるの?』とか(苦笑)。それに一生懸命答える感じで」と、楽しげに振り返る。


 さらに、希林さんは「『自分と同じ人くらいしか来ないわよ』って」と、交際する男性のこともアドバイスしたともいい、黒木は「頑張ろう」と、笑いながら気を引き締め直していた。


 イベント後半には、黒木と多部がお互いの印象を一言で表すとどうなるかをボードに書いて答えるコーナーが。黒木は多部のことを『箱』とし、「中に何が入ってるか分からないから開けてみたいと思って」といい、多部も、『ミステリアス』とすると、「いい意味で掴みどころがなくて、典子みたいな方なのかなと思ったりして。メイクさんと話しているときはサバサバと話をしていて典子とは違うところがあるのかなって。そう思いながらジロジロ観ていました」と、底が見えないようだった。


 最後に多部から「じんわり楽しく観てもらえれば」と呼びかければ、黒木は「青春映画でもあり、人生を楽しむためののヒントに満ち溢れた映画だとも言えます。五感で感じてもらえれば」と、メッセージを寄せその場を後にしていた。


 映画『日日是好日(にちにちこれこうじつ)』は13日より全国公開!なお、10月6、7、8日に先行上映も決定している。






 


 

情報提供元: News Lounge