B級フード研究家のノジーマです。先日、熊本の方に出かける機会があり、お土産として九州のご当地カップラーメン「焼豚ラーメン」(サンポー食品)を買ってきました。

佐賀県に本社を置くサンポー食品は2017年に東京支社を設立。以来、関東のスーパーやドラッグストアでも「焼豚ラーメン」を見かける機会が増えてきましたが、実は焼豚ラーメンにはいろいろな種類があるんですね。熊本のスーパーやコンビニをめぐり、計4種類の焼豚ラーメンを入手してきました。

焼豚ラーメン食べ比べクロスレビューを開催!

白いパッケージの焼豚ラーメンのほかに、緑、赤、黒と珍しい色の焼豚ラーメンがいっぱい! これを一人で食べるなんてもったいない!

ということで、今回は“ガジェ通クロスレビュー”と称し、焼豚ラーメンの食べ比べクロスレビューをおこなうことにしました。

今回のメンバーは写真左からガジェット通信編集部のオサダ記者、ガジェット通信でもラーメン記事を連載中のラーメンライター・井手隊長、そして私ノジーマの3名。井手隊長は約2年前に開催された「二郎系カップラーメン」回以来のクロスレビュー参戦となります。全国の激ウマラーメンを食べ歩く井手隊長の評価には特に注目です!

評価方法

・各10点満点で採点。合計30点
商品はすべてノジーマが自腹で調達しているため、忖度は不要。まずければ0点をつけてもOK
・おいしさ、再現度、コストパフォーマンスなどを総合的に評価して採点する


▲ほぼノーカットの動画もありますのでぜひご覧ください!

1品目 焼豚ラーメン 九州とんこつ味

ノジーマ:1品目はやっぱり1978年発売の大定番「九州とんこつ味」からいきましょう。

井手隊長:博多豚骨と言い切らない、九州代表なんだ。基本はどこも豚骨なのであながち間違いではないですけど、大雑把(笑)。

ノジーマ:アメリカといえばピザというくらいに大雑把。中には紅生姜が入ってますね。そして焼豚はそこまで厚くはないけど、でかい!

オサダ:乾燥していない紅生姜が入ってるの、はじめて見た。

ノジーマ:それじゃあいただきましょう。おおっ、焼豚がうまい! 味がいい! ラーメンも自体も昔ながらなあっさり豚骨って感じで、なかなかおいしいな。

井手隊長:うん、焼豚おいしい! ちゃんと豚の味が残る! 主役は焼豚ですね。

オサダ:焼豚ラーメンをうたうだけのことはある。

ノジーマ:なるほど、これは豚骨ラーメンじゃなくて焼豚ラーメンなんだな。

井手隊長:なんか食べたことある味なんだよな。スーパーカップの豚骨とかこんな感じじゃない?

ノジーマ:そうかも! やっぱり豚骨スープのカップラーメンが出てきた頃の味に近いかも。

オサダ:1978年発売ですもんね。カップラーメン創世記の雰囲気というか。塩味は強いけど紅生姜がいい仕事をしてる。

ノジーマ:昔のカップ麺を懐かしむ感じ、なんというかファミコンとかレトロゲームをやる感覚と似てる。

オサダ:レトロラーメンだ!笑

評価:オサダ7点、井手隊長7点、ノジーマ8点 / 合計22点

ノジーマ:これが基準点になるから採点が難しいけど、これはおいしい部類に置いておきたい。進化系のカップ麺もいいけど、飲んだあととかだったらこういうカップ麺を食べたいな。

井手隊長:1978年頃はまだ一風堂とかもなかったし、九州のラーメンはそこまで細分化されていなかったはず。シャバい感じの豚骨ラーメンが多かった頃にできたカップラーメンなんだろうなと。1978年を感じる一杯。

2品目 焼豚ラ
ーメン こってり豚骨推し

ノジーマ:続いては最近発売になったばかりらしい「こってり豚骨推し」をいただいてみましょう。基本的にはさっきの「九州とんこつ味」と同じ構成だけど、紅生姜とコーンがなくなってる。

井手隊長:紅生姜がなくなった分スープに気合を入れたのでしょうかね。

オサダ:さっきより調味油の袋が厚い気がする。 

ノジーマ:明らかに大きいですね。

井手隊長:「こってり推し」だからね。パッケージが緑なのは「魁龍」とかなんじゃないですか? もしかして。凄いこってりの福岡の店。

ノジーマ:イメージカラーで洗脳させるって大事ですからね。

井手隊長:においがさっきと明らかに違う! 見た目も白い!

