犬と海水浴に行く場合の注意すべきこと~1~

pixabay.com

海水浴場は犬の立ち入り禁止?

夏になると開設される海水浴場の多くは「犬立ち入り禁止」となっています。場所によっては、海水浴場開設時間(地域によって違いますが、8:00~17:00)に砂浜への犬の立ち入りも禁止されます。

意外とこのことを知らない飼い主が多く、犬を連れて行ってライフガードに注意されるケースもあるので、予めネットや電話などで、犬と一緒に海水浴が可能かかどうかの確認をしましょう。
また最近では、犬専用ビーチがあるので、そちらを利用するのも良いかもしれません。

犬と海水浴に行く場合の注意すべきこと~2~

肉球の火傷に注意

夏はもちろんですが、気温が25度以上になり日差しが強くなると、砂浜はとても暑くなります。

砂浜には日陰がないため、アスファルトよりも温度が上昇します。真夏ではないからと油断してしまうと、肉球を火傷してしまうので注意が必要です。

まずは、砂浜についたら、砂浜を手で触るか、自分で裸足になってみて砂浜の温度を確認することが大切です。
特に、海水浴の季節は砂浜が60度以上になっている可能性があるので、注意しましょう。

熱中症に注意

砂浜は日差しを反射します。
その輻射熱で熱中症になる可能性もあるので、細心の注意を払うことが必要です。

特にパグ、フレンチブルドッグなどの短頭種や体高の低いミニチュアダックスチワワなどの小型犬は、この輻射熱をもろに受けてしまいます。

実は、海で遊んでいて熱中症になり、命の危険にさらされた犬はたくさんいるのです。
海水浴をしている時に、熱中症の症状が出ていないかに注意を払い、出ていなくても水を飲ませる、カラダに水をかけて冷やすことを心掛けて下さい。

海水浴に行ったら、パラソルやテントなどで日陰を作ってあげることが大切です。

海水は洗い流すことが大切

海水浴を楽しんだあとは、海水が被毛やカラダに付着しています。この海水によって、皮膚炎を起こす犬も多く、ひどい時は赤く晴れてしまったり、湿疹が出ることもあるので注意が必要です。
海水浴から上がったら、シャンプーまではしなくても真水でカラダ全体をよく洗ってあげましょう。

遠方から海水浴に行く場合は、近くに犬を洗えるシャワーがあるのか確認し、もしない場合はポリタンクなどの簡易シャワーを持参することをお勧めします。

低体温症に注意

海水浴の期間以外に犬と海水浴を楽しむ場合は、低体温症に注意が必要です。犬が楽しそうに海水浴をしているからと言って、何時間も海で遊ばせていると、犬も低体温症を発症します。

犬が海水浴をしている時に震えだしたらすぐに海からあげ、タオルや毛布などで犬のカラダを包み、動物病院へ連れて行きましょう。

犬と海水浴に行く場合の注意すべきこと~3~

知っておきたい海辺の危険生物

楽しく海水浴をしている時に、犬が突然海から上がってきたり「キャン」と声をあげたりした場合は注意が必要です。

近年の温暖化現象のためか、以前は海水温の高い熱帯の海にしか生息していなかった生物が、関東近辺の海水浴場にまで出没するようになりました。
海水浴の時期ではなくても、海水温が高くなると危険生物は海面に出現します。危険生物は、砂浜、波打ち際、磯にもいます。

命に関わる3種類の危険生物をここにリストアップしておきます。

カツオノエボシ(クラゲ):水色のビニール袋のような形をした浮き袋に長い触手がついているクラゲです。

この長い触手には強い毒があります。この触手は10m~長いもので50m近くもあり、この触手に触れると、人間の場合は激痛が走り触手に触れた部分が赤く腫れ上がります。
アナフィラキシーショックを起こし、死に至る場合もあるので注意が必要です。

このクラゲは、近くに来たものに触手を巻き付け、毒を発します。長毛種の犬でも、これに刺されることもあるので注意が必要です。

また、砂浜に打ち上がり干涸びた状態であっても、この毒の成分は生きているので、波打ち際などで犬と遊ぶ時には注意が必要です。

ヒョウモンダコ:海水温が上昇しているため、観光近海にも生息し始めた猛毒を持つタコです。岩場や海藻に付着して生息しています。

普段は黄色っぽい透明がかった色のカラダをしていますが、興奮すると綺麗なルリ色のリング模様が浮き出ます。体長は10cmと小さいのですが、神経毒であるテトロドトキシンを持っています。

このタコに噛まれると、神経麻痺、呼吸困難が起こり死に至ることもあります。
この毒に対しての解毒剤はないため、動物病院での素早い対応が必要となります。

元気に海水浴をしていた犬が、突然ぐったりと元気がなくなったら、すぐに動物病院へ連れて行って下さい。

アカエイ:日本の沿岸の浅瀬、砂地、泥地に生息するエイの仲間です。海水浴場や河口でよく見かけられるので、海水浴をする際には注意が必要です。

砂の下などに浅く潜り、目や尾だけを砂の上に出しています。砂の色に似ているため、気がつかずに踏んでしますと鋸歯状の毒トゲのある尾で攻撃されます。

この毒はタンパク質毒と呼ばれ、傷の中の細胞を破壊し炎症を起こし壊死してしまいます。
ひどい場合は、呼吸障害、下痢などの症状や、アナフィラキシーショックを起こし死に至る場合もあるので、注意が必要です。

まとめ

犬と海水浴に行く場合のオススメは、真夏なら朝イチバンの日が昇る時間帯です。この時間帯は、砂も冷たく、海水浴場も開設されていないので、人も少なく犬と海水浴を楽しめます。

また、海水浴場の期間ではなく、5~6月、9~10月も人が少ないのでオススメです。

犬は、自然の中で遊ぶのが大好きです。
プールばかりではなく、海へ海水浴にぜひ連れて行ってあげて下さい。

情報提供元: mofmo
記事名:「 【獣医師監修】愛犬との海水浴。飼い主さんが注意すべき3つのこと【2022年版】