北陸新幹線始終駅の金沢駅・・・の1つ先に西金沢駅がある。この西金沢の活性化と北陸のアイドル聖地を目指して活動しているのが、アイドルグループ『西金沢少女団』だ。

ローカルな話題と思うかもしれないが、今やアイドル界にメジャーとローカル(以下、ロコドル)の垣根がなくなってきている。

毎年夏に開催するTIF(東京アイドルフェスティバル)。今年は3日間で212組のアイドルが登場した。AKBの各グループ、ももクロの佐々木彩夏、アンジェルム、BiSH、といったメジャーネームもあったが、ラインナップの大半は中堅やロコドルである。メジャー事務所に所属していても経験が浅くパフォーマンスが備わっていないグループは少なくなく、逆に雑草のごとく場数を踏んでいるロコドルのほうが堂々としたステージを披露し他のファンをさらうなんてザラに起きている。

今や、NMB48、たこやきレインボーは大阪。SKE48、TEAM SHACHIは名古屋。HKT48、ばってん少女隊は博多。…など、大手事務所が地方を拠点としたアイドルグループを作り活動させているため、アイドル文化は主要都市から波紋のように裾野まで広がっている。だから地方の小さなアイドルイベントでも人が集うようになっているわけだ。ファンは推しを事務所で選ばない。

東京でブランディング

西金沢少女団は2017年結成、今では地元で“西少”の愛称で親しまれている。メンバーは現在13人。ただし西金沢少女団の名前で活動するのは主に石川・富山・福井の北陸3県で行われるライブ、イベントのみ。限定する理由は、グループはあくまで西金沢をPRするのが目的だからだ。

とはいえ、タレントをそれだけで済ませることはせず、西金沢少女団からソロ、ユニットとして派生し活動している子も出ている。こうして差別化を図り活動範囲を広げていく。

また、特に今後は、認知されていないタレントをイチから育てていくブランディング化を目指すという。ニシカネプロジェクト代表理事・伊勢保彦さんに伺った。

伊勢 「やはり圧倒的なアイドルマーケットは東京です。東京で話題になると全国に伝わりやすくブランディングされやすい。なので石川県外の活動は東京一極集中にして、地元のステージすら厳選して出演させます。今やアイドルはメジャーとローカル関係なく、お客さんのニーズに合うか合わないかという部分が大きいので、とにかく東京で真正面から勝負したいんですよ」

その先頭に立つのは、オモテカホ(23)だ。

西金沢少女団のメンバー兼プロデューサーでグループ結成前からソロ活動をしている。今年は東京で6月まで月一回の無料ライブ(※ドリンク代500円のみ)を重ねた。これが効果的で動員が伸び、7月からは有料ライブに。7月3日には初の全国流通盤ソロCD「So Good!!」をリリースした。

地元石川県で8月11日(日)にワンマンライブを開催したが、ピンアイドルとしては今や珍しいギター、ベース、ドラムスの3Pバンドをバックに行われ、県外からのファンなど約200名を集めて盛り上がった。この模様はDVDとして発売される。そして12月には「渋谷VUENOS」で主催ライブを開催する。戦略も上手く軌道に乗り、アイドル・アーチストとして確実にステップアップしている様子が伺える。

(8/11のLIVEの様子 身長147センチでもパンチ力は凄いぞ!)

オモテカホHP https://www.omotekaho.com/

正統派アイドルユニット「アンソフィ」

8月3日にはアンソフィという3人新ユニットをCDデビューさせた。

メンバーは(左から)むらきあみか(20)、黒畑ひな(21)清水音羽(17)

5月に動画サイトでPVを公開してイベントを重ね、いよいよCDリリース。オリジナル曲はすでに3曲あり、これから彼女たちは東京を主戦場にスタートするわけだ。もちろん“西少”のお仕事もあるので石川と行ったり来たりのハードスケジュールが待っている。



デビュー曲「リナリア」

黒畑ひな 「アンソフィとしてTIFに出場するのが最初の目標です!」

むらきあみか 「一人一人が大木のように強くなって、三人で強靭なパワーを発揮できるようになりたい」

清水音羽 「全国ツアーをするのが夢です。夢は大きく言っとかないと(笑)」

インタビューさせていただいたが、彼女たちも事務所の方針を理解し覚悟の上で東京でのプロモーションに意欲を燃やしている。(※余談ですが、みんな言葉にしがたいヘンテコな個性があって面白かったです・笑)

TEATRO西金沢から

西金沢少女団が所属する「ニシカネプロジェクト」の強みは、ロコドル事務所としては珍しく独自の劇場を持つことだ。

「IDOL LIVE&CAFE 『TEATRO西金沢』」はキャパ150人(※これくらいが丁度いい)。週に数日ライブを開催し、地元石川、隣県の富山や福井、そして関西や関東からもアイドルが駆けつけステージを披露する。

そしてワンコインライブで“西少”の新人にステージに立つ機会を与えている。この小さな経験が糧となるわけだ。

金沢市内でアイドルが観られる場所といえばもはや西金沢、いわば“聖地”である。“アイドルで西金沢を盛り上げる”という点でも着実に成果を上げていると言えるだろう。

メジャーで活躍する事務所として

西金沢少女団は定期的にオーディションを行っていて7月にも3人が新メンバーとして加入した。理想的には20人ほどをキープしつつ、それぞれの夢のサポートをしたいと伊勢さんは語る。

伊勢 「西金沢からメジャーシーンで活躍できるタレントを輩出する事務所として機能させていきたいんです。メンバーの中には歌手、女優、声優になりたいという子もいますが、それぞれ夢を叶えるためにまずはアイドルとして一生懸命頑張って名を上げようと。道は険しいですが時代を変えて築いてきたいです」

西金沢を盛り上げる。西金沢を北陸アイドルの聖地にする。

そして、全国区へレベルアップを目指してスパートを仕掛ける。

ニシカネプロジェクトHP https://www.nk-pjt.com/

西金沢少女団Twitter https://twitter.com/nkz_girls

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Fujisan.co.jpより
情報提供元: マガジンサミット
記事名:「 【西金沢少女団】東京ブランディング計画