「1年のうち12時間だけすべての犯罪が合法になる」――そんな異常な法律“パージ法”が施行されたアメリカを描く『パージ』シリーズ。4作目となる新作『パージ:エクスペリメント』が11月7日にブルーレイ&DVDでリリースです。


2013年に1作目『パージ』が全米初登場1位を獲得して以降、本国のユニバーサル・スタジオのハロウィンシーズンに“パージ”エリアが登場したほか、ドラマ化作品も人気を博し、現在シーズン2がAmazon Prime Videoで配信中。シリーズ5作目となる新作映画の製作もアナウンスされるなど、今なおニュースが尽きません。


未だ『パージ』シリーズを観たことがない方も、シリーズすべてを追えていない方も、『パージ:エクスペリメント』リリースの前にシリーズのポイントを押さえておきましょう!



パージ法の基礎知識



遠くない未来、アメリカは経済が崩壊し、失業率はうなぎ登り。犯罪は増加する一方でした。そこで政権を奪取した新政党“NFFA”(=新しいアメリカ建国の父たち)が国を再生するために導入した政策が“パージ法”です。


【ルール】

・1年のうち12時間だけ殺人を含む全ての犯罪が合法になる

・どんな武器を使用してもいいが、レベル4以上の武器は不可

・ランク10以上の政府職員への攻撃禁止

・パージ期間中は警察・消防・医療機関はすべてのサービスを停止する


パージの実施は該当日の夜7時から朝7時まで。開始と終了時には「ブォオオオオオン ブォオオオオオン」というけたたましいサイレンが街中に響き渡ります。


この前代未聞の法律で人々の怒りを解放し、浄化(=パージ)したことによって、アメリカの犯罪率と失業率は1%未満になり、経済も改善。そのため、パージを有益と判断し、支持する人も少なくありません。



パージの目的には裏がある?


しかしながら、パージ法の施行によって命の危険にさらされたのは、武装するお金もなく、セキュリティのある家に住むこともできない貧困層やホームレスたち。パージ法によって、国の負担がかさむ貧困層の人口が減る。NFFAは“国民の怒りの浄化が目的”としていますが、果たしてパージの真の目的は……?



“パージ法のある社会”を掘り下げてきたシリーズ作



最新作『パージ:エクスペリメント』に至るまで、ジェームズ・デモナコの監督・脚本による3本の映画が製作され、“パージ法のある社会”を徐々に掘り下げて描いてきました。


一作目の『パージ』は、“パージ支持派”である富裕層一家をフィーチャーして描く、シリーズでもっともミニマルな作品。パージ対策セキュリティの営業職で父親は昇進、収入も年々増えてホクホクの一家でしたが、幼い息子がパージの標的となったホームレスを家にかくまったことから、パージ参加者たちの襲撃を受けることに。安全な場所で甘い蜜を吸っていた一家が初めて味わうパージの恐ろしさをシニカルに描きます。


続く二作目の『パージ:アナーキー』は、パージの夜に街で起こっていることを描いた群像劇。武器を持った一般市民が狙うのは誰か。厳重なセキュリティが用意できない一般家庭はどうなるか。貧困層と富裕層の間で何が起きるのか。本作によって“パージのある社会”がより具体的に可視化されました。


三作目の『パージ:大統領令』は、パージ支持派の議員とパージ廃止を求める議員が出馬する、パージの存続・廃止を賭けた大統領選をめぐる物語。この大統領選の直前にあるパージでは、こともあろうに「ランク10以上の政府職員への攻撃禁止」のルールが廃止。露骨すぎる! 政府の思惑が透けて見えるこの決定により、パージ反対派の候補者は命を狙われることに……。政治の腐敗を強烈に皮肉る本作は、2016年大統領選真っ只中の独立記念日に合わせて全米公開され、シリーズ最大のヒットとなりました。



マスクを付ける参加者たち



パージの夜、凶器を持って外に繰り出し積極的に犯罪を行う人たちがいます。パージの狙いからすれば、それは正しい行動でもあるわけですね。そんな彼らの多くが身に着けているのが、素顔を隠すマスクです。


本シリーズのプロデューサー、セバスチャン・K・ルメルシエは、『パージ』シリーズにマスクを登場させる理由について、「マスクを着けると、本来ならするべきではないこと、隠れてやるべきことを堂々とするようになる。“これは本当の自分じゃないよ”と、世間に伝える象徴的な方法なんだ」と語っています。


マスクを着けている理由はゾッとするものではありますが、シリーズに登場する多種多様なマスクはなかなかの見もの。参加者が“本当の自分ではない自分”をどんなマスクで表現しているか、要注目です。



