「プーさん自由に」


 


そんなトピックを先日ニュースサイトで見た時、「ついにその時が来たか……」と戦慄が走りました。軟禁されていた100エーカーの森から解き放たれたのか? うさぎの家の出入り口にまたハマっていたのか? などなど、想像をかきたてるタイトルでありましたが、どうやら事態は違うようです。シンプルにくまのプーさんの原作著作権が切れたため、例えばプーさんを取り扱った勝手な創作がアリになったということのよう。


 


というわけで今回は、プーさんフリー素材化の経緯や謎熊の実態についてお話したいと思います。


 



 


米のTPP離脱でフリーが20年早まる


「くまのプーさん」とは1926年、スコットランド人の作家A・A・ミルン氏が生み出した児童文学。ミルン氏は56年に亡くなりますが、それから50年を経て著作権保護期間が終了、2006年にはフリーになる……かと思いきや、第二次世界大戦、戦前戦中の連合国の作品は戦時加算という例外規定があって10年5か月加えられました。そして17年5月末をもって晴れてフリーになったというわけです。


 


しかし実はもう一枚壁があって、以前、著作権大国アメリカがTPPにおける著作権保護期間を20年延長しようとしていました。これが発効されていたら37年までプーは解放されませんでした。とにもかくにも米はTPPから離脱したため、今回の運びとなったわけです。


 


プーさん雌雄論争


この物語はミルン氏の息子クリストファー・ロビンが持っていたテディベアから着想したそう。またウィニー・ザ・プーという名前は、ロンドンの動物園で人気者だったメスの熊ウィニーの名前にちなんでいるんだとか。つまりウィニーとは女性名であるためプーも実はメスなのか? という疑問もありますが、作中でプーをさす際「He」とあるのでオス確定です。


 


そして「プー」の方ですが、こちらは白鳥につけられていた名前にちなんだようです。


 


プニキとして絶大な支持を得る


これは原作というより、かの地のかのキャラ、赤シャツベアー・プーの話ですが、Yahooキッズ内に「くまのプーさんのホームランダービー」というフリーゲームがあります。キッズと謳っているだけに子供向け。プー(プレーヤー)がバッターとなり、ピッチャーのイーヨー、ピグレットら森の畜生たちが投じるボールをかっ飛ばすというシンプルなゲーム。


 


しかし、この難易度たるやえげつなく子供相手に容赦がありません。、消える魔球はもちろん、投じた瞬間は普通なのに途中で剛速球になる魔球など大人が挑んでも易々とクリアできません。そこを往年のホームランバッター田淵のような恵体のプーが、精製もされていない丸太バットで130m超弾を連発します。その並外れたパワーや技術を称え「プーのアニキ=プニキ」として一部の大きいお友達から人気を博し、外国人のプレー実況動画も多く存在します。


 


しかしその鬼畜スラッガーぶりに一部ユーザーから「こりゃハチミツやってますね」との疑惑が生まれています。


 


プーさん迫害の危機?


プニキは14年ポーランドで迫害危機にみまわれました。ある町の議会で公園のキャラクターをプーさんにしようという提案がなされると、ひとりの議員が猛反対。その理由は…


 


「半裸でパンツも穿いていないからハレンチ」「性別も分からない」「睾丸をカミソリで切り落としたに違いない」


 


ぽかーん……である。


 


プニキは熊でありぬいぐるみである。まずプーやその仲間を性的な目で見たことはないし、そういう目で見ている方がどうかしている。ポーランドではムーミンも人気らしく、この場合全裸であるが、どう判定されたのか気になります。


 


さて、FA宣言したプーのアニキは今後どんな展開をみせるのか? すでに日本では新訳プーも誕生しており、活躍が大いに期待されます。


 


もう一度言いますが、原作がフリーになっただけで、原作内の挿絵やかの地のかのキャラは当然、フリーではないのでお気を付けください。あっちの方をいじると、とんでもないことが起こるとか、起こらないとか……。


 


……アレ、なんだろうこんな時間


 

情報提供元: マガジンサミット
記事名:「 【朗報】くまのプーさんフリーエージェント宣言