猫も骨折することがある

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猫が高いところからジャンプして華麗に着地する姿を見たことがあるという人は多いのではないでしょうか?「何て柔らかい体をしているんだろう!」と感心してしまいますよね。運動神経が良くて丈夫な体をしている猫は高いところから飛び降りても滅多にケガをすることがありません。

とはいっても着地に失敗したりジャンプしたところが高すぎたりしてケガをしたり骨折したりすることがあります。猫が骨折してしまったらどうすればいいのでしょうか?動物病院に連れて行ったらどのくらいの費用が掛かるのでしょうか?今回は猫が骨折した場合の費用についてまとめます。

まずはどのようなシチュエーションで骨折することがあるのか、そして骨折をしているかどうかを確かめる方法、骨折の治療にかかる費用、愛猫が骨折しないためにできることをまとめますね。いざという時に備えて参考にしてくださいね。

猫が骨折をするシチュエーション

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どんなシチュエーションで猫が骨折してしまうことがあるのか考えてみましょう。

高いところからの落下

高いところからジャンプしても上手に着地をして平然としている猫ですが、高さにも限界があります。6m~7mくらいの高さであれば問題なく着地できても、8m以上の高さからジャンプをするとケガをする可能性が高くなります。これは団地でいうと2階からだと着地ができても、3階以上からジャンプすると骨折してしまうということになります。

2階建ての家の屋根に登ったら降りられなくなったという野良猫の話を聞いたことがあるかもしれません。ネズミなどの獲物を追いかけて夢中になっているうちにどんどんと高いところに登って行ったのでしょう。2階建ての屋根の上は3階に相当しますから、そこからジャンプしたら危険だということを野良猫も知っているのでしょう。

高いところからジャンプして足を骨折しなくても、その時の勢いで顔や顎を地面に打ち付けて骨折してしまうというケースもあるようです。それほど高くない場所からのジャンプでも、着地点が平面でないと体の一部を打ちつけたり上手に受け身が取れなかったりして骨折してしまうこともあります。

交通事故

外に出ることが許されている猫の場合は、交通事故によって骨折する可能性があります。車はもちろんバイクや自転車にぶつかって骨折することもあります。猫は後ろ歩きや後ずさりを素早く行うのが苦手なため、いざという時に戻ることができずそのまま飛び込んで交通事故に遭ってしまうことがあるようです。

猫は交通ルールを知りませんし、車の動きを見極めることができません。突然車が通ってきたらどうしていいのかわからなくてパニックになってしまうこともあります。特に子猫の場合は外での生活経験が少ないために危険を察知することができずに交通事故に遭いやすいと言われています。

外に自由に出ることができる猫は獲物を追いかけている時や発情期でメス猫を追いかけている時など、夢中になり過ぎて交通事故に遭ってしまうことがあります。

猫が交通事故に遭うと残念ながら即死するケースが多いでしょう。もしも骨折だけであるならラッキーだったと言えるかもしれません。しかし体を強く打ちつけるため、骨折だけでなく内臓を損傷している可能性があるので注意が必要です。

家の中でも骨折することがある

骨折をしてしまうシチュエーションは家の外だけとは限りません。家の中でも骨折することがあるので十分注意する必要があります。例えば、ドアの開け閉めの際に挟まって骨折することがあります。ドアの開け閉めには注意したいですし、風によって勝手に閉まったり猫がいたずらしたりしないように工夫しておく必要があります。尻尾を挟んで骨折してしまうこともあるみたいですよ。

家の中にもキャットタワーや本棚など高いところがあります。いつもなら上手に着地ができても、フローリングのように床が滑りやすい場合や、床に物が落ちていたりすると着地に失敗して骨折してしまうことがあります。また、滑りやすい床で勢いよく走っていて止まることができずに物にぶつかってしまうこともあります。

猫と一緒に寝ることがある飼い主さんは注意が必要です。寝ている間に寝がえりをして愛猫を骨折させてしまうという危険があります。このように、家の中でも油断をしていると猫が骨折をしてしまうシチュエーションがあります。