オサダ:レトロではない! 隊長嬉しそうだなあ。笑

ノジーマ:油の膜が北海道のラーメンのようだ。蛍光灯が反射して上手に写真を撮れない! 麺はさっきと同じですかね。それじゃ食べてみましょう!

井手隊長:うおおおおおおおっ! 豚、豚、豚! 豚が来たぞ!! 何これ!? 鼻に抜けてくる……豚骨ラーメン屋のにおいだ!!

オサダ:えっ、凄いこれ……! これはちょっと初体験ですね……。うめえなあ……。さっきのやつより焼豚も馴染んでる。

ノジーマ:さっきのと比べて一気にラーメン屋っぽくなった! 明らかに違うのは麺の質感とか焼豚の厚さくらい。このスープで生麺とか棒ラーメンで食べてみたくなる。これ、隊長好きなやつなんじゃないの?

井手隊長:いや、これ相当いいでしょ!

ノジーマ:ちなみに今回は全品同じくらいの価格帯で、コンビニなら200円前後。安いスーパーだと100円台で買えます。そのへんも踏まえて採点していただければ。

評価:オサダ8.5点、井手隊長10点、ノジーマ9点 / 合計27.5点

井手隊長:僕はこれ10点です! 

オサダ・ノジーマ:うおー、すごい! やったー!!

井手隊長:開発者の方の豚骨ラーメン屋へのリスペクトを感じますもの。ちょっと真似してやれとかいう雰囲気じゃなくて、絶対に豚骨ラーメンが超好きですよ。あえてちょっとクサくしたりとか、確かに“こってり豚骨推し”だよ、これ作った人!

ノジーマ:焼豚ラーメンを40年作ってきて、そろそろ自分たちが本当に推したいやつを作りたいやつを作るか、っていう気持ちが伝わってくる。愛を感じる一杯。

オサダ:そうか、10点。そうだよなあ。 

3品目 焼豚ラーメン 熊本とんこつ 黒

ノジーマ:次は「熊本とんこつ 黒」にしましょう。熊本ラーメンは黒いマー油やニンニクが特徴なんですよね。こちらにも黒い調味油とローストガーリックチップが入ってます。

井手隊長:マー油×ローストガーリック。倍でいくわけだ。

ノジーマ:スープはお湯を注ぐ前からスパイシーな気がしますね。色も黒い!

オサダ:うわあ、いい絵面! においも香ばしい!

井手隊長:すっごいマー油のにおい。結構入ってますね。

オサダ:もう会議室の扉開けられないですよ。

ノジーマ:それじゃあ食べてみましょう!

オサダ:ニンニクくるなあ。しっかりある。

ノジーマ:さっきの「こってり豚骨推し」のあとだから優しく感じる。あっさりしてるからベースは「九州とんこつ」に近くて、そこに熊本の要素を足したんでしょうね。

井手隊長:うん、スープはシャビシャビに戻った。スープを飲んだときよりも麺をすすったときの方がマー油が上がってくる。マー油を主役にした感じがすごくいいですね。

オサダ:麺にちゃんとマー油が絡んでるんでしょうね。ニンニクって押し付けがちじゃないですか。派手なことが好きな時代なので特に。でもこれはバランスがとてもいい。あと食べた終わったあとの余韻もいい。

ノジーマ:結果的にカップラーメンらしい味付けにもなってる。これはこれですごい美味しいな。ある意味チープな麺がいい意味でハマってる。では、採点行きましょう!

評価:オサダ8点、井手隊長8点、ノジーマ8点 / 合計24点

オサダ:200円以下で熊本のラーメンをちゃんと再現しているのはすごい。

井手隊長:チープな中で熊本ラーメンらしさが出てるってのがすごいなと。マー油の量があれだけ入っているからちゃんとした感じになりますね。ちょっと「桂花」(熊本ラーメンの名店)を思い出したもん。

4品目 焼豚ラーメン 博多辛ダレとんこつ

ノジーマ:最後は「博多辛ダレとんこつ」です。博多ラーメンだし、赤い容器と赤い辛いダレ……どうみても「一蘭」なわけですよ。麺もちょっと細いですね。

井手隊長:待ち時間もこれだけ2分なんだ。でもストレート麺ではなく、縮れ麺。スープはどうだろう。「九州とんこつ」に辛ダレを足しただけってことはなさそうな気がする。ここに来て3種類目の豚骨スープが来るかな?

