「猫背」になるとダイエット効果が現れない理由

それではなぜ猫背の姿勢になると、ダイエット効果が現れないと言えるのでしょうか。

その理由として、

  • 脂肪燃焼効率の低下
  • エクササイズ効果の低下

の2つが挙げられます。

理由1:脂肪燃焼効率の低下

猫背の姿勢になると、肺や心臓をカゴ状に取り囲む「胸郭」という組織が狭くなる上、落ち込んだ状態となります。すると換気量(吸い込まれる、または吐き出される空気の量)が低下するため、取り込むことができる酸素の量も少なくなってしまいます。

脂肪を燃焼させるには、大量の酸素が必要となります。しかし、取り込むことができる酸素の量が少なくなってしまうため、消費できる脂肪の量も少なくなってしまいます。

したがって猫背の姿勢になると脂肪燃焼効率が低下してしまうので、有酸素運動などを行ってもダイエット効果につながりにくくなると考えられるのです。

理由2:エクササイズ効果の低下

また、猫背のままでダイエットに効果的と言われるエクササイズを行っても、ターゲットとする筋肉に効かせることができなくなってしまうため、エクササイズ効果が低下してしまいます。

例えばダイエットに有効なエクササイズの一つである「スクワット」を猫背の姿勢のままで行うと、下の写真のように背中が丸まってしまいます。すると股関節の動きが制限されてしまうため、ターゲットである大殿筋やハムストリングスといった筋肉には効かないばかりか、膝や腰への負担が大きくなってしまいます。

出典:byBirth

このようなことから、猫背の姿勢でダイエットに有効なエクササイズを行っても、思うようにダイエット効果が現れないと言えるのです。

誰でも簡単にできる「姿勢チェック法」

ここで猫背の姿勢かどうかをチェックしてみましょう。

これからご紹介するチェック法は、特別な知識や技能は不要で、壁さえあれば誰でも簡単にできるものです!

下の写真のように壁にかかと、お尻、肩(肩甲骨)、そして頭を付けて立ってみましょう。

出典:byBirth

「頭が壁に付けにくく感じる」という場合は、猫背の可能性大です!

また、「頭が壁に付けにくく感じなかった」という方、そこから「バンザイ」をするように両腕を上げて壁に付けてみましょう。そうすると両腕が壁に付かなかったり、腰と壁の隙間が大きくなってしまったりする場合も、猫背の姿勢である可能性が考えられます。

今すぐに猫背の姿勢を改善させておきましょう!

ダイエット効果を一気に高める「猫背改善エクササイズ」

それでは猫背の姿勢を改善に導くエクササイズをご紹介していきましょう。このエクササイズを行うことで猫背が改善されて、ダイエット効果を一気に高めることができます!

用意するものはヨガマット、もしくは大きめのバスタオル1枚だけです!

ここでご紹介するエクササイズは、畳一畳分程度のスペースさえあればできるものですが、エクササイズを行うにあたり、周りに障害物などがないことを確認した上で行うようにしましょう。

肩甲骨内転筋エクササイズ

出典:byBirth
  1. うつ伏せになって両腕を肩のラインに広げ、親指側を天井に向けるようにします。
  2. 胸を床から離した体勢のまま、息を吸いながら肩甲骨を内側に寄せることで両腕を上げていき、上げ切ったところで1~3秒程度静止し(写真上)、息を吐きながら床スレスレのところまで下ろす動作(写真下)を繰り返します。そうすることで肩甲骨内側にある肩甲骨内転筋に効かせることができます。

15~20回を、1分程度の休憩を入れながら3セット行います。

このエクササイズを行うことで強くなった胸椎の後弯が減少し、猫背の姿勢を改善させることができます。

〈ポイント及び注意点〉

左右の肩甲骨を内側にしっかり合わせるまで両腕を上げるようにしましょう。

頭を上げてしまうと頚椎への負担が大きくなってしまいますので、頭を上げないようにしましょう。

エクササイズをしても肩甲骨内転筋に効かない場合

胸椎の後弯が強いと胸を床から離した体勢を作ることができないため、上体を起こし過ぎてしまいます。そうなると肩甲骨内転筋ではなく、腰の筋肉に効いてしまうばかりか、腰への負担も大きくなってしまいます。

そのような場合は、「胸椎の強い後弯をリセットするストレッチ」を行った上でエクササイズを行うとよいでしょう。

ストレッチの前後に、先程ご紹介した「壁を使った姿勢チェック」を行っておきましょう。すると胸椎の強い後弯がリセットされたかどうかを確認することができるからです。

胸椎の強い後弯をリセットするストレッチ

テニスボールを1つ用意します。

出典:byBirth
  1. 両膝を立てた仰向けの体勢になり、用意したテニスボールを左右の肩甲骨の間にセットします。両腕は手のひらを天井に向けてカラダの横に構えます。
  2. 息を大きく吸いながら、両腕を開くように頭上に向かってゆっくりと上げていき(写真上)、息を大きく吐きながら両腕を閉じるようにゆっくりと下ろしていくという動作(写真下)を3回繰り返すだけです。

両腕を、ゆっくりと大きく動かしていくことがポイントです。

カラダを変える前に姿勢から変えていくべき!

出典:byBirth

今回は猫背の姿勢になるとダイエット効果が現れない理由と、猫背改善に導くエクササイズをお伝えしてきました。

猫背の姿勢を改善させることで、姿勢が良くなるだけでなく、脂肪燃焼効率やエクササイズ効果がアップし、ダイエット成功につなげることができます。

そのためダイエット目的で全身の筋トレや有酸素運動を行う前に、まずは猫背の姿勢を改善するところから着手すべきであると言えます。カラダを変える前に、姿勢から変えていくべきです!

ダイエット目的でエクササイズを続けているのに思うようにダイエット効果が現れない方や、これからダイエットのためにエクササイズを始めようとお考えの方は、是非参考にしていただけたらと思います。

情報提供元: GODMake
記事名:「 ダイエット効果が現れない原因は「猫背」?猫背改善に導くエクササイズ