丸見えになる人間のドロドロ感情



パージの夜に行われる襲撃は、無差別に行われるものだけではありません。特定の誰かを襲うことだってもちろん合法です。


それは積年の恨みかもしれないし、日頃の付き合いで抱かれた些細な妬みかもしれない。本来ならば心に秘めて終わったであろうネガティブな感情が、パージの夜には暴力となって表出するのです。


清く正しく生きていれば誰にも恨まれない、というわけではないのが人生でありまして、“パージのある世界”での恐ろしいところ。どこかの誰かに理不尽な憎しみを抱かれているかもしれないんですからね。


もちろん、あなたのネガティブな感情を“浄化”させるために誰かを襲撃しに行っても構わないわけです。嫌いな上司を襲ってもOK、ムカつく肉親を襲ってもOK。それがパージなんですから。


しかし、犯罪が合法ならば人間は容易に殺人を犯すのか? 人の行いを制するのは法律なのか良心なのかという問いかけが、本シリーズの大きなポイントでもあります。



いよいよ“パージの始まり”の物語へ



シリーズを通して“パージ法”が浸透したアメリカが描かれてきましたが、この法律が施行されるまでを描く前日譚が最新作『パージ:エクスペリメント』です。


前作までの『パージ』トリロジーを手掛けてきたジェームズ・デモナコは脚本のみを手掛け、監督はシリーズの制作陣が惚れ込んだ気鋭監督ジェラルド・マクマリーに託されています。


国民の鬱憤がたまり変革が求められていたアメリカで、新政党NFFAと新大統領は、現状を変えるための心理実験の実施を発表します。それは、ニューヨーク州スタテン島に限定したパージの導入実験でした。


【パージ導入実験】

・ニューヨーク州のスタテン島のみで実施

・パージに参加したくなければ事前に島を出てもいい

・島に残った場合は実験参加の報酬として5000ドルを支給

・パージ開始後は島から出られない

・“攻撃的参加”をする場合は録画機能付きコンタクトレンズを装着

犯罪を犯せば犯すほど、報酬が上乗せされる


パージを発案したのは、行動学者のメイ博士(マリサ・トメイ)。パージによる激しい行動が人々の“暴力の解放”になり、有益な結果をもたらすと信じています。しかし、メイ博士の案を採用したNFFAには博士の意思とは別の思惑があるようです。



本作の主人公で、弟イザヤと暮らすナヤ(レックス・スコット・デイヴィス)は、生活するお金に困ってはいたものの、殺人をけしかけるようなパージ法には反対です。「パージ法は低所得者の排除が目的だ」と訴え、パージの不参加を呼びかける活動を行っていました。一方イザヤ(ジョイヴァン・ウェイド)は、貧しい現状を打破するために、黙ってパージの参加を決めていたのです。


結果的に、富裕層は命の安全のために島を離れ、お金に困っている貧困層が5000ドルのために島に残ることに。島の住人たちは、金で殺人を促すような実験に魂までも売ってしまうのか。そしてNFFAはこの実験を本当にまっとうな心理実験で終わらせるのか。


パージ法が浸透し、簡単に人が人を殺める社会になってしまう一歩手前の物語。果たして人は、どのようにして一線を超えてしまうのでしょうか?


パージの夜、あなたならどうする?



『パージ:エクスペリメント』

2019年11月7日(木) ブルーレイ&DVDリリース

発売・販売元:NBC ユニバーサル・エンターテイメント



ブラムハウス作品ファンアートキャンペーン


NBCユニバーサルの特設サイト『恐怖の館』では、ファンアートキャンペーンを実施中。対象作品のイラストを描いて投稿すると、ブラムハウス・プロダクション製作の人気ホラータイトルBlu-ray11枚セットが当たります。詳しくは『恐怖の館』公式Twitterアカウントおよび『恐怖の館』特設サイトをご覧ください。



<応募方法>

(1)『恐怖の館』公式Twitter @kyofu_no_yakataをフォロー

(2)対象作品のファンアートと、ハッシュタグ #恐怖の館ファンアートキャンペーン #恐怖の館 をつけてTwitterに投稿


<ファンアート対象作品>

・『ハロウィン』

・『パージ』シリーズ全4作品

・『ハッピー・デス・デイ』

・『ハッピー・デス・デイ2U』


<締め切り>

2019/11/21


<『恐怖の館』特設サイト>

https://nbcuni-cp.jp/kyofunoyakata/



c 2018 UNIVERSAL STUDIOS

c 2018 Universal Pictures


―― やわらかニュースサイト 『ガジェット通信(GetNews)』
情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 [特集]あなた、襲う?襲われる? すべての犯罪が合法になる12時間を描く『パージ』シリーズ入門[ホラー通信]