汗をかく原因




汗はそもそも体内の水分や塩分を調整するためであったり、蒸発する時の気化熱によって体温を下げたりという目的で分泌されるもの。

何となく汗をかく=暑い時というイメージばかりを持ちがちですが、実は人が汗をかく原因は他にもあるのです。

まずは汗をかく原因について紹介します。




暑い環境で過ごす時や運動時の体温調節(温熱性発汗)




まず、一番分かりやすい原因は「暑い環境」にいるという事。

人体は正常に活動できる温度に限界があり、一定以上の体温に上がってしまうと脳などがダメージを受けてしまうため、暑い環境などにいると体温が上がり過ぎないよう、汗をかいて調節しています。

同様に、運動によって筋肉が動いた時も体が熱を発するため、この熱を冷ますために汗をかきます。



この場合、汗は体全体からかきますが、汗は血液が原料となって作られているため、血行が悪い箇所などは汗をかきにくくなるため、運動不足などの場合心臓から離れた箇所は汗をかきにくい傾向にあります。




緊張など心理的要因での汗(精神性発汗)




緊張すると手汗をかきやすいという人も多いかと思いますが、緊張状態などストレスがかかる状況になると部分的に汗をかきやすくなります。

手汗は特に緊張によってかきやすい汗で、これは人がまだ動物だった時代から、緊張状態=身に危険が迫った状態の時に、手に水分を含ませる事でグリップ力を上げ、逃げだしたりモノを掴んで戦ったりしやすいようにするためと言われています。



緊張以外では興奮時や痛みを感じた場合に、手のひらの他、脇の下や顔、足の裏などにもかきやすくなり、冷や汗とも呼ばれます。




味覚刺激による汗(味覚性発汗)




辛いものであったり、酸味が強いものを食べた時にかきやすくなる汗で、頭周辺の温度を下げて脳を保護するために汗をかきやすくなると言われています。

基本的に頭にかく汗が中心で、他の部位にはあまり汗がでません。




汗っかきの人の特徴




汗っかきの人は、パセドウ病という甲状腺機能亢進病などの可能性もありますが、主にかきの3つのパターンに分類できます。



そもそも脂肪細胞が厚く肥満体型の場合、体内に熱がこもりやすいため、体温を下げるために汗をかきやすくなります。

太った人に暑がりが多いのもこの理由です。




ホルモンバランスが乱れている




汗をかいたり、逆に汗を止めたりするのは交感神経や副交感神経の働きによるもので、交感神経や副交感神経が正常に働くためには、体内のホルモンバランスが適切である事が必要です。

ホルモンバランスが崩れていると緊張や攻撃的になりやすいなどの状態なため、汗をかきやすくなってしまいます。

生活習慣を整え、ストレスをためないようにする事が大切です。




代謝が悪く部分的に汗をかけない




運動の習慣などが無く、血行が悪い箇所などがあると、その部分には汗をかきにくくなります。

汗をかきにくい場所があっても、体温を下げたりという目的でかく汗の全体量は変わらないため、汗をかきやすい所ばかり大量に汗が出てくる形となります。

局所的に汗が大量に出てくる事で、汗をかきやすいと判断されがちなパターンです。



また、運動などによって習慣的に汗をかいていないと、汗腺が上手に機能できずサラサラな汗ではなく、べた付く汗をかきやすくなります。

べたついた汗をかくと不快感を感じやすいため、汗をかきやすいと思いやすくなるケースがあります。




汗を抑える方法




汗は基本的に体にとって必要なため分泌されているので、汗を完全に抑えるという事はできません。

ただし、汗をかきたくない場所に汗をかかないようにしたり、汗の質を変えて気にならないようにしたり、無駄に汗をかきすぎないようにしたりする事は可能です。




汗をかく場所をコントロールする




汗は血液が原料となるため、血流の良くない箇所はあまり汗をかきません。

つまり、きつめの服を着るなどで体の血流を意図的に悪化させれば、その箇所より先(心臓から離れている方向)は汗をかきにくくなります。



血流を悪くさせるというと良くない印象ですが、和服を着る際などにキツメにワキや胸元を締め付けると顔などから汗をかきにくくなるのはこの原理で、芸子さんなどが昔から利用している手法でもあります。



また、そもそも汗腺を外科的手法によって取り除いてしまうという方法もあり、とくにワキガなどの症状の治療として、汗腺を切除して取り除いてしまう事で汗をかかなくする方法もあります。




