カップ麺やスナック菓子、ファストフードなどのアレンジレシピを研究する“B級フード研究家”としても活動している、ノジーマこと野島慎一郎です。

いつもガジェット通信ではアレンジレシピを紹介する記事を中心に執筆していますが、普段から研究としてカップ麺をよく食べているので、1か月で食べたカップ麺のなかから個人的に美味しいと感じたカップ麺ベスト5をご紹介しています。

今回は2021年12月のランキングです。新旧問わずに美味しいと感じたものを選んだ個人的なランキングではありますが、皆さまのカップ麺選びの参考にしていただければ幸いです。

第5位:エースコック スーパーカップ大盛り キャンプ飯 豚塩味焼そば

5位にはエースコックの「スーパーカップ大盛り キャンプ飯 豚塩味焼そば」を選びました。トレンドを積極的に取り入れていくスタイルのエースコックさんですが、まさかキャンプ飯にまでテリトリーを広げてくるとは思いませんでした。

しかも何をもってキャンプ飯と定義しているのかなと思ったら、一応パッケージでは「肉の旨味×ワイルドスパイス」なんて書かれているんですけど、結局のところは「スパイス=キャンプ飯」としたのかなと。なんせ、とにかくスパイスの量がとんでもなかったんですもの!

見てくださいよ、このラーメン屋で卓上のこしょうを振りかけようと思ったら、フタが取れてドバーッと出ちゃったかのようなスパイスの量を! 「こだわったスパイスをたっぷりかけときゃキャンプ飯」という乱暴な定義が最強です。相変わらずやることが突き抜けてますな。

かやくの肉はバーベキュー後の鉄板にこびりついた薄い肉片みたいなものしか入ってないし、その反面麺は130gも入ってるし、2021年トップクラスにジャンクに振り切ったカップ焼きそばだったりするんですが、それでもスパイスがいい味なので食べ始めると箸が止まらない……!

塩焼きそばの塩味も肉の旨味もすべてすっ飛ばして、舌に残るのはビリビリと刺激的なスパイスの味。これが悔しいほどにヤミツキ感があり、舌に残ったスパイスの余韻だけでビールをガブガブ飲めちゃいそう。たっぷり130gの麺もペロリ。本当に上品で繊細な料理の対極に位置すると思いますが、カップ麺ならではのジャンクさに魅了されてしまいました。好みは絶対に分かれると思いますが、僕は悔しいけどハマってしまった!

第4位:セブン&アイプレミアム 飯田商店 秘密のまぜそば 豚鶏白湯味

5位がジャンク系カップ焼きそばの極みなら、これこそが対極に位置するカップまぜそばかも。4位にはセブン&アイプレミアムの「飯田商店 秘密のまぜそば 豚鶏白湯味」を選びました。超人気ラーメン店「飯田商店」のまかないメニューを再現したという、セブン-イレブンなどの限定販売商品です。

まるで生麺のように繊細なノンフライ麺だけでなく、かやくの鶏肉だんごやメンマもカップ麺っぽさが薄く、全体的に完成度がめちゃくちゃ高め。でもその中でも特にすごかったのが豚鶏白湯ベースのタレでした。

タレはなかなかネットリとしていて濃厚そうなんですが、味は濃いけどしょっぱさが強いわけではなく、豚と鶏の旨味がギューッと凝縮。お湯で割ったらそれだけで、五臓六腑に優しく沁み渡る絶品白湯スープになりそうな美味しさです。

それがツルツル食感の麺にどっぷりと絡みつき、口の中いっぱいに旨味が広がっていくのがたまりません。丁寧に味を作り込んだのが伝わる一杯。ここまで繊細な味のカップまぜそばって過去存在しなかったのでは。これは実店舗で本物を食べてみたくなりますね!

