写真の中にある対象物の「切り抜き」。筆者は過去にDTPと呼ばれるデザイン関係の職についており、仕事の中で散々この作業を行いました。Photoshopを使用し、対象物のふちに細かくパスを巡らせ、丁寧に切り抜くという、職人技が要求される作業です。

 現在でもこの手の作業は健在。まだまだ現役の手法なのですが、近ごろのアプリには作業が数秒で完了してしまう、まさに夢のような機能が実装されているのです。もちろん、iPhoneにも標準装備されています。

■ 写真切り抜きとは

 写真切り抜きとは、目的の物体以外の背景を消す作業です。

 たとえば「人の写真」から「車」に至るまで幅広い物体を切り抜いて背景を消す作業のことをいいます。そのためには、Photoshopをはじめとする加工ツールのソフトを使い、地道に背景を消していくという途方もない作業が発生するのですが、近ごろのアプリはそんな手間を一気に省きます。

■ 写真を切り抜く方法

 では「写真の切り抜き」はどのように行えばいいのか?アプリといえど、複雑な手順がいるのでは?とDTP時代の経験から考えてしまいそうになりますが、実に簡単。

 今回は「iPhone」で説明していきます。まずは、OSがiOS16以降になっているiPhoneと、切り抜きたい写真を用意。今回のテストでは、カレーパンを片手にもち、背景に草も映り込んでいる写真を用意しました。

 用意できたら、切り抜きたい部分を指で「長押しタップ」します。

 「長押しタップ」したら、輪郭がピカーンと光り輪部が選択されますので、そのまま指を離さず「ドラッグ(押したまま引っ張る)」。

 そして、もう片方の指で写真一覧画面に遷移し、ページ先頭まできたら指を離して「ドロップ(落とす)」します。

 すると見事な切り抜き写真を生成することができました。

 嘘みたいな話ですが……行った作業はたったこれだけ。

 しかも今回使用した写真背景は、真っ白とかではなく、草のような複雑な柄です。これがいとも簡単に切り抜けるなんて……。凄いというかそういう次元ではなく、もはやおかしいチートのレベル。

 筆者が切り抜き写真を従来手法で行った場合、10分以上はかかります。それがiPhoneならほんの数秒です。

 ちなみに、ドラッグ&ドロップまたはペースト先は他のアプリでも可能。たとえばiPhoneの標準アプリ「フリーボード」に、ペースト(貼り付ける)することができます。切り抜いた写真同士を組み合わせて、女子高生みたいな仲良しフォトボードを作ることも可能ですよ。

 いやいや、しかし元DTPをやっていた筆者でさえこのくり抜きのクオリティには舌を巻くわけですが、更に精度を上げようとするのであれば、撮影時点で背景を単色にしたり、グリーンバックなどを使用したりすればより上げることができるでしょう。

 これはもはや、切り抜きという作業が、過去の仕事になるレベルですよ!

<参考>
iPhone で写真の切り抜きを作成して共有する

(たまちゃん)

情報提供元: おたくま経済新聞
記事名:「 知らんかった!iPhoneを使い「アプリなし」でプロ並みに写真を切り抜く方法