猫は意外に食いしん坊。飼い主さんが気をつけていても、食べ物以外の物を口にしてしまうことがあります。猫の誤食事故で多いのは、内臓が傷ついたり詰まったりすること。食べてしまった成分によって、中毒を起こすこともあります。



猫は肝臓の分解能力が低いので、語食は命に関わることともあります。今回は猫の飼い主さんに聞いた、身近な物を誤食してしまった「意外な物」のエピソードをご紹介します。



 

■少量でも命に関わる物「薬剤」




「うちの愛猫は少し目を離したすきに、私が飲もうとしていた胃腸薬をちょっとかじってしまいました。1時間後にぐったりしたため、慌てて動物病院へ連れて行きました。」



猫が食べてしまった意外な物のエピソードで多いのが、人用の薬やサプリメント類。猫は肝臓の代謝の仕組みが人間と違うため、人用に作られた薬はうまく分解できません。



特に市販されている風邪薬の中には1粒誤食しただけで命を落とす危険のある物もあります。



薬を床に薬を落としたときは、かならず探して処分するようにしましょう。人用の薬の他、殺鼠剤やゴキブリ駆除剤、殺虫剤なども注意しましょう。



 

■誤食すると腸閉塞を起こしやすい物「小さな固形物、ラップ材」




「愛猫が突然吐いたり吐こうとする動作を続けたため、動物病院へ連れて行きました。腸を動かす薬を処方され、飲んだ翌日に長さ3cmのラップが出てきました。」



「突然愛猫の声が出なくなり、栗の皮を吐き出しました。甘栗を飲み込んだと気づき、すぐに病院へ。獣医さんに全部吐いてますと言われ、ほっとしました。」



食べ物の匂いが染み付いたラップや食品トレー、ボタン、栗、鈴といった転がって遊びやすい小さな固形物は猫が特に誤食しやすいものです。



直径が1.5cm以上のボタンを飲み込むと腸にはまってふさいでしまうことがあります。小さな固形物は気道に詰まって呼吸困難になることもありますから要注意です。



 

■量や成分によって中毒を起こしやすいもの「液体などの日用品」






「お風呂場で涼むのが大好きな愛猫。ある日、シャンプーの詰め替えパックをかじって遊んでいるのを発見。慌てて取り上げましたが、少し口に入ったらしくその日は食欲がありませんでした。」



猫が口にしやすい意外な物、それは日常よく使う日用品の中に潜んでいます。シャンプー、リンスなどの液体や、床のワックス剤、入浴剤を入れたお風呂の残り湯も大量に飲んでしまうと中毒にある場合があります。



よく使う粘着テープや紐類、セロハンテープ、段ボール、食用油、灯油といった物まで、猫が誤食した、という事例があります。



液体の類は体内に入っても目に見えないのでとても危険。猫が嘔吐や下痢を繰り返したり、じっと丸まって動かない、訴えるように鳴く、食欲が落ちるなどの症状が見られた場合、動物病院で相談してみると良いでしょう。



 

■内臓を傷つけやすい物「食べ物」




「ある朝、愛猫が食欲がなくうずくまっているので病院へ連れて行きました。獣医さんの触診で誤食の疑いがあり、催吐処置をしてもらったところ、鳥の骨を吐き出しました。」



猫の誤食でやはり多いのが食べ物。特に魚の骨は飼い主さんがあげてしまうこともあり、大変危険です。



アジやタイの骨は気道に刺さりやすい形をしています。加熱した鳥の骨は裂けやすく、先端の尖った部分が食道を傷つけてしまう恐れがありますからあげるのはやめておきましょう。



猫が好んで食べる可能性は低いのですが、わさび、からしがついた肉などを食べたとき、中毒は起こらないものの大量のよだれを出したり、息づかいが荒くなることもあります。



唐辛子など、刺激の強い香辛料は猫にはあげないようにしてください。



 

■これはNG!飼い主さんがやりがちなこと




猫が誤食したものによっては、無理に吐かせたり引っ張ると内臓を傷つけたりかえって危険な場合があります。



しばらく様子をみておかしいと感じたら、自分で応急処置をするより早めに動物病院へ連れて行きましょう。



猫の誤食で飼い主さんがやりがちなこととして、



・口や肛門から出た紐などを引っ張る



・体をさするなどをして吐かせようとする



・食塩水を飲ませて吐かせようとする



などが挙げられますが、これらの素人判断は危険です。NG行為ですから獣医の先生にまずは相談してくださいね。
情報提供元: 猫壱
記事名:「 【猫の誤食】実際にあった猫が食べてしまった意外な物のエピソードとは