中国企業がウルトラマンの利用権を主張し、(アゴがシャープな)ウルトラマンが登場する新作映像の製作を発表して波紋が広がっている。


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http://getnews.jp/archives/1837912


円谷プロダクションが非難声明を発表すると、中国企業側は中国版Twitter『微博(ウェイボー)』を通じて著作権の帰属に関する裁判文書を開示。「海外におけるウルトラマンの版権を持つ会社」から使用許諾を得ていると主張した。


これに対し円谷プロは、「係争の元となっている書面は、全てのウルトラマンキャラクターに関して定めたものではなく、昭和40年代の特定の映像作品のみを記載しているに過ぎません。また、当該書面には、海外における一定の利用権の許諾のみを記載しているに過ぎず、著作権を譲渡する書面でもなければ、無限定にあらゆる利用権を許諾するものでもありません」と説明。


つまり、ウルトラマンシリーズの著作権については一貫して円谷プロが保有しており、円谷プロの承諾を得ずに新作が発表されることはあり得ないという主張だ。


この「海外におけるウルトラマンの版権を持つ会社」については、「チャイヨー・プロダクション」「ユーエム」と検索すれば様々な文献が出てくるのだが、ウルトラマンシリーズ初期映像作品(『ウルトラQ』『ウルトラマン』『ウルトラセブン』『帰ってきたウルトラマン』『ウルトラマンエース』『ウルトラマンタロウ』)の日本国外における利用権の取り扱いに関しては、長期間にわたって複数の国で係争が続いている。


しかしながら、円谷プロは、「タイ人との間で作成されたとされる当該書面につきましては、タイ国家警察から委託を受けた書類鑑定委員会による鑑定報告として当該書面が偽造であるとの鑑定意見が出され、当該書面が偽造であるとの結論が民事訴訟、刑事訴訟双方において出されております。中国においても、第一審では当該書面が偽造であるとの判断が出されました」と説明。


その後、中国の広東省高級人民法院(日本の最高裁判所に相当)では、タイの鑑定機関の結論は中国において拘束力を有しないとの判決が。偽造と認めるだけの証拠がないことを理由に書面が有効と認められるものの、「当該中国の判決でさえ、当該映像作品に関する“著作権の譲渡”は認めておらず、“昭和40年代の特定の映像作品について“の“限られた範囲の利用権の許諾”のみ」認められるに至った。


つまり、平成29年現在において、昭和40年代の特定の映像作品を含むすべてのウルトラマンシリーズの映像作品及びキャラクターに関する著作権は、いずれの国の判決に従ったとしても、一貫して円谷プロが有していることを主張できると説明しているのだ。


果たして今後、円谷プロの法的措置はどのような着地を迎えるのだろうか。


《Yes現場 全長無剪》電影《鋼鐵飛龍之再見奧特曼》定檔發佈會(YouTube)

https://youtu.be/j9yA1ZK99oE




※トップ画像は中国北京で開催されたイベントに登場したキャラクター。『YouTube』より引用。


情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 中国のウルトラマンに円谷プロが猛抗議 なぜか強気の中国企業が勘違いしている事と争点まとめ