第3位:日清食品 けやき 札幌味噌ラーメン

3位にはファミリーマート限定で販売されている「けやき 札幌味噌ラーメン(日清食品)」を選びました。新千歳空港などにも店舗がある、札幌ラーメンの名店のカップラーメンですね。

味噌ラーメンの名店の味を再現したカップラーメンはこれまでにもたくさん発売されてきましたが、もしかしたら僕はこれが一番好きかもしれません。

ノンフライ麺の味噌ラーメンって麺とスープの相性が完璧にかみ合うものがなかなか少なく、麺単体は生麺のようだし、スープも超本格的なのに、一緒に食べるとどうも麺にスープが乗ってこないということがあるんですよね。でも「けやき」のカップ麺はその相性が完璧でした。

スープはラードがプカリプカリと浮いたコク深い濃厚味噌スープなんだけど、生姜もきいているのでキレもあって口の中がまったりすることもなく、バランスが絶妙。黄金色の縮れ麺によく絡んできます。麺自体はもっちりツルツルで、ものすごく生麺っぽいわけではないけど、逆にそれがスープと馴染む感じ。

そして印象的なのが6種類のかやくによる彩りがなんとも華やか。見た目も楽しめるカップラーメンなんてなかなかないですからね。味噌ラーメンが好きな方にはぜひおすすめしたい一杯でした。

第2位:日清食品 刺激ラ王 シビカラ麻辣味噌

2位はドラッグストアのウエルシアで限定販売されている日清ラ王の限定シリーズ「刺激ラ王 シビカラ麻辣味噌」を選びました。最近はこういう販路限定品がどんどん増えていますが、その質もすごく上がっている気がします。

この「刺激ラ王」もその名の通り辛さとシビレの刺激が強烈だったので食べる人を選んでしまいますが、ものすごく完成された一杯となっていました。

ベースは旨辛味噌ラーメンなので、セブン&アイプレミアムの「蒙古タンメン中本」のカップラーメンと味の方向性は一緒。その麺がフライ麺からノンフライ麺に変わり、シビレの要素がプラスされたようなものだと思えば味の想像はしやすいと思います。

カップには辛さもシビレもレベル4と記載されていますが、その刺激はかなりハード。勢いよく麺をすすれば刺激でむせ返ってしまうこと必至ですし、食べ進めているうちに汗ダラダラ。シビレの余韻もしばらく続きます。

でもただ辛いだけではなく、味噌スープはコク深くていい味。麺もよくできていて、むせるとわかっていても豪快にすすりたくなっちゃうほどにツルツルのシコシコ。辛いカップラーメンを食べたい方の欲求は確実に満たしてくれることでしょう!

第1位:明星 中華三昧 スーツァンレストラン陳監修 よだれ鶏麺 ★5

2021年12月の1位には「中華三昧 スーツァンレストラン陳監修 よだれ鶏麺(明星)」を選びました。こちらは麺の量47gという小型のカップ麺なので、そもそもボリューム的に全然満足できないという方は多いかもしれませんが、味はほんと最高でした!

“つややか凛麺”と称されたノンフライ麺はつるつると喉ごしがよく、弾力がもっちりとしていながらも繊細さも感じられるという、さすが中華三昧というクオリティ。でもそれ以上に、さまざまな味が重なり合うスープが素晴らしかった!

ベースは醤油系なんだけど、そこに豆板醤、甜麵醬、XO醤などのいろいろな“醤”がプラスされ、ピリッとした辛味や黒酢系の酸味などが溶け込み、とても一言では言い表せないコク深い味に。

結果的に味は若干濃い目になっている気もするんですが、そのおかげで麺にもバッチリ味が乗ってくるし、麺量が少なくても食べ終えたときにちゃんと満足感も得られました。かやくのよだれ鶏も一切れが大きく、食感もいい感じ。ついついスープを飲み干したくなっちゃう一品でした。

総評

以上、2021年12月の美味しかったカップ麺ベスト5でした。

今回は4位がセブン&アイプレミアム、3位がファミリーマート、2位がウエルシアと、販路限定されている商品が多くランクインする結果となりましたが、本当に最近は味がいいものも多く、各社カップ麺の開発に力を入れているんだなという印象です。ぜひ皆さんも注目してみてください。

次回は2月上旬頃に2022年1月のランキングを発表予定です。どうぞお楽しみに!


動画でも解説しています。こちらもよろしくおねがいします!
https://youtu.be/WXkm99KyQzQ [リンク]

(執筆者: ノジーマ)

情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 B級フード研究家・野島慎一郎の美味しかったカップ麺 月間ベスト5(2021年12月)