汗の質をサラサラにする




良質な汗はその殆どが水分で、すぐに蒸発してしまうため汗をかいてもあまり気になるという事はありません。

汗の質は汗腺の働きにより左右され、汗腺が適切に働いていれば汗がしっかりとろ過されて分泌するため、余分な成分をあまり含まない質の良い汗となります。

逆に、普段から汗をかく習慣が無いと汗腺の働きが悪くなるため、汗に不純物が多くふくまれ、べた付いたり臭いのもととなりやすくなります。

適度な運動や入浴など、汗を適切にかく習慣を身につけましょう。

また、汗の質を向上するためにレシチンなどの栄養素を十分に摂取しておく事も大切です。




ホルモンバランスを整えて余計な汗をかかないようにする




適度な睡眠や規則正しい生活習慣、リラックスした状態にい続ける事でホルモンバランスを整える事で、交感神経や副交感神経の働きが正常化されていると無駄な汗をかきにくくなります。

手汗や顔汗など、緊張による汗をかきやすいタイプの方は、リラックスする習慣などで汗のかきかたをコントロールすると良いでしょう。




汗のニオイ対策




汗のにおいが気になるという場合、臭いの性質によって2通りの原因と対策方法があります。




運動後や「蒸れて」発する汗のニオイ




いわゆる「汗臭い」状態や、夕方以降などに蒸れて発生するニオイはエクリン腺とよばれる汗腺からの汗が原因となります。

エクリン腺は体中にある汗腺で、体温の上昇を解消するためのサラサラとした汗を分泌する機関。

汗がにおいを感じさせる原因は、汗腺の働きが悪いために汗が適切にろ過されておらず、水分や塩分以外の不純物まで分泌されてしまい、それが雑菌の繁殖を引き起こす事にあります。

汗腺の働きを良くする事でニオイは出にくくなりますので、適度な運動や入浴習慣などによって定期的に汗をかくトレーニングをすると良いでしょう。



ただ、サラサラとした汗でも蒸発していく限界量はありますので、汗の蒸発を促しやすい服装をしたり、余分汗はタオルなどでしっかりふき取るようにしましょう。




ワキガなどそもそもの体臭としての汗のにおい




ワキガなどの臭いについては、前項のエクリン腺ではなく、アポクリン腺という汗腺から分泌される汗が原因となります。



アポクリン腺は思春期から壮年期にしか活動しない汗腺で、脇や陰部、乳首といった部分にしかない汗腺。

性的興奮時などに発汗しやすく、フェロモンを分泌する汗腺とも言われています。



アポクリン腺はそもそも体質によって汗腺の数や大きさ、活動の度合いに差があり、日本人よりも欧米系人種の方がアポクリン腺が多いなど、遺伝によって大きく左右されるものです。



アポクリン腺から分泌される汗はそもそも栄養が豊富で雑菌が繁殖しやすいため、アポクリン腺が原因となって発生するニオイについてはなるべくこまめに汗をふき取ったり、デオドラント剤を利用して清潔に保つしかありません。



ワキガなどの症状である場合については、汗腺を除去する外科的治療などが保険適用でも受けられるため、治療を行ってしまうのも一つの手段です。




汗っかきの人が化粧崩れを防ぐポイント




汗をかいて化粧崩れが起きる原因として、主に以下の3つが考えられます。

・化粧品が汗と一緒に流れ落ちる

・汗と一緒に皮脂が出て脂溶性の成分が浮いてしまう

・汗を拭くときにこすってしまい化粧が崩れる

これらを踏まえ、汗をかいても崩れにくいメイクをするときには以下のポイントに注意しましょう。




ファンデーションの後はパウダーで仕上げる




ルースパウダーは、汗を弾いて皮脂を吸着してくれます。お化粧の最後に顔全体に薄くパウダーをつけておくだけでも、ある程度の汗から崩れを守ってくれます。




皮脂・汗に強い下地、ファンデーションを使う




夏に近づくと化粧品メーカー各社から、汗や皮脂に強いとキャッチコピーのついた製品がたくさん登場します。こう言った製品は、ほとんどの場合皮脂を吸着する成分と、汗などの水分を弾いてさらっとさせる成分などを含んでいます。

汗をかいても肌の表面から汗だけが滑り落ちて行くので、化粧が一緒に落ちて行くのを防いでくれます。




汗をかいたらこすらずに、ティッシュなどで吸い取る




汗っかきの人にとって夏手放せないアイテムが、ハンカチですよね。ハンカチをそっと当ててこすらないように汗を拭いているつもりでも、繰り返しているうちにお化粧は取れていってしまいます。ハンカチも汚れてしまって最悪ですね。

ですので、外出先で汗が止まらなくなったら、ティッシュで汗を吸い取った後、パウダーでお化粧直しする、というのをこまめにしておくことをお勧めします。

また、顔用の制汗シートなどを持っておくと便利です。


情報提供元: 女美会
記事名:「 汗っかきの原因とは? 対策やメイク崩れの予防について