猫が骨折したかどうかを確かめる方法

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猫は本能的に、ケガが痛くてもそのことに気がつかれないように振舞うことがあります。敵に弱みを握られないようにしているのです。猫が骨折をしているかどうかはどうすればわかるでしょうか。

猫の行動を観察する

痛みを我慢して気づかれないように振舞っているとしても、骨折をしている場合は隠しきれないことがあります。足を骨折していれば患部が腫れたり足を引きずって歩いたりします。また、痛くて動きたがらないということもあります。隅に隠れるようになったり、いつもより元気がなかったりする時は骨折をしているかもしれませんよ。

ジャンプに失敗して顎を骨折してしまった場合は、顎がダラーンとして口が閉まらなくなります。痛くてご飯を食べることもできなくなるでしょう。大腿骨を骨折すると排便ができなくなることがあります。これらの様子はよく観察していれば気づくことができるでしょう。

優しく触って確認する

いつもより元気がないなと思ったら優しく猫の体を触って確認してみましょう。骨折をしている場合は患部を触ると痛くて嫌がることでしょう。普段から触ることに慣れさせていると、骨折をしたときに確認しやすくなりますよ。

骨折の治療にかかる費用

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猫が骨折していることがわかったらできるだけ早めに動物病院に連れて行きましょう。早期発見で適切な治療をすれば元通りになることがありますよ。

骨折の手術にかかる費用

骨折の手術にかかる費用は骨折の具合や動物病院によっても違いますが、手術費の平均は10万円くらいのようです。動物病院やペット保険のホームページを見るとだいたいの相場を知ることができますよ。もちろんこれは手術が必要な場合の費用です。ギブスで固定するだけの場合は1万円~2万円くらいで済むこともあるようです。

さて、手術の場合は手術費だけでは済みません。それに加えて初診料や診察料、レントゲン検査、血液検査、入院費、注射や薬代などがかかります。

その他の費用の合計

手術費にその他の諸費用を合計すると総額でいくらくらいするのでしょうか?猫が骨折してしまったという飼い主さんがインターネットに体験談をのせていることがありますが、ほとんどが10万円以上はかかったと言っています。中には50万円近くかかったと言っている人もいました。

ペット保険の「ペット&ファミリー損害保険株式会社」が調査した結果、骨折の平均治療費は163,635円、最高額は769,702円だということです。これは2013年4月~2014年3月の保険金支払い実績をもとに算出した数字だそうです。ちょっと昔のデータなので、あらかじめいくらくらいかかるか調べておくと心の準備ができるでしょう。

猫が骨折した場合の治療費は10万円から70万円くらいかかることを覚悟する必要がありそうですね。できるだけ骨折しないように予防したいですが、万が一の時に放っておいたら勝手に治るのではないかと思う人もいるかもしれません。では自然治癒に任せてはいけないのでしょうか?

放っておいたら自然治癒するの?

骨折の治療は自然治癒の力を使っています。猫が骨折すると体が自然治癒力を働かせて骨がくっつくようにします。治療する際には骨折した部分を正確に合わせてギブスで固定することによって完治させようとしているのです。ところが正しく骨の位置を合わせないと曲がったまま自然治癒力が働いてそのままくっついてしまいます、

患部が異常なままの形でくっついてしまうと後で動きに問題が生じます。骨折した野良猫がそのまま放置されて骨が固まってしまったためおかしな歩き方をしているということがあります。これは治療をせずに放置されてしまったために生じた結果です。愛猫の場合も骨折を放置すると足が曲がったままくっついてしまいますので正しい方法で治療する必要があります。

さらに、大腿骨や顎の骨折などもそのまま放置してしまうと後で問題が生じることがあります。中には大腿骨の周りが腫れを起こしてしまい、排便ができなくなってしまうこともあるようです。そうなると別の病気にかかってしまいさらなる手術が必要になるでしょう。たかが骨折だからといって放っておくことのないようにしましょう。


情報提供元: mofmo
記事名:「 猫が骨折したら治療費用は高額になるかも!骨折治療費と予防策を学んでおこう