様々な業界で活躍する人物の素顔に迫り、成功のヒントを書き留める番組「シゴト手帖」。今回、この番組に株式会社コムデザイン代表取締役社長・寺尾憲二さんが登場。自らの苦難の道のりや、コールセンターシステムの業界で会社を経営してきた自身の考え方などを語りました。


株式会社コムデザイン


株式会社コムデザインは、CTIという技術を使ったコールセンター支援システムを提供する会社。業界ではトップシェアを誇ります。CTIとは、コンピューターと電話の機能を統合した情報システムの事。同社はコールセンターにかかってきた電話をコンピューターで管理し、オペレーターの働いている時間、1日に受電した数などの数字を定量化して見られる仕組みを提供しています。


現在、約850もの企業がコムデザインのシステムを利用。同社では多様なニーズに対応するために、新たな機能も導入し続けています。現在導入を検討しているのは、AIを使い声から感情を読み取るシステム。電話応対の満足度の調査、オペレーターのストレスケアなどに役立てられます。


寺尾さんのこれまでの道のり



寺尾さんは1997年に会社を起業。2000年に他の会社と合併する形で株式会社コムデザインが誕生しました。しかしその1年後、数字を挙げられない合併相手に対する寺尾さんの激しい叱責が原因で寺尾さんは代表解任を要求されてしまい、その後、会社も倒産の危機を迎えてしまいます。


寺尾さんはこの危機を乗り越えるために、それまでやっていたビジネスをすべてやめ、クラウドサービスの事業に方向を転換。自宅も競売にかけられるなど、多くの借金を抱えながらも神田の地で再起をかけました。


「製品の評価は悪くない。ビジネスの進め方を改めれば製品の評価を正しく受けられるはず。」という想いのもと、寝る間も惜しんで働き続け、奥さんの支えやスタッフの奮闘もあり、3年の月日をかけて会社の立て直しに成功しました。


失敗から学んだこと


 


寺尾さんが心に刻む「徳ある人 孤ならず 必ずや隣あり」という言葉。良い事をしていれば孤独にはならず人が寄ってくるという意味の言葉ですが、寺尾さんがこの考えに至ったのは、代表解任を要求された失敗がきっかけだったそう。


「出来ない事を責めるより、出来なくても前を向いて取り組んでいる姿勢を評価してあげた方が、組織として良い。社員だけでなく、社員の家族、お客様も含めて良い人でいて欲しい。関わった人達が良い人たちでいられるような環境を提供し続けるのが、私にとっての仕事だと思っている。」と寺尾さんは語ってくれました。


厳しい経験を乗り越えて現在の会社を作り上げてきた株式会社コムデザイン代表取締役社長・寺尾憲二さん。成功し続けるだけでなく、失敗を乗り越えてきたからこそ、深みのある言葉や考え方が生まれてくるのかもしれません。





映画の言葉

Fujisan.co.jpより


情報提供元: マガジンサミット
記事名:「 株式会社コムデザイン社長・寺尾憲二が語る“失敗から学んだこと”。業界トップシェアを誇る会社の社長が心に刻んだ言葉とは