オサダ:サンポーさんならひょっとしたらね。やってくれるのでは。

ノジーマ:でもわかんないですよ。開発者が“こってり推し”で、熊本は好きだけど博多は好きじゃないとかあるかもしれない。

井手隊長:これは売れ線に走っただけとかね。笑

オサダ:やめてください!笑

オサダ:辛ダレが結構赤いですね! 一蘭のタレよりも粘性が高そう。スープは結構サラサラですよね。

井手隊長:スープはもしや「九州とんこつ」と同じなのかな? あと辛ダレ以外にも赤い部分があるね。

ノジーマ:一蘭とかはクリーミーですもんね。さあどうなるか、ラスト食べてみましょう!

井手隊長:おお、結構ピリピリする。麺を食うと辛いね。

オサダ:辛っ! そして思っていたよりもとろりとしている……。

ノジーマ:でもスープはやっぱり「九州とんこつ味」とは違うんじゃない? クリーミーだ。これは美味しいな! 全然「ジェネリック一蘭」と呼んでいいですね!

井手隊長:スープも違うし、麺もだいぶ雰囲気違う……これウマいね! こんなのも作れるんだなあ。そしてこの「博多辛ダレとんこつ」を作れるのに「九州とんこつ味」も作り続けているってのがまたよくない!? 

オサダ:ほんと、関東の人たちは「九州とんこつ味」が焼豚ラーメンのすべてだと思わないでほしいですね。でも喉にくるなあ。だいぶ辛い!

ノジーマ:卓上にある辛子系の調味料を入れすぎちゃった感じの味。笑。もしかしたら辛くすることでごまかしている部分もあるのかもしれないですね。

評価:オサダ8.5点、井手隊長9点、ノジーマ9点 / 合計26.5点

ノジーマ:こんなに辛くなければ10点にしてもよかった。ちょっと辛い!

井手隊長:今日はほんとグッと来た。おんなじ豚骨の中でこんなにグラデーションが出ると思った!? ここに来て3つ目の豚骨スープが登るとは思わないもんね。90年代後半くらいから全国に出てきたクリーミーな豚骨感がある。驚き。

オサダ:下手なチェーン行くよりいいんじゃない? 本当にウマい。細麺とスープの粘性のバランスがすげー好き。ちょうど絡んでくる。

井手隊長:これの辛ダレなしバージョンがあったら全国的に愛される豚骨ラーメンになるんじゃないかな。

最終結果発表

1位:こってり豚骨推し / 28.5点
2位:博多辛ダレとんこつ / 26.5点
3位:熊本とんこつ 黒 / 24点
4位:九州とんこつ味 / 22点

井手隊長:サンポーさんの豚骨愛がビシビシ伝わりました。開発担当者は絶対店で食いまくってるタイプだと思いますよ。

オサダ:この4つを食べただけでもだいぶわかりました!

ノジーマ:また九州に行ったらお土産に買って帰りたいし、関東で見かけたらまた買いたいし、別の種類も食べてみたくなった!

井手隊長:他にも久留米ラーメンとかもあるんだもんね? これは第4のスープも来るかもしれないと思ったらゾクゾクですよ。いやあ、勉強になりました! 同じシリーズのなかで食べ比べてみるってのもアリですね。また違う地方に行ったら買ってきてよ。

ノジーマ:ぜひまたやりましょう!

同じメーカーの同じ豚骨系カップ麺を4品食べ比べるという、場合によっては何も面白くない展開になってもおかしくないラインナップでの食べ比べでしたが、フタを開けてみれば大成功。サンポー食品さんの豚骨ラーメンにかける情熱に心を打たれるクロスレビューとなりました。

まだまだ九州以外では簡単に入手できない商品がほとんどかと思いますが、もし九州に行く機会や近所で見かける機会があればぜひ入手していただき、サンポー食品さんの豚骨愛を感じてみてください。

(執筆者: ノジーマ)

情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 九州ご当地カップ麺「焼豚ラーメン」を食べ比べたら現地調達したレア品が激ウマすぎた!|ガジェ通クロスレビュー